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Electric Sheep Club参加レポート

※この投稿は2021年9月19日に開催されたMarpril 3rd LIVE "Electric Sheep Club"のレポートです。

🐏1st公演(昼公演)

今回の会場は恵比寿LIQUID ROOM。JR恵比寿駅から徒歩3分という田舎っぺに親切な立地。

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Q. なんで渋谷にいるんですか?
A. 紆余曲折あって迷いました。

前日からスマホが常時圏外になるという謎トラブルに遭い、文明の利器に頼ることなく会場に赴くこととなった。圏外でも電子チケットが起動することを確認していたが、後から考えたら事前にMarpril公式かLIQUID ROOMさんに一報入れた方が良かったかもしれない。

会場に着くもトラブル発生。電子問診票なるもの(健康状態を登録するもの)がQRコードで用意されているものの、圏外では当然読み込めず。スタッフさんに迷惑をかけてしまう。言わんこっちゃない。紙の問診票をいただくことで事なきを得る。

入場するとバーカンが待ち受ける。脳内をBeep☆CARAMELがよぎる。こちとら現地ライブなんて行ったこともないし、せいぜい水族館のイルカショーくらいしかない。正直まだ不安でいっぱいだった。
バーカンには既にファンが何人も待機しているのが見えた。ルールに配慮してか、言葉少なながら交流をしている人もいた。

時間になってフロアへ導かれる。まず驚いたのは、椅子がないこと。自分はアリーナ席を予約したけど、60㎝×80㎝くらい?(うろ覚え)のパーソナルスペースが用意されていて、そこで立ちながら観覧をするらしい。思ったより人がたくさんいて、大丈夫なのかな…?といった心配も若干。
そんなことに気を取られていたら、コインロッカーにスマホをブチ込んでしまった。昼公演写真0です。以下で載せてる写真は全部2nd公演(夜公演)のものです。

※以下では写真をそのまま掲載していますが、不都合がございましたら加工・削除いたします。ご一報ください。Twitter

♈ OP

照明が落とされ、来るか…?と身構えていたところ、スピーカーからデッッッッッッケェ低音が鳴り響く。膝を軽く折り曲げて衝撃に備えていたのに、全身が軽く飛び跳ねてしまった。これが現場かぁ~。音でビビるのは徒競走のピストル以来かも。

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イメージカラーに染まった蛍光灯、液晶に移るタイトルロゴ⚡Electric Sheep Club⚡と共に、Marprilの2人が登場。カッコイイぞ~!

本筋から逸れた話をすると、今回のステージは比較的リアル志向の模様。Do the city hop、 ゼログラビティユニオン、VIPと、これまでの配信オンリーライブでは、地面のない不思議空間が主な舞台となっていた。対して今回は一般的なコンサート会場が舞台となっており、従来のコンセプトと趣向を異にしている。上の写真では見えづらいが、右奥には非常口とパイプ椅子らしきものが配置されており、左奥にも音響機材に使われると思しきケーブルが見える。下でまた触れるけど、このリアリティは本ライブのテーマと大きくかかわっているように感じる。

♈クラウドブレイク

🎸ギュオーン!

ミニアルバムの1曲目を飾る曲。疾走感すげ~~~

ライブの1曲目にこれを持ってきたのは大大大正解!!1!先日のTUBEOUT FESで一度歌われたからノリ方もわかるし、原曲からしてクラップが入ってるから手拍子が自然と起こるし、何より勢いがいいから「どのくらいのノリでいけばいいのかわからん…」とかいう臆病な気持ちを吹き飛ばしてくれた。
「でもライトの振り方とか分かんねえ~~~!」って思ってたら、前列の3人くらいがペンライトを装備していることに気づく。とりあえず彼ら彼女らのマネをしているうちに、だんだんパターンが掴めてくる。これ楽しいな…

現地では気づかず、アーカイブを見てから気づいたけど、ダンスパートのマスク着脱のシーンチェンジが凄くオシャレ。三角形のオブジェクトに包まれると共に切り替わる。良いなぁこれ…

