【益学長生誕祭合作2024編集後記】全ての元凶として東工大(科学大)MADについて知ってること全部書く
いやあ、まんまと記事を投稿する機を逃してしまいました。こういう編集後記って動画を出してすぐ投稿すればもっと沢山の人に読んで貰えると思うんですけど、如何せん限界進捗だったものでこっちまで手が回りませんでした。ただまあいつ投稿したって必ず読んでくれるメンツはいますし、そもそも今回はとりわけ人に読んでもらいたいという気はありません。これは歴史書です。5年後か、あるいは10年後か、東工大MADがすっかり風化し時の流れに溺れてしまったときに音MADを愛する1人の𝑆𝑐𝑖𝑒𝑛𝑐𝑒 𝑇𝑜𝑘𝑦𝑜生が噂を聞きつけて検索する。そのとき彼に「何があったか」語り伝えるのがこの記事の役目です。今や調べても詳細が出てこない三島学長のコラと同じ道は歩ませません。全ての元凶たる2024年の私から何年か後の君へ、事の顛末をここに遺します。
はじめに
こんにちは、𝑆𝑐𝑖𝑒𝑛𝑐𝑒 𝑇𝑜𝑘𝑦𝑜(旧東工大)23Bの非常識です。先日、東工大としては最後の学長である益一哉学長が70歳の誕生日を迎えました。杜甫曰く「人生七十古来稀なり」。そこで、これをお祝いするべく私を含めた5人の東工大生で益学長の音MADを合作させていただきました。これはその振り返りの記事になります。
……はい、当時の人間であれば「い つ も の」となるところでしょうが、学外の人や何年か後の代であれば「なんだっそら!?」と仰天することでしょう。それはそう、大学の学長を素材に音MADを作るだなんて前代未聞です。あの京大ですら例がありません。しかし、東工大には確かに、益学長で音MADを作るという流れがあったのです。というか私が作りました。まあ流れとはいっても実際にやっていたのは特定の数人だけだったのでそんな大層なものではありませんが……
なので今回は初見の方のためにも、件の合作の振り返りの前にまず東工大MADはいかにして産まれたのかその歴史を回想していこうと思います。また、基本的に使われているのはゴリゴリの内輪ネタなのでその解説も適宜していきます。ちなみに今回の合作を主催した私の相方も同様に振り返りの記事を出しているのでそちらも読んでみると面白いですよ。
益学長について
その前に、この記事のキーパーソンたる益一哉学長について少し話します。益学長は2018年から大学統合の2024年まで東工大の学長を務めておられましたが、彼を取り巻く環境は極めて異様なものであったと言わざるを得ません。これは当たり前ですが、普通に考えて大学長が学生にネタにされるなんてことはまずありません。しかし大変失礼な話ですが、私が東工大界隈に入ったときには既に益学長をネタキャラ扱いする謎の風潮が蔓延っていました。Twitter上では益学長のコラ画像が定期的に流れてきたり、環境社会理工学院の授業でペットボトルのキャップ回収箱にあられもない姿で使われたりとやりたい放題。
中でも有名なのが、いわゆる「湯島構文」と言われているこのツイート。
長年埋もれていたこのツイートですが、彼が入試に女子枠を導入しようとした際に掘り起こされ界隈で大騒ぎになりました。以降、この構文は彼の鉄板ネタとして完全に界隈で定着し、「湯島」「女性専用車」「ややこしいもの」は事あるごとにネタにされるのでした。
そして彼自身も湯島構文が界隈のネタになっていることは認知しているようで、最近ではたまに自虐ネタとして使っているほどです。
しかもこれについて、学長本人から経緯が話されています。2024年のユニット交流会の質問コーナーにて、「女性専用車両に何回乗ったことがありますか?」というとんでもない質問に対し、「当時は無茶苦茶忙しい生活をしていて、本当に分からずに乗って、つい呟いた。未だに炎上しているけど、消すと余計炎上するからずっと残している」と返答しています。
他には、益学長が使った謎の顔文字が有名ですm_(.)_m
しかし彼が学生にネタにされるようになったきっかけは何でしょうか?調べてみると少なくとも2021年にはTwitter上で生誕祭が開かれるほどにはその地位が確立されていたようですが、就任年である2018年時点でもう既にネタにされている形跡が見られます。就任から僅か3ヶ月。
じゃあ一体何がきっかけでこんなことになったんだと疑問に思いますよね。しかしこの学長をネタにするという風潮はどうやら先代の三島学長の頃から存在していたようです。調べた限り実物を見つけることはできませんでしたが、過去に三島学長のコラ画像が作られていたことがツイートにより示唆されています(某サークルのPCには当時のコラ画像が現存しているらしい)。
聞くところによると三島学長はリベラルアーツ(文系教養)を推し進めたり学部再編をしたりなどで周囲からヘイトを集めていたとのこと。そのヘイトが学長のネタ化という形で顕現し、それが益学長にも受け継がれたと、多分そんなところでしょう。そもそも益学長は盛んにツイートをする方ですし、女子枠の導入や大学統合などの改革を行って同じくヘイトを買っていたこともありますからそうなるのも仕方がないのかもしれません(私は益学長に対して特に負の感情は持ち合わせていません)。
東工大MADの歴史
さて、前に述べた通り東工大MADというコンテンツは私が産み出したものです。その歴史を順に辿っていきましょう。全ての始まりは私が東工大に入学した2023年にまで遡ります。
有象無象1
一浪の末に東工大の情報理工学院に合格した私は入学までの間にふと思い立って動画をいくつか作りました。当時なぜそのような発想に至ったのか今となってはよく覚えていませんが、元々音MADを始めとするネットミームは好きでしたし動画編集も最低限やったことはあったので、暇を使ってコンテンツを制作しようとするのはそこまで不思議なことではないかもしれません。
全然大した動画ではないですが、野獣先輩の方は界隈の影響もあってちょっと伸びてますね。これくらい反応があると次なる制作のモチベにもなるというものです。
東京工業大学マン
そんなノリで、次は東工大をテーマにしたデビルマンのMADを作ってみようということになりました。デビルマンMADは昔ニコニコでかなりブームになっていた記憶があります。当時中学生だった私もこの影響をモロに受け、ニコニコおもれー!MADおもれー!(ついでにデレステおもれー!)となって沼へと足を踏み入れました。その点でデビルマンMADは私の人生において大きな意味を持っていると言えますね。
そういうわけで、「ジャガーマン」や「サチコマン」といったデビルマンMADに倣い、東工大MAD第一弾「東京工業大学マン」を投稿しました。これぞニコニコといった感じのテンポの良さとネタの嵐で結構面白いものがつくれたんじゃないかと我ながら思います。
驚くべきことにこれがかなりバズりました(当社比)。今でも私の動画の中で5本の指に入るほどいいねが多いです。東工大をテーマにしたMADというのが目新しくて界隈の注目を集めたのでしょうか?今投稿してもこんなにいいねはつかないでしょう。
この一件で私はデビルマンの動画を作った人ということで大学中に認知されることになりました。この時点で私まだ入学してないのに。もうみんな知ってます。Twitterとか一切やってなさそうなキラキラのアメフト部の先輩とかTPGの先輩とかも知ってます。新歓先で「趣味で動画を作ってて…」と言おうものなら即座に「デビルマン!」と返される。中々に異常事態です。界隈内で拡散されすぎ。相当画期的だったんでしょうね。
この時点ではまだ「彼」の姿はどこにもありません。ちなみにこの後大学のオリエンテーションでうっかりMADを作っていることを教員に漏らしてしまったのでこの時点で既に当局に身元が割れています。何やってんだ……まあどのみち当局が本気を出せば私の身元なんて簡単に特定されると思うので別に良いっちゃ良いんですけどね。そもそもそんな事態になった時は隠れてないで大人しく身元を明かして謝罪するべきですし。
有象無象2
その後に作った雑多な動画たちです。見る価値はあんまりないです。ていうか結局くるまっちってなんだよ
マス
東京工業大学マンを投稿した後晴れて東工大に入学した私は、次なる動画として何を作ろうかと思案していました。そんな中Twitterを眺めていると徐々に益学長がネタキャラとして扱われているということが分かってきました。そこで何を思ったか、益学長を素材にして音MADを作ることを考えついたのです。確か入学式の動画がYouTubeに上がっていてその中の益学長の画像が当時ネタとしてよく使用されていたことからの発想だったような気がします。
音MADにするなら曲は何にしようと考えた結果、今回はルマを使うことにしました。音MAD定番曲ですね。ルマMADは私が現役時代に流行ってよく観ていた音MADだったので思い入れがありました。特にゴルシともこうのやつ。
