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総額2,000万円の農業事業承継を実施しました

記事のタイトルにも書きましたが、総額2,000万円のデッドファイナンスを行い、農家さんの承継を実施しました。

後継を亡くされた農家さんとの出会い


今回の農家さんは2020年11月に移住して間もない頃に出会った農家さんで、75歳になろうかというご高齢の方です。

早くに後継者を亡くされ、後継できる人材を探しておられるところでした。
弊社にとって幸いだったのは、その面積です。

実は、この農家さんが抱えている面積はビニールハウスで75aという日南市でも屈指の面積で、ご夫婦でやられている農家さんは大きすぎて手が回らなくなってしまうため、承継ができずにいました。

そんな中、登場したのがひじかたで、ぼくらは男手4人ですから、この面積は十分カバー可能。加えて年齢も年齢だったので、後継レースに即座に手を挙げ、翌年の2021年2月から研修が実施されました。

実は、この農家さんを繋いでくれたのが、後の弊社株主であり、顧問を繋いでくれ、このハウスの承継資金を出してくれた渡邉泰典さんです。後々、ちょこちょこ出てくる名前です。笑
いや、感謝しています。笑

半年間の研修後、一部区画で自社生産をスタート

2021年2月から研修がスタートし、半年間の従事したのちに、一部区画を1年間使わせてもらって自社生産がスタートしました。

いきなり全部を継承するというより、感覚を掴んでから継承しましょうという流れを作らせてもらって、早速ズッキーニの栽培にとりかかりました。

ズッキーニの選定理由は前回のnoteで話したので割愛しますが、この経験でハウス栽培の基礎的なところを習得。
ただ、1つ残念だったのは期限付きだったので土づくりが全くできず、ピーマンの栽培していたところにそのままズッキーニを植えて、1年間同じ畝で栽培を実施しました。

なので、成績は下の上ぐらい。それでも連作障害に悩まされることもなく、わたしたちの苗づくりと農実学がある意味で証明されてきていることを実感した瞬間です。

気合いのデッドファイナンス

さて、1年間、といっても宮崎の作物は梅雨がきたら大体終わりを迎えます。
ズッキーニも御多分に洩れず、梅雨が終わりの合図です。

梅雨がきて、栽培が終わり、そこから継承の交渉だなと思っていた矢先、事件は起きました。

実はこの継承に必要な金額は2,000万円。
設備はハウス80a、倉庫、堆肥社、機械、道具一式といったもの。
正直、かなりの格安です。新品で建てようとすると1億はかかろうかという金額。とはいえ、全ての設備は減価償却が済んでしまっていて、純資産価値だと400万程度にしかならないので、2,000万円はある意味妥当ともいえます。

少し余談ですが、この辺に農業の承継が難しいところがあります。
と、いうのも金融機関は減価償却で判断することが多いので、純粋に価値算定すると400万円になってしまう。

しかし、売主からするとそんな金額では売らない方がマシ、と結論づけられてしまいます。なぜかというと、じぶんで運用すれば1年間でそれ以上のリターンが見込めるからです。

しかししかし、そうやってずるずる先延ばしにすると後期高齢者に突入し、承継する人も気づいたらいない、なんて状況になってしまう。なんていうことがありそうだなぁと思った出来事でした。

突然のキャンセル。奇跡の一報。

さて、なので、この承継には「そもそも金融機関の融資は使えない」という条件がありました。なので、2,000万という金額はかなりのハードルの高さなのです。

そこで、代表は今年の初めの方からある企業からの融資を調整していました。現地もみてもらい、ある程度、okをもらってあとは会社決済を待つだけ。そんな状況まで整えていたのです。

しかし、6月ごろになり、どうやら融資が難しいとの連絡が。
急転直下、準備していたものがなくなり、どうしようかと思った矢先に、再び渡邉泰典さんが登場します。笑

唐突に連絡をくれ、個人である程度まとまったお金を貸し付けても良いよと。
それまでのぼくらの行動に一定の信頼性を寄せてくれていたのか、はたまた、博打がお好きなのか。笑
今でもわかりませんが、大変にありがたい申し出で、この融資をきっかけに他2名ほどからも個人からひっぱり、総額2,000万円のデッドファイアンスを実施することができました。

無事に契約締結、そして日本一へ

そうして、資金を集めることができ、2022年の9月に契約を締結することができました。

承継した1週間後に台風被害にあうというハプニングに見舞われることもありましたが、現在は、冬作に向けて出荷も始まり、順調な生育を見せています。
(Makuakeにてクラファンを実施しましたhttps://www.makuake.com/project/hijikata

これから3年以内にズッキーニ生産量日本一を確実に取りに行きます。
大型のクライアントも決まり、長野支店も作りに行く必要が出てきたのでこれから一気に加速度的に会社を大きくしていきたいと思っています。

今後のひじかたもどうぞよろしくお願いいたします。

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