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マスクはきちんとしないとね

配信アーカイブを見ながら、現地のメリットにもう一つ気づく。それはカメラワークに縛られないところ。この曲は谷田さん→立花さんとソロダンスのパートがあるけど、個人的に「自分の番じゃないときは背を向けて相方に注目させる」っていう所作がとても好きで、ソロパートはそこまで含めて味わいたい!という欲が秘かにあった(多分ただの無いものねだりだけど)。自分の好きにダンスを見ることができるだけでも、現地に来るメリットはあると思う。

♈ ビッグルーム・フォンデュ

サイコーの出だしに拍手が送られ、鳴り止む間もなく2曲目に。

一転してビターな雰囲気に飲まれる。横揺れ一つをとっても艶やかな動きで、従来の曲になかったドキドキを感じた。かと思えば”Are you ready?”の後は弾け飛ぶようなダンスでブチ上がる。ずりぃ~

私は2曲目にして早くも、テンションが行くとこまで行ってしまったのか、本能でノれるようになる。かかとだけでなく膝を使うように、さらに腰を使うように揺れる。”Let’s go”が決まってからは会場全体が一体となって縦ノリしてるような感覚を覚えた。

♈ シンフォニア

やったー!シンフォニアすk
お???????

何だかいつもと様子が違うシンフォニア。立花さんの歌声は今までよりも低く、谷田さんの合いの手も落ち着いてる…。と思ったらラップもアレンジをバリバリに利かせてきた。すげーーー!マスクの中で口がずっと小文字oの形してた。
ハチャメチャにカッコいいです…。立花さんの強弱と抑揚に重きを置いたラップは音源版とは一風変わってこちらのテンションをガンガン上げてくるし、谷田さんの元から伸びやかな高音には艶が加わって魅力が倍々。
しかも間奏部分に新パート入れ込んできた…!会場の盛り上がりだと歌詞を全部は聞き取れなかったけど、更に苛烈なこと言ってる雰囲気は感じとれた。Aight!って多分言ってた。アーイッ

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全体的に「大人っぽい」っていう印象を受けたけど、この曲が元々「大人」へのカウンターパンチ的な要素を含んでいるのもあって、それが正確な表現なのかはわからない。DJ WILDPARTY氏のremixが人一人くらいやってそうな治安の悪さだとしたら(失礼)、こっちは大人の世界に片足を突っ込んだストリートギャング的な雰囲気が漂っているように見えた。

♈ MC1

改めてご挨拶の時間。おじゃましまーす!って叫びたかったよおおおおお
無論声は出せないので拍手で応える。代弁してくれてありがとうね立花さん。

縦横無尽に跳びまわったり、立花さんが谷田さんに無茶ぶりしたり、率直すぎる感想が出たりと、さっきまでのオトナな雰囲気から一変した和やかな様子に、会場では堪えきれないような笑いが漏れ出る。ガッハッハッて笑いそうになったけどダメだぞ私。禁止事項破ったら続き見れないぞ。

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咳エチケットを喚起する谷田さん

クラウドブレイクとビッグルーム・フォンデュは2人が自分で振り付けを考えたそう。すげえ!コレオグラファ~じゃん!ダンスは素人だから専門的なテクニックは何も分からないけど、緩急と体の動かし方が見ていて楽しかったし、何より2人の目線の使い方が良かった。デュオダンスの良さ。

♈ Throwback

Throwbackのイントロが流れてきたので、体を揺らしてリズムを取り始める。自然と2人のように俯きながらリズムを刻んでたけど、これじゃ画面が見えないじゃん。この時点で、「ああ、自分は見に来てるだけじゃなく、一緒に踊りに来てるんだな」と実感する。

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背景の映像はMVの地下鉄(?)をフィーチャーしたもので、静と動のメリハリがすごい。歌と映像と客席の空気と、その場のすべてがバイブスを上げてくる。

何千回も繰り返して言うつもりだけど、歌唱パートからダンスパートに切り替わるときにサッと黒マスクを身に着ける演出がカッコよすぎて痺れる。今回は一瞬の発光と共に切り替わった。ヒュ~!