素材もYouTubeに上がっていた動画をかき集めた結果1時間以上の音声データが確保できたため十分ニチィ。こうして益学長のルマMAD「マス」が作られました。伝説の幕開け。記念すべき(?)世界初の益学長音MAD誕生の瞬間です。
内容としては学長の音声を並べてそこにちょっと文字PVを加えただけでそこまで凝っているものではありません。ですが大学の学長で音MADを作るという行為がこれまた画期的すぎたのか(それはそう)、デビルマンに迫るほどバズったと同時に各方面に多大な衝撃を与える結果となりました。ちなみに音MADを作るのはこれが初めてです。
カオスバトル
突然カオスバトルを作りたくなりました。脈絡は一切ありません。発想というものはこうも突然にやってくるものなのだ。カオスバトル、めちゃくちゃ懐かしいですよね。私も小学生の頃大好きで狂ったようにうごメモを漁ったものです。ムスカは何度でも蘇るし攻撃も強いけれど大体バルスでやられる。タラちゃんはデスノートがあるから攻撃面で言えば全キャラ中最強だけど強すぎるせいで中盤に雑に始末されがち。闇サトシは順当に強いも、結局攻守万能のドナルドが環境トップだった印象です。
今回はそんなカオスバトルオールスターズに益学長を加えて戦わせてみました。キャラ同士の掛け合いも含めてかなり自分好みの展開にできたかなと思います。流石に益学長を負かす訳にはいかないので、必殺技の四大学連合☆東京工業医科歯科橋外国語大学インパクトで決めてもらいました。
トウキョウ・コウギョウ・ダイガク
時は東京工業大学マンを投稿した4月頭にまで遡ります。東京工業大学マンとこの一件によって周囲からの評価は完全に「MADを作る人」として固まったわけですが、そのせいか動画の高評価の中に混じって「『テイキョウ・ヘイセイ・ダイガク』の東工大版を作ってほしい」というリクエストの声がちらほら上がりました。
「テイキョウ・ヘイセイ・ダイガク」は、アニメ「うる星やつら」(2022年版)のエンディングである「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」の音MADです。これ当時かなり流行ってましたよね。帝京平成大学と語感が噛み合いすぎていて中毒性が凄まじい。
しかし、考えてみればトウキョウ・シャンディ・ランデヴって帝京平成大学だけでなく東京工業大学とも噛み合っているわけですよ。これはもう東工大バージョンを作るしかありませんね。キャシャーンがやらねば誰がやる!
しかしこのとき私はまだ音MADを作ったことがありませんでしたから、すぐには制作することができませんでした。音MAD制作について勉強する必要があります。しかも音MADって作るのが難しい。ただ単に音を並べるだけならまだしも、人力(音声を切り貼りし音の高さを合わせることで歌を歌わせる音MADの技術)を習得するには骨が折れそうです。音声ができても動画も作らなくてはいけませんから、私にできるかどうか不安な気持ちがありました。
そんなとき、一筋の光が私を照らします。それはTwitterのDMに送られてきました。
彼こそ、OTOMASUKAZUYA合作(後述)を共に制作し、そして今回の益一哉生誕祭合作を主催した私の相方です。別に名前を出してもいいんでしょうけど彼のことは以後相方と呼称します。彼は音MADの制作、投稿の経験がありました。未経験の私にとっては思いもよらない助け舟です。彼の力を借りればトウキョウ・コウギョウ・ダイガクを作ることができるかもしれない。話し合いの末、まず様子見として私が別で1つ音MADを制作し、その後でトウキョウ・コウギョウ・ダイガクを共同制作するという方針になりました。そのときに様子見で作った音MADがマスというわけです。
さて、マスの投稿が終わり満を持して制作に取り掛かります。役割は、私は音声担当、相方が動画担当ということになりました。音声を担当したのは、当時はまだ動画編集能力が低かったのでテイキョウ・ヘイセイ・ダイガクに似せて作ることができるか不安だったのと、音声担当になれば動画の大まかなネタを指定できるからです。そのとき頭には結構良い改変案が浮かんでいたのでそれを使いたかったんですよね。
素材集めに若干手間取りましたが音声は問題なく完成。相方に送り動画ができるのを待ちます。このとき相方に音声を少し手直ししてもらいました。やはり経験者は違うな。ちなみに相方は講義中にも黙々と編集作業をしていたらしい。何してんねん。
そしてついに動画が完成!
ニコニコ版は相方に投稿を頼みました。マスで味をしめてしまったためここにも益学長を登場させています。ただここでは学長はそこまで表には出ていませんね。あくまでワンピースメンバーの付け合せといった感じ(ただしセンター)。
テイキョウの方と完全に同じ展開にしたくはなかったので、「うるせェ!!!いこう!!!!」の部分は「当たり前だ!!!!!」に改変しました。どちらもワンピースの名場面ですから結構上手い改変になったんじゃないでしょうか。ニコニコでもこの部分の評価が高いですね。
個人的には、赤犬に「東大のワシが言うのもなんじゃが、まさしく英雄じゃけェ…!!!!」と東工大を称賛させる改変も気に入っています。
ちなみにこの時点で入学して2ヶ月も経っていません。当時は夢中でやっていましたが、今冷静に考えると色々な意味で大型新人すぎますね。入学早々に大学の音MADを作り、あろうことが学長までネタにしてしまった私は先輩方の目にはどう映っていたのか……
T.T.K.K.T.K.K.
その後暫くの間音MADは作れませんでした。やっぱり音MADを作るには時間がかかりますし、サークルの活動や勉強などで思うように時間が取れず、更に良いアイデアも浮かばなかったためです。一応Baqeelaとか案は色々あったんですけど、二転三転して結局実現には至りませんでした。
そうして2ヶ月後、最終的に行き着いたのが「B.B.K.K.B.K.K.」の音MADです。これは音ゲーの曲ですがなんか一般の知名度も高い不思議な曲です。音MADにもよく使用されていて人気があります。
この曲のキモはなんといっても「Bass」と「Kick」の2単語が繰り返される点、そしてピクトグラムを使った斬新な映像です。世のBK音MADでは各々がこれを上手いことテーマと組み合わせているわけですが、そんな音MADたちを観ている中でふと「東工大の過去問をピクトグラムで表現したら面白いのではないか」と思い付きました。数学や物理の問題は単純な図形の組み合わせで表現しやすいですし、何より東工大界隈の人々は過去問に様々な想いがあるでしょうからテーマとしてもウケが良いだろうと。
東工大との関連付けとして「Bass」を「東京」、「Kick」を「工業」に置き換えることでタイトルをT.T.K.K.T.K.K(東東工工東工工)とし、当たり前のように学長の声ネタも混ぜ合わせ、前作から2ヶ月空いた7月に完成、投稿しました。
ちなみにこの日は丁度私の誕生日でした。酒類購入RTAの理論値である20年と0時間0分を達成できて嬉しみ。
それと同時にその当時Twitterが障害(?)でうまくツイートを読み込めなかった時期でもあるので伸びはそこまで良くないですね。一応私としては混乱するTwitterに喝を入れるつもりでの投稿だったのですが、流石に時期が悪かったか。
折角なのでネタにした過去問をここで全部解説しましょうか。解説動画作るとか言っといて結局作らなかったですしね。
また、過去問とは関係無いですが一部B!B!K!K!B!K!K!をリスペクトしています丁度手のネタにドンピシャでハマる学長素材があったのがすごい奇跡。
2024年東京科学大学合作
それから長い間音MADを作ることはありませんでした。というのも、あまり詳しくは語りませんが私はtraPというサークルに所属していて、工大祭(東工大の学園祭)での展示で自作の音ゲーを出そうとしていたために音MADを作る時間がなかったのです。
次にまともな音MADを投稿するのは年が変わって2024年の4月。T.T.K.K.T.K.K.から実に9ヶ月です。中々の空白期間ですね。しかしこれは単に音MADを作っていなかったからという訳ではありません。この時、ある巨大な計画が進行中でした。
それが何を隠そう、春休み明けに投稿した初の大規模東工大音MAD合作「2024年東京科学大学合作」です。
詳細な振り返りは単体でnoteを書いているのでそっちに任せます。
改めて経緯を話すと、工大祭明けの11月、丁度タスクが無くなり3,4Qになって講義も全然忙しくなくなったためまた音MADを作ろうかなという気になりました。しかしこれまで通り単品で音MADを作るのはつまらない。そうだ、音MADメドレーを使って「合作」を作ってみようか?そういう思いでツイートしました。
