4日目 コロナ禍において、1番影響を受けているのは実は大学生かもしれない

 2020年9月20日現在、新型コロナウイルスの感染者は全世界で3060万人に達し、収束のめどは全くと言っていいほど立っていない。日本でも未だ500人前後の陽性者が出続けている(厚生労働省ホームページより)。

 そんな中ではあるが、新型コロナウイルスに関する報道は日に日に減ってきており、経済活動や新型コロナウイルス対策を踏まえたうえでの従来の日常がすこしずつ戻ってきているように思う。

 ただしそれは、

大学生を除いて。


 (ここでの大学生は、ある程度受験勉強などを頑張ってきた大学生の事だと思ってみていただきたい。いわゆるFランの世界にも当てはまる話かは分からない。)

さて、大学生が受けている影響は主に2つ、①大学生活(勉学)における影響、と、②大学生活(勉学)以外での生活における影響、だ。

 ①に関して、中学校や高校は、マスク着用の義務などはあれど授業はとうの昔に再開しているし、多くの社会人が属するであろうオフィスワーカーも今では普通に出勤している。

 一方大学生はといえば、前期中は殆どの大学で一部を除き全てオンライン講義、後期に関しても実習などを除いてオンライン講義になる大学もあり、完全再開の見通しが立っている大学はほとんどない。

 1年生に至っては、せっかく入学したのに大学に行ったのは入学手続きの一回だけで、未だに同学部の同期の顔も名前も知らない、なんて状況もざらだ。

 大学は、大学ごとに自治権や決定権があるからか、メディアの格好の的であり、小学校や中学校など他の教育機関に比べても叩かれやすい傾向にある。また教育機関としての大学の意義を感じず、大学不要論を唱える人も少なくない(そういった人の多くは、そもそも大学に通ったことがないのだろうか)。

 こうした面で、対面講義を再開する大学が少ない中で先陣を切るには、学内クラスターなどが発生した場合のリスクが大きすぎるのだろう(現にクラスターが発生した大学やその学生に対するバッシングはものすごい)。

 ただ、オンライン講義になったことでより勉強に身が入るようになった人や、就活もオンラインで交通費などがかからなくなったという声も聞かれ、①に関しては必ずしも悪影響ばかりではないのかもしれない。

 しかし、①の影響により、大学生がよりダメージを受けているのが②の側面だ。

 つまり何をしようにも、

「大学が始まってすらいないのに」と言われるのが今の大学生なのだ。

 大学が始まってもいないのに部活やサークル活動を再開するのはおかしい、というわけでろくに部活、サークルはさせてもらえず(出来たとしても自主練扱いで、対外試合や大会はなし)、学祭などのイベントも軒並み中止。

 「大学を再開しないのは、大学が再開するとついでにに飲みに行くかもしれないから」といった内容のニュースがTwitterで話題になったように、大学が再開していないのに飲みに行くのか、遊びに行くのか、といった考えを持つ大人が多くいるのも事実。

小中学生は授業後に部活や友達の家でゲームをするし、大勢の会社員が飲食店を支えるといった名目で居酒屋に大挙しておしかけているにも関わらず、だ。

もちろん部活や飲み会がダメとなれば、政府主導でgo to トラベルキャンペーンをやっているにも関わらず、旅行にも行きづらい。


 他にも、例えば、授業料や私立大学における施設利用料などは返金されない一方で、飲食店などでは、コロナ禍における客足の減少でアルバイトのシフトが優先的に切られ、収入が減っている大学生も多い。

 

 このように、大学生は、実は勉学以外の面で不都合な影響をものすごく受けている。

 ただ、これらの影響のほとんどは、人災、つまり社会の風潮によるものが大きいと僕は思っている。

 そして、小中学生の遊びや大人の飲み会をやめろというのではなく、

大学生だって新しい with コロナの生活を送ってもいいじゃないか

と僕は言いたい。


 まず、行動範囲の広い大学生が一堂に会する講義は危険だ、という意見があるが、ほとんどの場合そうではないと僕は思う。

なんといっても、大学の敷地は一般に小中高校に比べ圧倒的に広く、大概広い講義室も有している。長机の講義室などでは3人掛けに2人で座ることはこれまでも行われているし、相対的に広い教室を使えばよい。マスク、消毒などを徹底すれば、小中高やオフィスと比べ、感染リスクは同等かそれ以下だろう。

ただ、オンラインの導入が一番進んでいるであろう大学があえて対面講義を行う理由はそれほど多くないので、実習や試験、対面の必要性が高い講義のみに絞るのが自然な流れだと思う。また、混雑する食堂などは、使用禁止にして教室やキャンパス内での持ち込み飲食を推奨すればよい。

 また、行動範囲という点でも、社会人と比較するとさほど変わらないと思う。加えて言いたいのは、行動範囲よりも、大切なのは

感染対策への意識の高さ

だということだ。どれだけ行動範囲が広くても、こまめに消毒し常にマスクをして、外のもの、人に触れなければ感染リスクは極めて低い。この点でいえば、大学生が劣っているとは全く思えない。マスクになじみのない中高年層、元通りの日常に慣れてきて仕事中にマスクをしないオフィスワーカーも一定数いるのではないか。


 また、大学生なんてもともと暇で、遊んでるだけだから自粛してなさい。という意見もあるかもしれない。

 確かに、日々仕事や学校や子育てに追われている人にとっては大学生のしていることはほとんど無意味に映るのかもしれない。それは僕もその立場を想像すれば何となく理解できる。遊びもバイトも恋愛も、全部無駄なのかもしれない。

でも僕は、

大学生として経験する ”無駄” だって人生を豊かにしてくれる

と思っている。無駄のない人生はつまらないだろうし、そういった無駄や寄り道が、人生の幅をきっと広げてくれると思っている。

そういう意味で、ある程度時間があって、ある程度お金もあって、いろいろな ”無駄” に投資できるこの「大学生」という時間は、僕たちにとっては非常に貴重で大切なのだ。

これまでは受験に向けての勉強で必死だったし、大学を卒業したら、大学生は何もしていない、と思ってしまうくらい身を粉にして働くのだろうなあと想像がつくからだ。


とまあずいぶん長々と書いたけど、僕は現や大人ををただ批判したいのではない。とにかく言いたいのは、

みんなが気を付けて、みんなが普通に生活できたらいいのに

なぁ、ということだけだ。

そこに大人も子供も大学生もなくていいし、対面講義がない?そんな事も関係ない。少なくとも僕たち大学生がそれを求めてそうなっているわけではない。

というわけで、次からの記事では、感染対策を意識しながら男3人で行った九州旅行記を書きたい。

早くコロナに振り回されない社会にならないかなぁ。

よし。

#医学生 #日常#ブログ#コロナ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?