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逆にこれ撮れるの凄くない?怪我の功名

"LADY'S ONLY"からのドロップは会場も大興奮で、皆が思い思いの盛り上がり方をしていた。これが”””ブチアゲ”””…。

♈ Irony

na na na...

ミニアルバムお気に曲の一つ。ドスンと重いドラムと唸るような低音が魅力的。会場のスピーカーで聴いた日にゃ、そりゃもう、ね?振動を肌で感じることができるくらい、強烈な音を浴びました。
それから、歌詞を見たときに「食らってしまった」人間なので、2人のパフォーマンスにも期待を膨らましていた。ダンスパートは控え目ながらも、挑発的な動きと艶めかしいパフォーマンスで完全に魅了されてしまった。超クールだぜ…

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ダンスが控え目とは言ったものの、ダンスパートがあるだけでじゅうぶん凄いしありがたみを感じる。この曲のドロップ部分(「マイダーリン(笑)」のあと)は途中に歌詞が入っているし、それを加味すると歌詞のない部分は16小節(×2)に満たない。この僅かな時間でも、それまでの落ち着いた雰囲気を破るような激しいダンスを差し込んでいて、メリハリが生まれた。期待を大きく上回ったパフォーマンスに、諸手を挙げて興奮してしまった。

♈ city hop

🔶 🔷

個人的に現地で聴くことで魅力が増幅されたNo.1曲がこれでした。何が良いって、曲の局所的で細かな良さポイントを共有できるところ。

配信ライブではチャットを使った言語的なやり取りができるが、いわゆるテンプレが無い曲だと自分の感想を伝える機能がメインになる。「ここすき」わかる。「ヒョオオオオオ」わかる。「🔥🔥🔥🔥」わかる。わかるけどもっとここがこう良いんだよ!!って言いたい。ただライブのチャットは長文で早口語りをするのには向いていないから、たいていは上のようなコメントを送ることになる。音楽的な良さはチャット欄では語りつくせないのだ。

だから会場に来たファンは、そういった魅力を体を使って表現する。同じ志を持った人間同士なので、そうした表現は伝播していき、会場全体で盛り上がりが共有される。最初は「こう」盛り上がるし、ドロップ部分は「こう」から「こう」盛り上がる。この非言語的な「こう」は、従来の配信ライブでは味わえなかった、特別で新鮮な一体感を強く感じさせる。

♈ MC2

真面目なMCパート。Marprilとしての夢を語る2人。

谷田「私たちには昔から憧れている人がいて、少しでもその人のような人間になりたい。Marprilでの活動はその夢とは少し違うけど、今でもその気持ちは変わらない。」
立花「バーチャルという場所は何でもできると妄想していたけど、できないことがたくさんある。もどかしさを感じていたし、しばらくはもどかしい思いをすると思っている。」
立花「私たちと皆さんの間には大きな壁がある。でも、この形がMarprilと皆さんの関係そのものだから。私たちが歌って、踊って、皆さんも踊ってくれる。」
谷田「この空間の楽しさだけは、だれにも負けたくない。この形で前に進んでいきたい。今、このMarprilという形で憧れを目指していく。」

デカすぎる感情を抱えてしまった。落ち着け。ここは現地。喉までせりあがってくる何かを飲み込んで、「よろしくお願いします。」に拍手で応える。

♈ ブレーカーシティ

ピアノアレンジの特別版。2人の語りから入り、叙情的に歌い上げる。背景の映像も相まって、会場はしんみりとした空気で満たされていた。

最初のパートが終わったところで、あのkawaiiサウンドが帰って来る。ハンドクラップの音に合わせて手拍子をして、2人のキュートでスタイリッシュなダンスを応援する。

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楽しい。滅茶苦茶楽しい。画面の向こうで2人が踊り、フロアでファンも爆踊りする。自然と手拍子に力がこもる。ソロダンスに合わせてリングライトをブンブン振ると、ドーパミンが溢れ出てくるのを感じる。

歌詞の一節一節が、先ほど受け止めた(そんなに受け止め切れていなかった)夢と覚悟にリンクしているようで、深く深く、心に突き刺さって来る。大好きな曲が、より一層愛おしく感じるようになった。

♈ ナミダ・アーカイブ

もはや定番となりつつあるブレーカーシティ→ナミダ・アーカイブ。文脈文脈!