するとなんということでしょう。相方も同じことを考えていたではありませんか!やはり音MADを作るなどという頭のおかしなことをする人間同士考えることは一緒ということでしょうか。投稿時期は春休み明けを予定しました。合作を作るのは大変だから長めに期間を取ったというのもありますが、個人的には次に入学してくる代にも東工大MADの存在を認知してほしかったからという下心もありました。
この制作中、事件は起こります。私は東工大MADを作る身として益学長本人はもちろん、東工大の教員は見つけ次第ブロックしています。それは例えるならVTuberのセンシティブな絵を描く絵師がそのVをブロックするようなもので、こういう二次創作をする上での最低限の礼儀だと考えています。もちろん別垢では見られてしまいますし、ネットに投稿している以上情報は拡散されいつか本人にも伝わってしまうものです。しかしそれでも、私は自分がしていることが罪であると自覚していますよ、あなたの目に入らせる気はありませんよ、という意思表示を形だけでもするのは大切です。「二次創作は公式にバレないようコソコソやれ」という言葉がありますが、それに近いですね。その方が本人も見て見ぬフリをしやすいというもの。まあそれで罪が無くなる訳では決してありませんが。
なので一応、我々が認知している益学長のTwitterアカウントからは私の東工大MADは見ることはできないはずです。Twitterで盛んに活動している教員の方々も同様です。しかしやはり、これだけ学内で有名になって騒がれたからか、なんと遂に学長本人に私の存在が知られてしまいました。一体どのタイミングで認知されたのかは不明ですが、少なくとも認知されていることが確定する発言がこの合作の制作中に投稿されました。
それは、学長の名台詞「Congratulations!」(入学式や学位授与式で言われる)を言う前に両手を挙げるシーンを切り取ってGB化したときに起こりました。この素材は有名でありかつ自然にループ可能であることから以後音MADでたいへん擦られる、まさに産業革命と言っていいほど革新的なものでした(例えるならピッチング先輩)。
これを投稿してすぐ、学長から何やら意味深な発言が……
……これさっき上げたGB素材のことじゃねえか!!!!!!!?????????両手を上げ下げは分かるけど音声ってどれのこと!?てかブロックされてるのに反応爆速すぎない!?はい、直接的には言及されていませんがどうあがいても完全にバレています。なんてことだ、もう助からないゾ♡
この一件で私も相方も震え上がることになりましたが、それ以降は特に何か起きるというわけでもありませんでした。本人の意向は定かではありませんが、私はこれを「牽制」と捉えました。俺はお前のことを知っているからな、ナイフは既に喉元にあるんだぞ、というのをそれとなく示すことで行き過ぎた内容のものを作らせないようにしているのだと。これがきっかけで、もちろん当たり前のことですし今までもそうしていましたが、以降音MADの内容に大学批判、学長の過度なコンテンツ化、毀損が含まれないかに細心の注意を払うようになりました。そもそも音MADを作るなと言われたらそうなんですけど今更引き返すことはできず、大学当局に存在を消されないか怯えながら過ごしていました(自業自得)。
この制作期間中、上げ下げGBの他にもう2つほど学長関連の動画を投稿しています。肝が据わっていますね。
まあそんなこともありつつ、合作は無事に完成。制作期間約半年、動画時間約7分半の大作が世に放たれました。詳しくはそっちのnote読んでね。
この合作のおかげで私の動画編集能力は飛躍的に向上しました。試行錯誤しながら沢山の動画を作ることで多様な編集技術を体得できたというのもありますし、何より合作という形で相方と一緒に制作することで制作にある程度強制力が生まれ、途中で投げ出したり挫折したりできない状況になったというのが大きい。何か創作をするとき、そういうある程度の強制力は己の成長を後押ししてくれる良い推進剤として機能するものです。締め切りや監視する人がいないとだらけてしまうみたいなそういう話。音MADが上手くなりたければ合作に参加しましょう。
カズヤーガクチョー
合作が終わったのもつかの間、急遽マサラダさんの曲にハマったことでアイデアを思いついてしまいました。原曲はあのライアーダンサー。
サビの「踊れ 踊れ」でテトが腕を振るシーン、なんか引っかかるな……と思い少し考えてみると、そういえば両手を挙げる益学長GBも今までを捨てて腕を振りまくっているじゃないかということに気がついたのです。これは作るしかありませんね。元のMVがあまり小難しいものではなかったので制作自体は1日で終りました。
サビの「踊れ」は「祝え」に変更しました。元々あのGBは新入生を祝っているシーンですからね。また、この直前にキャップ食わせろ学長が雨のせいなのか崩れ落ちている画像を発見して衝撃を受けたのでそれも取り入れています。
歌詞改変も含めて個人的に結構上手くできたんじゃないかと思っているのですが、残念なことにあんまり伸びませんでしたね。
TOKYOTECH OVERDOSE
これは私ではなく相方の作品です。「存在しない益一哉音MAD合作の単品」という名で投稿されましたが内容はINTERNET OVERDOSEの音MADなので勝手にTOKYOTECH OVERDOSEとでも呼んでおきます。
歌詞改変めっちゃ上手いなぁ……これとは別に彼からはこういう投稿も。やっぱり相方の発想力は目を見張るものがありますね。
ぼなぺてぃーと♡𝑺(𝒄𝒊𝒆𝒏𝒄𝒆 𝑻𝒐𝒌𝒚𝒐)
お遊びで作ったクソ動画がなぜかめちゃくちゃ伸びたやつ。昔流行ったブレンドSのOPを使ったMADですね。
何日もかけて作った動画の反応がイマイチなこともあればこういう30分とかそこらで作ったクソ動画が異様にバズることってよくありますよね。まあこういう短いミームが一番拡散されやすいというのはそうですけど、やっぱり制作する側としては納得いかないものがあります。
もはや学長だけで曲作れるから
これは期待の大型新人たる後輩の作品です。彼は音MAD愛好家で、東工大MADとかいう狂った文化(?)は彼にも伝播することになりました。そんな彼が始めて作った音MADがこれ。ブルアカのUnwelcome Schoolを元にした「もはや○○だけで曲作れるから」シリーズの学長版ですね。
これのクオリティで初の音MADだというのだから驚き。上手いぞ音作り(空気)
益一哉学長生誕70周年記念合作~創り拓く理系人たれ~
この記事のテーマである今世紀最大の東工大音MAD合作です。詳細はこの後書きます。↓再掲
トーキョーテック
相方の作品です。「オーバーライド」の東工大MAD「トーキョーテック」です。
作りたいな~と私が前に呟いたのを相方が拾ってくれた感じですね。ありがたいし無駄にクオリティが高い。流石です先生。
益一哉学長生誕70周年記念合作~創り拓く理系人たれ~
さて、ここまでが執筆時点での東工大MADの歴史です。そしてここからが本題。この記事のテーマである益学長生誕祭合作2024がどういった経緯で産まれたのか、その一部始終をお話しします。
もう音MADは作らない
時はまたまた遡り、東京科学大学合作を投稿した後。私は編集後記にて「もう音MADを作る気はない」というようなことを書きました。
それもそう、何度も言いますが音MADを作るというのは本ッッッ当に大変です。これは音MADというよりは動画編集全般に当てはまることだと思いますが、数秒の場面を作るのに何時間、下手したら何十時間もかかります。それを考えればネットに上がっている音MADが作られるのに一体どれほどの労力が費やされたのか想像に難くないでしょう。
科学大合作なんて酷いですよ。合作は多くの場合メドレーを使うので動画全体がサビです。よって手を抜く場所がありません。普通の動画制作とは訳が違います。そしてそもそも合作というのは長い動画を何十人もの参加者で分担して作るものです。1人が作るのはせいぜい1,2パート、30秒もないでしょう。
それを我々はたった2人で作りました。2人ですよ。あの合作は大体7分半ありますから、それを2人だけで。バカなんじゃないですかね。しかも主催は私なのでその分多めに作った結果私担当の動画時間は合計で約5分にもなりました。大馬鹿すぎる。これを作るのに一体どれだけの時間がかかったか想像できますか?いくら制作期間が半年もあったからといって生半可な作業量では決して完成しません。作業時間なんて計ってないので詳しいことは覚えていませんが、少なくとも私は科学大合作のために春休みの空いている時間を全てをぶちまけました。ほぼ何処にも行かず、別の遊びに熱中することもなく、ただひたすら来る日も来る日も画面の中の学長と対峙する。しかも結局春休み明けに間に合わなかったし。私は音MAD愛があるので平気ですが、果たしてあなたに同じことができますか?大学の長期休みという圧倒的青春を溝に捨て学長の切り抜きを使ったお人形遊びとかいう馬鹿の狂気に費やせますか?
