松本圭二のいじわるがおもしろい

『詩篇アマータイム』を好きになって『ロング・リリイフ』で思い出して『アストロノート』もわからないなりに読んで読み返して次『チビクロ』。《詩人はすぐれた批評を書けなければダメだ》と断言した(らしい)詩人の批評とエッセイ。冒頭から大岡信のことを《学級委員長から葬儀委員長になったみたいだ》なんて書いている。数行あとには《認知症》とか《リハビリ》なんてことばも出てきて読んでるこっちがキョドキョドしちゃう。依頼されて書いたこの原稿がボツになったという情報に……いや、でもいいや、やっぱり面白い。

詩の時間のことを考える。書かれたものの時間のなかで、詩の自由な具合は強そうだけど、詩人という存在の強度もあって相対的に弱まってしまう場合もあるのかな。詩歌のことをもっと知りたい。次は稲川方人についてだ、こわこわたのたの。何度でもタイトルを忘れてしまうけど『2000光年のコノテーション』を読み終えたときの、黄緑色のカーテンの隙間をふくらます光の具合だけ20年間ずっと覚えている。

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