「失恋の曲」と勝手にカテゴライズしていたこの曲のメッセージ性が、自分の中で形を変えていくのをひしひしと感じていた。ひとつひとつの歌詞が先のMCと紐づけて考えてしまう。

「私の心に 押し寄せた気持ちは 『大好きだよ』 それだけだよ」

ダメだこれ。我慢していた涙をポロポロ零してしまう。手元には何もないから、涙をぬぐうこともできなかった。マスクを濡らしながら、視界をゆがめながら、Marprilの2人と、会場の皆と、左右に腕を振る。この動きもいつか現地に行ったときにしたかったことの一つだった。
これ以上顔面を不衛生にしたら退場措置もやむなしなので、理性を働かせて止めどない感情をしまい込む。

流れも曲も2人の振りも良かったけど、映像も素晴らしかった。いわゆるタイポなんだろうか、文字の出方が非常に凝っていて、アニメーション一つ一つに意味を帯びているように感じ、こちらの感情を増幅させられる。

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「近づいて離れてく」が近づいて離れているところ

♈ キミエモーション

2人が背中合わせで立ったとき、キミエモの気配に気づき、ここに配置したか!!という感動が押し寄せる。VIPではトリに、TUBEOUT FESでは1曲目に配置された、Marprilの3年目のスタートを象徴する曲。セトリ予想がすごく難しかったけど、こういう流れなら納得。

初披露の時からクオリティの高さに愕然としたのを覚えているけど、月日を経て完全に自分のものにしたのか、全体的にパフォーマンスに余裕が感じられた。アウトロでストリングスの音に合わせてピョンッて跳ねる谷田さんかわいい。

流れが流れなので、歌詞についても考えさせられてしまう。

壊してみたい心の第四の壁

今までは「第四の壁」ばかりに注目して考えていたけど、ここにきて「心の」というフレーズが重くのしかかる。立花さんが言っていた通り、画面の向こうとこちらとの間には、物理的に大きな壁が存在する。バーチャルというアイデンティティをもつ以上、それを取り払うことは原理的にできない。だからこそ、「楽しい」という気持ちを共有することで、壁を超えたやり取りをしていきたい。そんな想いが伝わってきた。

元来「第四の壁」は認知的な空間の断絶を意味するものだから、わざわざ「心の」というフレーズを添えたのには、特別な意図が感じられる。少なくともこのライブでは、こんな意味をもって感じさせられた。

♈ MC3

一番驚いたのは、ここまでで9曲も披露してきたこと。あまりの濃厚さにもかかわらず、あっという間と感じざるを得ないくらい、感覚がバグらされていた。雑に楽しんじゃってなかったかな…?という軽い後悔すら感じた。それは夜の部で挽回することにした。

ここで折り返し(を過ぎた)とのこと。寂しい気持ちも半分、まだ弾があるの⁉という驚きもあった。曲、増えたねえ…。
正直心を大きく揺さぶられすぎて&初ライブの緊張もあって、既に精神は疲弊しきっていたけど、体はまだ動く。まだまだ楽しむぞ!!!

♈ Girly Cupid

MCで会場のボルテージが盛り上がったところで、流れるようにGirly Cupidへ。多分声出しアリだったら雄たけびが上がっていたと思う。

WA!WA!に合わせて腕を掲げる。ガー!リーキュー!ピー!!チラッと周りを見たら会場が一体となって腕をブンブンしていた。””そう””だよね~~~!手拍子もいいけどやっぱここは腕ブンブン振りたいよね~~~~

ダンスパートもサイケデリックな残像が映って一層スタイリッシュな演出に。7億回くらい見たダンスなのに未だに最高を更新してくる。

皆でWA!ができたこと、ダンスパートの高クオリティに満足して油断していたら、「はずみ出すHeartが…止められないのっ」を直球で浴びてしまう。コラ!!!!!!!!!11!!!それは・・・・・ズルだろうが!!!!!1!!!!!!111111q1!