はい。そんなことなので科学大合作で一生分の音MADを作った気分になった私は、音MADはもう少なくとも当分は作らないと決めました。今まで音MADを作っていた時間でもっと皆がやってるようにゲームに熱中したり、遊びに出かけたり、勉強したりするんだ!
益学長の任期終了
ところで、東工大は10月1日をもって医科歯科と統合し、𝑆𝑐𝑖𝑒𝑛𝑐𝑒 𝑇𝑜𝑘𝑦𝑜 (東京科学大学)へと生まれ変わりました。そうなると学長も改めて決めることになりそうですが、果たして益学長の命運やいかに……
益学長ゥァア゛ーッ!!!!!
東京科学大学の理事長には大竹先生が、学長には医科歯科の田中学長が就任することになりました。よって、大学統合の10月1日をもって益学長は学長の任を終えることになります。音MADは当分作らないと言いはしましたが、学長MADを作り続けてきた身としてこればかりは流石に何かしら作らねばなるまい。しかし合作はついさっき投稿したばっかり。いくら益学長の退任という一大事であってももう一度そんな大掛かりなことをやる気力も時間も人員もありません。作るにしても単品程度です。
結局その時私は統合に合わせて益学長ではなくテックちゃんの音MADを作って投稿するという考えに至りました。いや学長放ったらかしかよ。というのも統合に伴い工大祭のマスコットキャラクターが変更されることになったのです。
それによりテックちゃんの公式サイトは突然閉鎖、それ以降まるで最初から存在しなかったかのように公式がテックちゃんについて触れることはなくなりました。これは流石に可哀想じゃないかと思ったためこのような計画を立てたのです。あれだけ(勝手に)お世話になった学長よりもテックちゃんを優先するとは薄情な奴め。
一応、相方が以前投稿したTOKYOTECH OVERDOSEに着想を得てそのフルバージョンを作ろうとしていました。歌詞も考えていたので、せっかくなのでここで供養しましょうか……
ただこれだけではお別れにはちょっと騒がしすぎるかなと思ったので、これに加えて同じく二ディガの曲である「月虹蝶」を使って音MAD「月工蝶」も合わせて作ろうとしていました。TOKYOTECH OVERDOSEで盛り上げてからの月工蝶でお別れというイメージ。まあ結局後述する出来事によりこの計画は白紙になったのですが。
それはそれとして、この月虹蝶という曲はそれはもうめちゃくちゃ良い曲なんですけど全然知られていないんですよね。OVERDOSEとYAMEROの方は超有名なのにこっちは全然注目されません。せっかくなのでこの機会に聴いてください。できることなら実際にNEEDYGIRL OVERDOSEを買って全クリした後に聴いてください。涙がで、出ますよ……
相方の計画
……ところが。それから暫くして相方と会う機会がありました。実は相方とは共に合作をするような仲でありながら普段会ったりはしないので何気に入学以来1年ぶりの再会となりました。そこで彼と統合に向けたMAD制作について話をしたところ、彼の口から衝撃の事実が語られます。
「夏休みに、9分くらいの合作を1人で作ろうと思ってる。」
おまっ……何言ってんだ……?気は確かか?「スレのみんなには、悪いけど。 抜け駆けで。」とでも言うつもりか?いやだって君、科学大合作やってみて少人数で合作をすることがいかに大変か分かってるだろ?7分半を2人でやるだけでもう厳しいのに9分って、しかもそれを1人でって。そんなん無理やん絶対。厳しいって。
真面目な話1人で9分は無謀です。制作期間が1年以上あればなんとかなるかもしれませんが、もし統合までに完成させようというのなら他の人の助け――つまり私の全力参戦無しには絶対に間に合いません。しかしそれは、ついこの前投稿したばかりだというのにあのような合作をもう一度やるということを意味します。でも前に言った通り私にはそのようなモチベが無く、参戦する気はありません。なので彼は本当に1人で作るしかない。そしてそれは無謀。しかしそれでも目の前の相方は1人でやると言っているので、そんな言葉は一旦飲み込んで「マジ?がんばれ~」みたいな割と適当な返事をした記憶があります。一体どうなることやら……
決意
それからというもの私は完全にテックちゃんの卒業音MADを作る気でいました。相方の計画は見ないふり。でもやっぱり、学長の音MADを散々作ってきた身としては未練というか、本当にそれで良いのかという思いが捨てきれていない自分もありました。ここまで学長をネタにしておきながら統合、そして退任というビッグイベントに際して学長MADを作らないのは何か違う気がして。でもそんなに音MADにかまけている暇は私にはありません。正確に言えば全然あるんですけど、その貴重な時間をそんなことのために使うべきではないと思っていました。どっちつかず、板挟み。
しかし人生何が起こるか分からないもので、転機は急に訪れます。
なんと、後輩(音MAD愛好家とは別の方)が突如「ますカズーやの音MADが作りたい」と言い出したのです。
その言葉がどのくらい本気だったのかは分かりませんが、それに便乗しようとする後輩も現れ、更に相方までも「なにやらお゜も゜し゜ろ゜い゜こ゜と゜に゜な゜っ゜て゜ま゜す゜ね゜ぇ゜~」とノリノリ。例の1人合作にこの後輩たちを引き込むつもりでいます。
私は呆れ返りました。もうね、アホかと。馬鹿かと。合作は生半可な覚悟じゃ決して完成しません。前に書いた通りその先に地獄の編集作業が待っているからです。もし統合までに本気で間に合わせようというのなら夏休みは全て潰さなければなりません。2ヶ月間ずっと音MAD漬けです。しかしそんな頭がおかしいとしか言いようがない覚悟ができる狂人は――せいぜい相方と、私くらいでしょう。だから参加者がちょっと増えたくらいでは焼け石に水なんです。何も解決していない。このままでは参加した後輩共々計画が炎上して消し炭になってしまいます。だから私は、心を鬼にしてガツンと言ってやったんですよ。
お前ら……
史上最大の東工大音MAD合作計画、始動――
やっちまったぜ。(投稿者:変態糞非常識)もう合作はやらないと決めていたはずなのに、溢れる欲を抑えきれず結局参加してしまいました。だってそりゃ、学長の音MADを合作しようって言ってるのにこの私が参加しないわけにはいかないでしょ。始祖なんだからさ。それに私が参加しなきゃ絶対に成功しないし。ねっそうでしょ?(自意識)
最終的に相方を主催として、私と、後輩S、後輩A、後輩Mの計5名で大学統合に向け学長MADを合作することになりました。前回の合作が私と相方の2人だけだったのを考えると一気に戦力増強ですね。これを受け、当初9分のメドレーを使う予定だったのを相方が「5人ならもっと長いメドレーでもいけるんじゃないか」と判断し、更に長い、相方曰く「本当はこれがやりたかった」メドレーに変更することになりました。それが今回使用した「Nico Funny」。
なんとこれ、長さが11分もあります。前回の合作が7分半程度だったことを考えると一気に長くなりました。そしてこのメドレーが馬鹿みたいに良い。内容はおにまいやラブライブ、ウマ娘などのアニソンを中心に、東方やボカロ、ブルアカ、UNDERTALEなどの有名曲を散りばめたニコニコオールスターメドレーです。まず何が良いって収録曲が全部神曲なのはさることながら、一般人にもある程度知名度があるものが揃っていることです。これは偏見ですが合作で使われるメドレーって結構音MAD界隈では超有名でも一般人には伝わらない曲が結構多かったりします。例えばこういう奴ら↓
私はどれも大好きなんですけど、確かに界隈に疎い人からするとこの曲何?と困惑してしまうかもしれません。もちろんその合作のターゲット層が界隈人ならいいんですけど、私らが作ろうとしている学長の合作のターゲット層は東工大界隈、受験界隈、またはそれ以外の大学界隈です。多くの人に楽しんでもらうためにはそういう内輪ネタは置いといて彼らにより伝わりやすい曲を使ったほうが良い。そういう意味でこのメドレーはドンピシャ適任なんです。シルプレも東方もブルアカもアンテも東工大界隈の人なら大体知っているでしょうから。
更に、過去に使ったことのある曲とほとんど被っていないのも良い。特に科学大合作で使ったメドレーにあった「YONA YONA DANCE」「Baqeela」「神っぽいな」「マーシャル・マキシマイザー」「フォニイ」etc……は他のメドレーでも使われまくりでどうしても被ってしまうんですよね。
被りまくってる例↓
しかしこのNico Funnyにおいては、「Panic!Pop’n!Picnic!」と「MEGALOVANIA」しか過去作と被っていません。これがデカい。作る側も見る側も飽きなくて済みます。
極めつけはこのメドレーが作られたのがかなり最近という点。制作されてから時間が経っているメドレーはどんなに良いメドレーでもどうしても曲の流行りから逸れてしまって一般の視聴者に飽きられてしまう原因となります。
神だけどちょっと古いメドレーの例?↓
しかしこのNico Funnyが作られたのは2023年12月、1年と経っていません。なのでウマ娘もブルアカもあります。これはアツい。
目を背けてはいけない現実
さて、そんなこんなで使用するメドレーが決まったわけですが、ここで参加者がいつもより多いからといって油断してはいけません。何度も述べている通り、音MADを作るのには大変な労力が伴います。大学統合を目標にするのならば夏休みを全て捧げてようやくスタートライン。私と相方はともかくとして、はたしてその覚悟が今回参加した後輩たちにあるでしょうか?もちろんそれは厳しいでしょう。これはなにも彼らを責めたり馬鹿にしている訳ではありません。むしろ馬鹿にされるべきは著作権肖像権大侵害おままごと大会に命と長期休暇と学籍を懸けてる私と相方です。真面目な話、彼らにはもっと他にやるべきこと、大切にすべき人付き合い、趣味に没頭するなどの時間の使い方があるはずです。それをこんなクソ下らない退学チキンレースの犠牲にしろだなんて誰が言えたもんですか。
そういう訳で、メンバーそれぞれが夏休みに音MAD制作に掛けられる時間を考慮して、仮に私の音MAD生産能力を1非常識とした場合、相方も1非常識、後輩たちは3人合わせて0.5非常識といったところでしょう。つまりメンバー合計で2.5非常識です。前回の合作は2人でやったので2非常識ですから、そこから人数だけ増えても非常識単位で考えると生産能力はほとんど上がっていないことが分かります。それなのにメドレーの時間は7分半から11分にまで跳ね上がっている。これは覚悟の準備をしないといけません。
制作開始の宣言をしろ!磯野ォ!!
合作するにあたって専用のDiscord鯖を立て、そこでパート分けをしたり進捗を投稿したりすることになりました。
パート管理はスプレッドシートでやりました。それぞれの曲名や担当者がまとめられていて現在は誰でも閲覧できる状態なのでよければどうぞ。
担当するパートは前回同様自分がやりたいパートを取っていって競合したら話し合いで決める方式にしました。幸いにもそこまで希望が被ることがなかったので良かったです。
この時点で2024年6月21日。大学統合の10月1日まで一見するとまだ時間がありそうですが、前回の合作にかかった苦労を考えると実はかなり大ピンチ。すぐにでも制作に取り掛からなければいけません。しかし期末試験などが重なり思うように動けず、状況はより深刻になってゆくのでした。
そこで私は決心しました。この合作が成功するかどうかは恐らく私に懸かっている。相方は主催なのでその分はきっとどうにかしてくれる。でもそれだけでどうこうなるような量ではない。だから彼の次に動ける私がどれだけ働いてタスクを消化できるかが命運を分けるのだと。それならば――いけるとこまでいってみようぜ。春休み全てを捧げた科学大合作よりも更に働いて、働いて、働きまくる。限界まで働いて、進捗を産んで、皆をリードする、そんな音MAD製造マシーンと化して夏休みを溝に捨てる、そういう覚悟です。全ては益学長の音MADのために。自分が始めた物語に、終止符を。
なんかそれっぽいこと言ってるけど実際はただ音MAD制作で夏休み溶かしただけのバカなんだよなぁ……再掲
そういった経緯で、期末試験が終わり夏休みに突入した私は開幕からフルスロットル、出せる限りの最高スピードで制作に取り掛かりました。もちろん持てる時間全てを制作に投入しました。それも科学大合作以上にです。日中は自動車学校に通わなければいけなかったので夕方から編集作業を始め、他のゲームやアニメには目もくれず、食事や入浴などを除いては休憩を極力入れずノンストップで作業を継続。大体朝の4時頃まで作業を続け、就寝。そんな生活を2ヶ月の夏休み中ほぼ毎日ずっとやっていました。これにより、比較的高品質なパートを4~5日程度で1つ生産することができていました。こいつ、音MADのために命を削ってやがる……しかしこうでもしないと間に合いません。それどころか間に合うかすら怪しいです。
このメドレー、被りや極端に短いパートなどを考慮した実質的なパート数は約40パートあります。全体の生産能力を2.5非常識としましたが、それに従うと1非常識が制作するべきパート数は40÷2.5=16パートであることが分かります。この16パートを2ヶ月の間で作り切るには必然的にこの程度のペースでなくてはいけないのです。
これが私の「覚悟」です。
投稿予定日の変更
それでも統合までに制作を間に合わせるのは難しいということが徐々に分かってきました。流石に無理がすぎました。しかし大学統合に合わせた動画なのに統合までに間に合わないというのは流石に興醒めです。どうしたものかと私は困り果ててしまいました。
しかし、流石は信頼の相方。これを打開する方法を提案してくれました。それが、大学統合ではなく益学長の誕生日に合わせて投稿するという案。統合は10月1日ですが、学長の誕生日は10月17日。これなら猶予ができて間に合うかもしれません。間に合わなさそうということが分かってモチベーションがほとんど消えていた私もこの知らせにより完全復活。なんとしてでも10月17日に間に合わせようと再び決意を固めました。
非常識担当パートの振り返り
お待たせしました。ここから私が担当したパートについて色々解説していきます。私たちの制作状況を追体験してもらうために、紹介は制作した順でやろうと思います。見出しの番号はメドレー内の順番です。
21.BONETROUSLE
誰も傷つかなくていいRPG「UNDERTALE」より、パピルスのテーマソングです。このメドレーには兄サンズの「MEGALOVANIA」と弟パピルスの「BONETROUSLE」の2曲が収録されています。私は前回の合作でメガロバを担当したので、時短のために今回もそっちを担当しようとしましたが後輩がやりたがっていたのでこっちにしました。
前回サンズ役を益学長にしたので、じゃあその弟役は誰にしようかとなり、医科歯科の田中学長を選びました。東工大の統合相手ですからね。兄弟みたいなもんです。口調や性格は原作に従い、サンズ役の益学長はダジャレを言うおちゃらけ者、それを諌めるのはパピルス役の田中学長、という風にしました。コマンドが上から降ってくる演出は前回から引き継いでいます。
そしてこのシーン、音MADに詳しい人なら分かるかもしれませんが、あの有名音MAD作者のにす氏のリスペクト、にすペクトをしています。「クッソー☆合作3 ~COOL KUSSO!!!~」の同氏のパートです。
こちらの原曲は同じくアンテより「Dummy!」ですね。にす氏は私が尊敬している音MAD作者の1人なので是非リスペクトしたかったのです。
22.いわれなきリベンジ/ブッコワシ賛歌
「いわれなきリベンジ/ブッコワシ賛歌」はゲーム「Mother3」のコワモテブタマスク戦のBGMです。音MADでは合作などでたいへんよく擦られていますね。今回の合作ではBONETROUSLEと陸続きのパートにしました。というのもアンテの作者であるToby Fox氏は同作品を作るにあたってMotherから非常に大きな影響を受けているそうなのです。道理で作風が似ているわけです。今回はそれを意識しています。
BONETROUSLEから続くストーリーとして、大学統合をして東工大の名が消えることに対して東工大の創設者である手島誠一先生が反抗するというのを考えて作りました。手島先生はアンテでいうガスターの役になっています。手島先生は大学関係者最強ランキングのトップですからね。
ここのステータス欄はせめてものMotherリスペクトです。
最強の手島先生に敵うはずもなく、学長たちは一撃でやられてしまいます。このときの手島先生の攻撃はエヴァの使徒たちが使う光線と同じです。
36.Renegade Fruits
音ゲー「SOUND VOLTEX」よりお馴染みt+pazolite氏の曲です。この曲、ある1つの音MADによって界隈で有名となり、その後音MAD定番曲として多数のMADが作られるようになりました。それがこれ。
はい、プリコネです。Baqeelaと同じタイプですね……いやそんなことはどうでもいい。この映像を最初に考えついた人、何食ったらこんなの思い付くんですかね……とりあえず他のMADの通りこのパートも件の地帯をリスペクトして作りました。
また、これ単体では少々狂気に欠けるかなと思い思案したところ、そういえばバーバパパ氏の奇作「ウ”ィ”エ”」にも同じような地帯があるじゃないかと気付き、それも輸入することにしました。元々の狂気が更に深まっていい感じ。
31.わたしたちのクエスト
ブルーアーカイブより、ゲーム開発部の「わたしたちのクエスト」です。メインストーリーVol.2 時計じかけの花のパヴァーヌ編のエンディング曲であり、ショートアニメの主題歌でもあります。
ゲーム開発部の面々に益学長を混ぜて歌ってもらいました。というのも実はゲーム開発部があるミレニアムサイエンススクールと東工大には奇妙な共通点があるのです。
どちらも理系単科の学校である
ミレニアムサイエンススクール(というかブルアカ全体ではあるが)は女子生徒ばっかり。東工大は逆に男子学生ばっかり。
ミレニアム「サイエンス」スクール、Institute of 「Science」 Tokyo
キヴォトス三大学園の1つ(ゲヘナ、トリニティ、ミレニアム)、日本三大大学の1つ(東大、京大、東工大)
学長とポーズが一緒
よってミレニアムのモデルは東工大であった。Q.E.D.