どのへんか忘れてしまったけど、多分この辺で盛り上がりすぎて隣の人と腕がぶつかってしまった。ヤッベと思っていたら向こう方がササッと手を合わせて謝ってきた。自分も同じ型でそそくさと謝罪の意を返す。優しい方で良かった~

♈ Spectrum

見慣れない開始位置についたと思ったらこれか!!

たっけぇたっけぇBPMが否応なしにこちらのテンションを高めてくる。曲の展開を覚えていたので、ドロップ部分のノリ方も完ペキにノリきれたと思う。すごく満足感が高い。
曲が超ハイテンポなので、こりゃダンスもエグいことになってしまうのでは、と事前予想していたが、あまりにもナルホドなダンスが披露されて膝を打ってしまった。早振りというよりは、小節頭の気持ちいいところを踏まえて動くようで、しかも動きのバリエーションが豊かでこちらを飽きさせない(あとかわいい)。

興奮して頭の中を火花が飛び散るような感覚を得ていたら、背景の液晶がまさにそんな映像を流していた。これがメンタリズムですか

♈ MC4

Spectrumの振り付けは、キミエモーションのコレオグラファーでもあるavecoo氏によるものだという。流石です。ダンスの好きポイントを語りたすぎて発言が衝突してしまう2人。かわいらしいですね。氏のSNSを拝見すると、まぷ2人を可愛がっているさまが見受けられて、素敵な関係だなあと思わされますね。

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といったところで、もうすぐ終演な雰囲気が漂う。だだをこねて発言を遮る立花さんがかわいい。ラストか…と気持ちを引き締めていたところ、「ラスト3曲です!!」とのこと。当然頭は冷静でないので、まだ3曲も楽しめるの!?そんなに曲あったっけ!?という驚きがあった。アンコールがないのは確かに残念だけど、既にじゅうぶん楽しめた感。

谷田さんが感想で言っていたように、今回のライブはMarprilの挑戦と成長を強く感じるものだった。そもそもライブで初披露のミニアルバム曲が4曲もあるのに、それだけでなく、既存曲のアレンジパフォーマンス、自分たちでの振付と、かなり挑戦的な試みに溢れていた。そんなこともあって、新鮮さに興奮するだけでなく、次々と挑戦を重ねているのだと感動させられる。

また本筋から逸れた話をすると、近頃Marprilは日ごろの活動においてもチャレンジをすることが増えている。ラジオの音響機材の操作、投稿動画の編集、そしてラップレッスンと、今までやっていなかったことに挑戦する様子が見受けられた。歌やダンスを磨き上げるのはもちろん、こうした開拓精神を奮う姿には感銘を受ける。

「今の全力」は集大成のような意味合いで受け取っていたが、成長中、発展途上をも含意したものだという。自分は目も耳も肥えていないので、正直今回のパフォーマンスもじゅうぶん満足のいくものだったが、彼女らはまだ改善の余地がある、と思っているらしい。これからのパフォーマンスにも期待せざるを得ない。それと同時に、今はまだ階段の途中、昇り続ける彼女たちを心から応援し続けたいと思った。

♈振り付け講座

事前にチャンネルに動画も投稿されていた、Love Meterの振り付け講座が始まる。講師は谷田大先生と立花大先生。

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初見にもやさしい

練習の時点で既に一体感が漂っていて、期待を隠せない。全力で踊るには狭すぎるパーソナルスペースだったけど、各自が縦方向に拡張することで目一杯のダンスをしていた。なるほど、と自分もマネをする。

♈ Love Meter

サイコーのイウラ節で曲がスタート。すると画面がハートで包まれて

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ウオーーーーーーーーー!

一瞬で初期衣装に着替えていた。最高。ミニアルバムの中でも群を抜いてキュートなこの曲は、この衣装がよく似合う……。振り付けもかわいい寄りのポップなものに。アーカイブでも繰り返し見ちゃってる。かわいすぎ

特に宣告はされていなかったけど「Show me! YOU!」で皆が腕を3回高く突き上げていたのが嬉しかった。何なら周りがしていなくてもする覚悟を決めていたけど、無駄な心配だったね。

落ちサビの「ラブメーターが振り切れた!」ではどうすればいいかちょっと困惑したけど、リングライトをむにゃむにゃ振ってごまかした。2回やる、と宣告されていたから、多分これで合ってるはず…?

確かに難しくはあったけど、それだけに皆で振り付けが揃っている様子は壮観だったし、大きな達成感があった。またできるといいな…。

♈ Hacked Fruity Luv

聴きなれたイントロが流れる。マジで!?

「みんなひょっとしてこの曲やらないと思ってたんじゃないの~~?」←メンタリズムじゃん

ここだ!と思って、ここぞとばかりに黄色のリングライトの電源をONにする。

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ずっと、やりたかったやつ。腕を振ってるうちに涙ぐんでくる。TUBEOUT SESSIONSに参加していた人たちが羨ましくて仕方なかった。思いのたけをぶつけるように(でも周りに気を付けながら)腕を振る。

立花「以下の文章は全てノンフィクション!」……

まさかの自分たちでコーサカさんパートを歌唱。いいぞいいぞ!!カッコいいぞー!

吸血鬼もびっくり

ラストの「フルーティーラブ」は肘も肩も悲鳴を上げんばかりに腕を突き出す。自分にとっては、この曲に合わせて腕を振るファンたちですら画面の向こう側の存在だと思っていたから、得も言われぬ感動に襲われる。

♈ sheep in the light

息つく間もなく、というか一呼吸も置かずに、彼女らのアンセムへと曲が繋がれる。こんな贅沢なことしていいのか。ラスト1曲!

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専門的なことは分からないけど、明らかに表現の幅が広がっているのは分かった。初めて聞いた時よりも、前回のライブ披露時よりも、昨日聞いた音源よりも、良い。何度歌ったか分からないこの曲が、未だに進化を遂げている。特に2人で一緒に歌うとこ。元々は重なり合う歌声が綺麗だったけど、立花さんの歌い方が力強くなっていて、谷田さんの歌い方との間に空間ができたおかげか、重厚なユニゾンになって聞こえてくる。

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2番に入るとサイバー衣装に戻ってきた。やっぱこの衣装はダンスチューンにピッタリだなぁ。

ラストのLa la la...も出来たし、もう大満足。残念ながら自分は違うけど、おととしの1stライブに参加していたファンは、感動もひとしおなんだろうなあ。

♈終演

ラストの3曲も歌い終わり、無事終演。ギュイーーーーン!ドーーーン!!! 何!?

重 大 告 知
新 衣 装 制 作 決 定

ウオーーーーーーーーー!

といったところで幕が下りる。クレジットの間も自然と拍手が続いていたのは本当に良かった。最後に岩本町芸能社が出てきたところで更に拍手が盛り上がっていた。自分は気づくのが遅れたけど、夜公演のときにはしっかり決めたいと思った。

拍手が鳴りやんで気づく。BGMがオリジナルバージョンだ!Love Meterのピアノアレンジは聴きとれたけど、ここで規制退場の時間。もっと聞いていたかったけど、残念ながら仕方ない。

〇昼公演が終わって

会場から出て、ぐしょぐしょのマスクを取り換える。代えを用意しておいて正解だった。(使ったマスクは不衛生だから公衆のゴミ箱に捨てないようにしようね!)
取り合えず座って落ち着ける場所を探す。腕も腰も足も、流石に疲弊しきっている。夜の部まではあと3時間ある。

頭の中を巡るのは、MCで語ってくれた2人の夢。公演中は結局大きな感情を消化しきれなかった。特に強く響いたのは立花さんの言葉。「バーチャルは自由なようで不自由」。私はバーチャルという業界に携わってもいないし、そうしたテクノロジーについてもほとんど門外漢だから、その言葉の真意を知るべくもないし、当て推量で書くべきでもないだろう。