後半のシャーレのデスクはブルアカ先生祭のメドレー単品で使われているものを流用しました。なお、学長の名誉のために先生の舌は引っこ抜いてあります。相方からの指摘です。
益学長ブルアカの先生説、あると思うんですけどね。アロナの絵と結構似てるとこあるし。生徒(学生)から注目の的だし。
16.魔法少女達の百年祭
さて、ここからは東方原曲パートが3つ連続します。まず最初は東方紅魔郷から「魔法少女達の百年祭」。EXステージの曲ですね。パチュリー戦で流れてるやつ。
ここからのパートは全て1つのストーリーとして繋がっています。流れとしては益学長が墜ちてゆき、そこで怪異と対峙するという展開。このパートではそのストーリーの「起」の部分、すなわちこの後の盛り上がりに備えた準備の役を任せました。
東方パートが始まったことを分かりやすくするために「東方幻想郷」ならぬ「東工幻想卿」のテロップを出しています。ただこのメドレーの中で東方幻想郷の曲は1つも無いんですけどね。まあ雰囲気が出れば良いのだ。
学長が墜ちてゆく過程で様々な場面が回想されます。嵐の前の静けさというものかな。ちなみにこのモノクロな色合いはBad Appleの影絵を意識しています。
17.広有射怪鳥事~Till When?
東方妖々夢より「広有射怪鳥事~Till When?」、魂魄妖夢のテーマ曲です。元祖私の推しです。ヨウムチャンカワイイヨー
さて、このパートでは一転攻勢、急に騒がしくなりました。しかし学長が墜ちてゆくというのは前から一貫して変わりません。学長が墜ちてゆくうちに突如としてその周りを五線譜の螺旋が囲い込みます。このとき五線譜の上にある学長の顔は音符のつもりです。この曲の音の通りに学長の顔が五線譜上に配置されているのです。
このように五線譜に画像を流す表現は音MADでよく擦られますよね。元ネタはバンバード~Piano_Version~のMADだと思います。
その後も更に学長は螺旋に囲まれながら墜ちてゆきます。すると先程までの映像とは打って変わってなんかすごい3DCG映像が出てきました。
この部分の映像は3DCGソフトであるBlenderで制作を行いました。というのも近年の音MADは作者のインフレにより平然と3DCGを用いたハイクオリティな映像が使われるようになってきていて、私もそんな映像が作れるようになりたいと思っていたためこの機会に思い切ってチャレンジしてみることにしたのです。
墜ちる益学長を中央に配置し、その周りを螺旋で囲い、ちょっとしたオブジェを付け足してパーティクルを添えただけの簡素なものですが流石は3DCG専用のソフトなだけあって今までの比にならないくらい美しい映像が作れました。ちなみにこれは偶然なのですが、学長を囲う螺旋にどこか既視感を覚え何かなぁと考えていると、なんとこれは𝑆𝑐𝑖𝑒𝑛𝑐𝑒 𝑇𝑜𝑘𝑦𝑜のロゴじゃないかと気付いたのです!これは嬉しい誤算ですね。
18.少女さとり~3rd eye
東方地霊殿より「少女さとり~3rd eye」、古明地さとりのテーマです。
墜ちきった学長は東工大の本館と思しき場所に辿り着きました。しかしそこには何やら怪しげな影が。するとその影は一瞬にして増殖、学長の周りを取り囲みます。絶体絶命のピンチです。このとき後ろにある目はさとりが第三の目を持っているところから着想を得ました。
このときのグルグル回るカメラアングルが個人的に好みです。元ネタは益学長の就任メッセージ動画のグルグル回るシーン。これを相方がGB素材化してくれました。その相方にもGBの使い方が天才すぎるとお褒めの言葉を受けました。うれしい。
さあ、囲まれて逃げ場がない益学長。しかし学長は極めて冷静です。
「あなたたちの作戦には1つ誤算があります」
「それは私が『強い』ということです!!!」
さあ、戦いの火蓋は切って落とされました。覚醒した益学長とそれを囲む大量の怪異との戦い。しかし益学長はあまりにも強かった。怪異を一方的に蹂躙します。
このシーン、やってることはバトル淫夢と全く同じです。私は昔から野獣先輩BB劇場が好きだったので、是非その技術を体得したと思いここでもチャレンジすることにしたのです。学長のバトル素材は超覚醒KMRのバトルBBを改造して作りました。
さて、雑魚敵を一蹴する学長ですが、その背後に迫る1つの影が。なんとそれはもう一人の「学長」だったのです。
対峙する2人の学長。しかし遅れて登場した方の学長は何やら様子が変です。これも周りの雑魚敵と同じ、怪異が作り出した紛い物だったのです。はたして学長は自分の複製体を相手に勝つことができるのか。物語はここで終わります。
個人的にこの3パートは映像とストーリー共にとても上手くできたと思っています。特にBlenderとバトル淫夢という2つの新たな挑戦ができたことが嬉しい。これにより私の編集技術に更に磨きがかかりました。
ところで、この制作の裏で実はとんでもないことが起こっていました。それは私が超覚醒KMRのバトルBBを改造して超覚醒益学長バトルBBを作ったときのことです。
なんとこれに対して益学長が反応。しかも今回は前回の手を上げ下げの件とは違い言葉を濁さず「MAD」という単語を使って直接的に言及してきました。これはとんでもないことです。学長が私のツイートを観測しているということが本当に確定してしまったのですから。
合作の制作中に本人から言及されて慌てふためくのは前回の合作でもありましたね。デジャブ。というかこんなにネタにされてなお「まぁ、良しとしよう」で済ませるだなんて学長の器があまりにもデカすぎる……一時は騒然となりましたが、もう既に引くに引けないところまできていたのでこの合作は継続することになりました。これでまた何か言われてしまったらその時また考えよう、と。こちらも相応の覚悟で作っているのでね。面構えが違います。
11.メニメニマニマニ
メニマニです。アニメ「てーきゅう」2期のOPです。てーきゅうはテニスのアニメなのにテニスを全くやらないという、いわゆるギャグアニメです。その勢いを受け継ぎ、このパートもスピード感のあるパートにしようと意識しました。
このパート、実はある音MADをリスペクトしています。それが、チャージマン研!の合作「キチガイレコード暴奏のメドレー ~お許しくだ祭2015~」の同曲のパートです。
チャー研は私が中学生の頃に狂ったようにハマっていたという過去があります。期末テストの勉強をするときにチャー研の音MADを流していたくらい。まあ結局それで勉強に集中できるはずもなかったのですが、ともかくそのくらい私の音MAD観に重要な影響を及ぼした作品です。そんな思い出があるので是非リスペクトしたかったわけですね。
ここボロクソ言われすぎ。これは私の意見ではなくどっかのスレのコピペです。
12.スイートマジック
ご存知スイートマジック。このメドレーのどこかでテックちゃんのパートを挟みたいなと思っていたので、明るくかわいい雰囲気のこのパートに白羽の矢が立ちました。
しかし、ただテックちゃんが歌うようなありきたりなパートにしてはつまらない。何か目を惹くような工夫はできないかと考えたとき、そうだ、テックちゃんの画像をLive2Dのように動かそう、という発想に至りました。これはINin合作でフリーナが歌うシーンから着想を得ています。
画像を動かすだなんて難しそうに感じますが、実はそこまで大したものではありません。詳しくは音MAD界隈の重鎮みまらか氏のブログにやり方が書いてあります。一枚絵だけでも目や紙や口を動かすことは可能なのです。
これを使った結果、かわいいし動くテックちゃんにテキストモーションが合わさった神パートが出来上がりました。とてもかわいい。
ちなみにこの構図、音MADに詳しい人ならご存知かと思いますが、恋愛サーキュレーションの音MADでよく見られる構図をリスペクトしています。発祥はまちカドまぞくのMADだと思います。
この可愛らしい構図とうねうね動くテキストモーションに感動したのでいつか再現してみたいと思っていたのです。結果的にはリスペクト元のような滑らかな動きは再現できませんでした……制作者としてはそこだけ心残りです。
そういえば、東工大MADで用いられる「テックちゃんの声」の正体は一体何なのでしょうか。別にテックちゃんに公式ボイスがあるわけじゃないし……とお思いの皆さん。実はあるんです!テックちゃんの公式ボイス!それは春休みも明けようとしている4月始めに突如として本館前に現れました。
キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!
あのテックちゃんが喋ってます。これが何の目的で設置されたのかは不明ですが、これは間違いなくテックちゃんの公式ボイスといっていいのではないでしょうか。しかし結局CVが誰かは分からなかったので、音MADで使う時私は仮でブルアカのアロナの声(CV:小原好美)を当てています。理由は、
声が似ている
イメージカラーが青
天真爛漫な性格
機械の存在(アロナはシッテムの箱のメインOS)
素材が入手しやすい
などなど。実はテックちゃんとアロナには共通点が沢山あるんですよね。適当じゃないんですよ。
14.おかえり
アニメ「のんのんびより」の2期EDです。このパートは正直早くタスクを消化するためにやっつけで作りました。といっても適当に作ったという訳ではありませんよ。ちゃんと最低限エモくなるように心がけました。
のんのんびよりの面々に学長を混ぜて歌ってもらったんですけど、作ってて蛍ちゃんやっぱデケぇな……ってなりました。ユニット会で言及された学長の身長が171cmなのに対して、蛍ちゃんは164cm。しかもこれで11歳なんですよ。デカ過ぎんだろ……
35.戦闘!チャンピオン
ポケモン金銀のレッド戦の曲です。ここではポケモン要素には触れず、戦闘BGMであることを使ってカオスバトルをおっぱじめることにしました。東工大MADとしてのカオスバトルは過去にやったことがあったのでそのリメイクといったところでしょうか。
今回はドナルドやムスカといった固定メンツに加えて新たに闇デントなども登場させました。個人的に闇デント好きなんですよね。中身はただの夜神月なんですけど、あの顔で粉バナナとかふざけるなー!とか言ってるのが面白くて気に入っています。本当に懐かしい。
なおこのパートだけ音がガッビガビになっていますが、それは当時の音質を再現するために3DS実機で録音した音声を使用しているからです。やはりカオスバトルの音質はこうでなくては。
しかしあのドナルドの攻撃を食らって平然としているだなんて学長強すぎですね。全盛期ですらドナルドの攻撃をまともに受けて立っていられるキャラは滅多にいませんでしたよ……
41~44.もってけ!セーラーふく
アニメ「らき☆すた」のOP。これはもう伝説ですね。
ここからはいよいよ合作の完成が見え始めてきます。このパートはトリのパートの1つ手前。クライマックスの盛り上がりに繋がるとても重要なパートです。ここで何をしようか考えたとき、セーラーふくにはダンスがあることに着目して益学長を踊らせようと考えました。人物を踊らせるのは最近流行りのAIを使えば一発ですから難しいことではありません。
また、同じダンス繋がりで最近出てきた野々村議員の合作をリスペクトしました。ののむーめちゃくちゃ懐かしいですね!あの頃に戻りたい……(切実)
さて、ずっと踊っているのはつまらないので後半は今まで出てきた東工大MADのリスペクトラッシュにしました。こういう展開めちゃくちゃ燃えますよね。過去作の主人公が最終決戦で登場するみたいな。少年心を擽られるというものです。
45.ひめごと*クライシスターズ
アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」のED。このメドレーはおにまいで始まりおにまいで終わる構成になっています。正真正銘これがこの合作を締めくくる最後のパート。これは全力を出さないといけません。
実はこのメドレーで合作を作ることになったときから既にラストで何をやるかは決めていました。それを語るには、まず私の音MAD観を根底から覆したとある作品を紹介しなくてはいけません。それが、「Z会桜浪紀 最高の教育で、未来をひらく。」です。
詳しくはネタバレになってしまうので是非この機会に視聴していただきたい。この合作、音MADでありながら全体を通して1つのストーリーになっていて、それがものすごくクオリティが高く、そして感動するのです。音MADで泣いたのは始めてです。私滅多に泣かないのに。
内容をぼかして話すと、ラストにZ会亀井がライブステージで踊るシーンがあるのですが、そのシーンを是非とも再現したいと思ったのです。これは今回の合作の趣旨にも合っています。今回の合作は統合に伴い退任してしまう学長に感謝を伝えるためのもの。そこで学長をライブステージに配置し、無数の観客で盛り上げる。そうすれば東工大としても益学長としてもその終わりを綺麗に締めくくることができると考えたのです。
この制作はMMDを使って行いました。本当ならBlenderを使った方が圧倒的に綺麗で快適なのですが、このようにステージで踊らせるという表現をするのであればMMDの方が圧倒的に向いています。MMDは元々ステージでモデルを踊らせる用のソフトです。ニコニコに知見が集積されていますし、ステージのモデルも無料で高品質なものが大量に流れているのでこういった用途には適任です。
MMDであってもray-mmdというエフェクトを使えばBlenderに負けないリアルで綺麗な映像が作れます。結果的に、それまでの溜めを一気に開放して盛り上がる最高の映像が作れたと思っています。益学長に(一方的に)お世話になった身として、このシーンでちょっと泣いてしまいました。
29.なにが悪い
クライマックスが出来上がり完全に合作完成の気分でいましたが、浮かれてはいられません。まだ残っているパートを消化しなくてはいけない。
次に作ったのは「なにが悪い」。これはアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」のEDですね。
これ、当時喜多ちゃんが中指を立てているように見えるシーンがあってめちゃくちゃネタにされてましたよね。ついにロックを理解でき各方面に中指を立てる喜多ちゃん好き。
そこで、これを再現するべく前回の合作で神っぽいテックちゃんを描き下ろしてくれた絵師に今回も絵の制作を依頼し、なにが悪いのアニメーションのテックちゃんバージョンを描き下ろして頂きました!神すぎる。
こうして統合して突然クビにされた怒りのあまり各方面に中指を立てるテックちゃんが爆誕しました。しかもこの次のパートでピコディーに学長を寝取られるんですよね。そりゃこうもキレ散らかすのも仕方ないよ……
8.なのです☆
これは「ひぐらしのなく頃に」の曲ですが、今回はそれをガン無視。益学長と東北大の冨永総長にオシャレースでバトルしてもらうというとんでもないパートに魔改造されました。ちなみに制作期間は1日です。たった1日でここまでのクオリティにできたことに我ながら驚いています。
オシャレースというのは、要するにおせち○このアレと言えば分かりますかね。アレです。
音MAD内でオシャレースをさせるという発想は、「otoMAJIMA-sambasis.tinko」から着想を得ました。
オシャレースの前のディベート対決地帯は「New Year's Dreams 2023 ~ Homo The Rock!」の最強雄筋肉バトルのリスペクトです。
オシャレースの舞台はこのような簡易的なセットになっています。写真は大岡山駅からの景色ですね。
ちなみにこのオシャレースでは益学長が卓越していない言葉を言ってしまったためにアウトになっています。ここで、他の東工大MADでも度々出てくる「卓越」って何でしょうか?