この業界を覗いていると、たびたび夢を見させてくれるようなビックリニュースが流れてくる。「技術の進歩で、〇〇が表現できるようになった」「▢▢さんの協力を得て、△△が実現した」など、演者の口から直接、吉報として伝え聞くのは枚挙に暇がない。Marprilだって、まさにバーチャルにしかできない強みを生かしたパフォーマンスをしてきたりもした(参考→「Marprilは“ステージ”に立たなかった」)。しかし、いわゆる「生みの苦しみ」は別として、バーチャルゆえの苦悩が口にされるのは寡聞にして聞いたことがなかった。だからこそ、本人の口から「できない」を聞くのは、自分にとって大きな衝撃だった。しかして、今回彼女らが"ステージ"に立ったのは、単に現地ライブだからという理由以上に大きなメッセージを含意している気すらしてくる。

彼女らが言う通り、目標はバーチャルYouTuberとは別のところにある。その夢を真剣に考えているからこそ、こうしたもどかしさにぶつかっているのかもしれない。そう考えると、もどかしさに立ち向かってくれてありがとう、Marprilという道を選んでいてくれてありがとう、という気持ちが溢れてくる。

Marprilとして憧れに、夢に向かって歩んでいきたい。2人はそんなことを言ってくれた。誰かの生きる希望になること。2人はそれを「電気羊の夢」と表現した。
言わずもがな"Electric Sheep Club"は、かのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか(Do androids dream of Electric sheep?)」にインスパイアされたものだろう。作中で電気羊は、本物の羊を飼えない低所得者に向けた、いわば代替品として描かれている。でも、自分にとっては、Marprilこそが替えの効かない存在で、かけがえのない存在になっている。去年の鬱屈とした1年は、Marprilに出会って生活に光が差されたのを感じた。あなたたちは少なくとも1人のオタクを救っています。

長っ。お気持ちと解釈は画面1枚に収めろよ

ともあれ、最高に楽しかったのは間違いない。夜公演も楽しみだ…。夜の部はほとんど同じ内容らしいけど、上等。昼公演でできなかったことにトライできるし、何せこちとら既に"""現地ライブ経験者"""ですから???
しかしここでトラブル発生。黄色いリングライトがご臨終。どうやら電池を入れるカートリッジごとなくなってしまったらしい。短い間だったけどありがとう。物販コーナーで補充をする。

🐑2nd公演(夜公演)

先述の通りライブの大部分は同じ内容なので、ダイジェストで。

昼よりも余裕をもって会場入りする。誰かに話しかけようかとも考えていたけど、声が出ねぇ。

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オフラインなので誰かと連絡を取ることもできず、諦めてお絵描きしてた。なにやってだこいつ

夜公演の観客は、何というか、圧倒的に"現場慣れ"している感があった。多分9.9割くらいはDJ人間なんじゃないかな。自分も遠慮なくノることができたのでとてもありがたい。
昼公演はあっという間に9曲目まで来てしまったから、夜は一曲一曲を存分に味わった。
2人が語る夢も、心を構えて受け止めることができた気がする。どうだろう。やっぱりちょっとまだ無理だったかも。あのセトリがもはや罪深く感じる。

ドーーーーーン!重  大  告  知

フルアルバム
「電気羊の夢」
発売決定!

イヤッターーーーーーーーーーー!

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今度はしっかり盛大な拍手を送ることができたと思う。こちらこそ誠にありがとうございました……

〇終わり

家に帰ってハッシュタグを遡るところまで含めて凄く楽しかった。多分人生で一番はっちゃけた日でした。初ライブがMarprilで本当に良かった。一緒に盛り上がってくれたファンの方々、最高のダンスフロアを整えてくれたスタッフ様一同、そして心も体も動かすパフォーマンスを披露してくれた谷田立花の2人に感謝を。ありがとうございました
大好きだよ


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