念のため説明すると、卓越とは国際卓越研究大学のことを指します。これに認定されると国から10兆円規模の大学ファンドが貰えるため激アツなのですが、執筆時点で選ばれたのは東北大のみとなっています。これに受かることを「卓越する」と言っているのです。
34.ドーナツホール
最近11年越しにMVが作られて界隈を騒がせたドーナツホールです。このパートは本来担当しないはずだったのですが、この期に及んで担当者が決まっておらず相方も忙しそうだったので引き受けました。
歌詞の「簡単な数式ばっか数えてたら」は𝑆𝑐𝑖𝑒𝑛𝑐𝑒 𝑇𝑜𝑘𝑦𝑜のあの1+1>2というとんでもない標語のことです
この一見簡単な数式を数えていたら、「あなた(=手島誠一先生)がくれた工業まで忘れてしまった」のです。工業を忘れた結果、𝑆𝑐𝑖𝑒𝑛𝑐𝑒 𝑇𝑜𝑘𝑦𝑜になるということです。
その結果、工業は死んでしまいお墓だけが残ります。「バイバイもう永遠に会えない」のです。
この工業之墓は統合前日に大岡山キャンパス内に突如として出現した制作者不明のオブジェのことです。東工大ってこんな京大みたいなノリするんですね……この件で界隈は大盛り上がりしました。
全体的にドーナツホールの歌詞をそのまま残し、その歌詞通りの映像を作りました。あの歌詞を再現するとこんな風なとても暗い映像になると思うんですよね。
1.ひめごと*クライシスターズ
もう一度こんにちは。ラストを飾るのはひめごとですが、出だしを飾るのもひめごとです。ひめごとで始まり、ひめごとで終わる。とても美しいですね。
これの制作に取りかかったのはなんと投稿日である10月17日昼です!大変!早く作らないと間に合いません。なので出せる限りの最大戦速で、かつクオリティも保ちながら制作するというとても難しい状況でした。それでもなんとかアイデアを絞り出して3時間くらいで完成させることができました。いやあよかったよかった……
0.サムネ
……ってそう言ってる場合ではありません!!!まだサムネを作ってないんだった!!!これはまずい非常にまずい。この時点で投稿予定時間の30分前です。これは流石にやったか……?
一応軽く案は考えてあったので、なんとか有り合わせでそれっぽいものを生み出しました。良さげな背景に学長と東工大のロゴを配置し、文字を入れただけの簡素なものですが結局これがサムネとして採用されました。というかそれ以外に道が無かったから……ま、悪くはないんじゃないかな。
合作まとめ
結局、私のエンコードミスにより投稿が1時間遅れてしまいましたが、なんとか10月17日に間に合わせることができました。2.5非常識の力でここまで大きなものが完成、しかも学長の誕生日に間に合ったというのはもう奇跡みたいなものでしょう。
そしてこれを投稿したところ大きな反響がありました。その中でも特に大きいのが、益学長本人から名指しで反応があったということ。
既に学長がこちらを観察していることは確定していたので覚悟はしていましたが、こうもストレートに言及されるとは思いもせず他のメンバーと共たまげまくりました。それになぜか怒られるどころか感謝されてしまっている……
そしてこうも大きく言及されてしまったことで他の教員の方々からも続々と反応が上がります。それにより私が教員を見つけ次第ブロックしていることが明るみに出てしまいました。
もう教員を含めた大学全体に東工大MADの存在が知れ渡ってしまいました。もしこれが当局に「不適切」と判断された場合、我々は相応の処分を受けることになります。言い逃れはできません。しかしこの執筆時点では大学側から何もコンタクトはありません。ということは見逃して頂けた、ということなのでしょうか……
何はともあれ、今世紀最大の東工大音MAD合作計画は今世紀最大の完成品と反響と共に幕を閉じました。私の夏休みは全て消し飛んでしまいましたが、結果的にはこの合作はやってよかったなと思っています。音MAD作者として、そして全ての元凶として、大学統合、そして益学長退任という大きな節目にこのような素晴らしい合作を残すことができたのはまさに作者冥利に尽きます。これでもう東工大MADに未練はありません。
おわりに
以上が、全ての元凶として私が知っている東工大MADの全部です。ここまでお読み頂いた方、本当にありがとうございました。最後に私の今後の方針についてお話しようと思います。
結論から言うと、私はこの先東工大/科学大の音MADを作るつもりはありません。益学長の音MADはもちろん、大竹理事長や田中学長の音MADも作りません。
こう言うと惜しむ声が上がりそうですが、これは仕方のないことです。そもそも、特定の個人をネタにして音MADを作るという行為はとんでもないことです。下手しなくても著作権、肖像権の侵害になるばかりか、名誉まで毀損する恐れがあります。それでも今まで東工大MADとして益学長をネタにしてこれたのは、益学長本人の凄まじく寛容なお心があったからに他なりません。なのでもうこれ以上善意につけ込んだことはしたくない、というのが1つ。
2つ目の理由は本人の意向です。確かに彼は音MADが作られていることを知りながらそれを容認していましたし、更に大竹理事長の音MADを作ることも認めるような投稿をしています。
しかし実は、益学長は退任前、学内Slackにこんな投稿をしていました。
私は何も学長をネタにすることに何ら罪悪感を抱いていなかった訳では決してありません。それどころか毎回学長に対する申し訳なさを感じつつ当局に何か言われないかと怯えていました。だからこそ、この投稿を読んだとき、今までの活動を続けるという線は完全に無くなりました。
そして最後3つ目、これ以上学長ネタを擦り続けるのは不毛であるからです。益学長が退任してなお益学長のネタを擦り続ける行為は永遠に過去に囚われ前に進まない愚かさを内包します。つまり、老害。それに学長がネタキャラたりえた理由はそもそも彼自身にコンテンツ力があったからです。ネタになるようなことを何もしていない大竹理事長や田中学長を無理矢理ネタにし、更に迷惑を拡大させるのは実に愚かです。
これらの理由から私はもう東工大MADは作りません。そもそもそんな暇無いですしね。ただし、これを読んでいる君がもし私と同じようなことをしようとしているのなら――立場上、やめておけと言っておきますが、そういうのは誰に許可を取るでもなく、勝手に、そしてコソコソとやるものです。君がどういう選択をするのか、見させてもらいますよ。
さて、あまり長々と語っていてはキリがありませんから、今日はこのくらいにしておきましょう。もしまだ私に何か言いたいこと、聞きたいことがあれば遠慮なくDMを送ってきてください。
それでは、ありがとうございましたm_(.)_m
おまけ:私が音声にRVCを使っている件について
私は東工大MADを作るにあたり、学長やテックちゃんに歌わせる場面では人力(音声の切り貼り)ではなくRVCというAIを使っていました。RVCはモデルとなる音声がそれなりにあればどんな音声もその人の声で再現することができるというとんでもないAIです。これを音MADで使っていいのか、ということですが……
いいわけないだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「MAD」がどうしてそういう名前になったか知っていますか?元々MADという言葉は1970年代にカセットテープで台詞を繋ぎ合わせて何か面白いものを作るという作品に対して付けられた名です。つまり、本来音MADは音声の切り貼りによって作られなければいけないのです。それをAI生成の音声で音MADを名乗るだと?思い上がるのもいい加減にしグハァッ……(特大ブーメラン)
はい。それならばなぜ私がRVCを使って音MADを作っていたかというと……簡単な話です。時間が無いからです。RVCは極めて簡単に高品質な音声が生成できます。もし私がRVCを使わず人力で音声を作っていれば合作の完成はまず間に合わなかったでしょうし、ここまでクオリティの高いものを作ることもできなかったでしょう。短い期間、少ない人的資源という限界状態であったために、私はRVCを手放すことができなかったのです。
ですから、時間があるときには私は人力をします。例えば東京理科大校歌の音MADでは人力でやってます。音MAD作者たるもの、人力をしなければ話になりませんから。
ただまあ、結果的に多くの人に楽しんで頂けたわけですから、人力なのかそうじゃないのかというのはそこまで大した問題ではないのかもしれませんね。何はともあれこれからは人力で音MADを作ろうと思います。