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DXのよもやま話

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デジタルトランスフォーメーション(DX)に関するよもやま話です。
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記事一覧

デジタルニッポン2020を読み解く 防災編【人が見えない未来図】

デジタル庁創設の背景にある「デジタルニッポン2020」を読み解いていくシリーズです。このデジタル化戦略を抑えておくことで、日本政府(正確には自民党)がどういう方向に国を持っていきたいのかが見えてきます。 未来の方向性を知ることは大切です。いまからハンコ屋になりたい人はいないように、僕たち個人の行動も変わるかもしれません。 今回は「防災」編です。 ▼ 関連記事 デジタル庁の創設には緻密な戦略があった【思いつきじゃなかった】 デジタルニッポン2020を読み解く 教育編【先生

小説#04、良いシステムを広めたくない3つの理由

実体験にもとづく小説です。全文はこちらのマガジンから。 有名メーカーのお偉いさんからの障害報告が終わったあと、僕は動いているトラヒックモニタを実際に触らせてもらった。ネットワーク機器の設置場所を地図上でシンボル表示していて、高負荷になっている機器はシンボルが赤くなる。また、それぞれのシンボルをクリックすると、トラヒックデータがグラフになって表示される。 2020年の現在でいえば、tableauに代表されるGIS/BIに近いシステムで、ビックデータを準リアルタイムでグラフ表

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デジタルニッポン2020を読み解く 医療編【病院経営は聖域ではない】

デジタル庁創設の背景にある「デジタルニッポン2020」を読み解いていくシリーズです。このデジタル化戦略を抑えておくことで、日本政府(正確には自民党)がどういう方向に国を持っていきたいのかが見えてきます。 ▼ 関連記事 デジタル庁の創設には緻密な戦略があった【思いつきじゃなかった】 デジタルニッポン2020を読み解く 教育編【先生がいなくなる】 今回は「医療」編です。 デジタルニッポン2020 医療編まずは原本をコピペします。医療にはかなり多くのページが割かれていますので

小説#03 社内SEのお仕事とは?【楽ではないけど、楽しい】

実体験にもとづく小説です。全文はこちらのマガジンから。 超有名メーカーの部長・課長から平謝りされる経験からはじまった社内SE生活。先輩社員に話を訊くと、どうやら僕はある誤解をしているらしいことが分かった。 社内SEはプログラミングしない社内では「開発部門」扱いのため、自分たちでプログラミングをしているのかと思っていたが、そういう訳ではないらしい。システム開発は、システム利用企業が「こんなの欲しいんだけど」という要求をまとめて、SIerと呼ばれるシステム開発会社が「承知しま

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デジタルニッポン2020を読み解く 教育編【先生がいなくなる】

未来が予知できたらどれだけ楽になるのでしょうか。 もしコロナが予知できていれば、個人の力で感染拡大を防ぐのは難しいとしても、感染拡大前に株を空売りしてますし、落ち着いた後にビットコインにレバレッジ投資して、いまごろセミリタイアしてます(笑) しかし実際は、今日もよく分からない打ち合わせに同席させられ、ITのことを知らない上長たちに懇切丁寧にIT構築のイロハを教える不毛な日々を過ごしています。未来を予知できなかった結果がコレです。 未来を予知することはできません。できない

書評、無印良品は仕組みが9割【戦略5%、実行95%】

無印良品の会長による無印のV字回復の方法を教えてくれる書籍です。図解版とのことで、分かりやすく、本質的な部分がより明確になっています。 本書によると、無印V字回復を成し遂げた方法は、徹底的な業務のマニュアル化とのことです。僕はマニュアル仕事が苦手なので、マニュアルというと「ウザっ」と思ってしまうのですが、いろいろとタメになることが書いてありました。印象に残ったことを記録しておきます。 戦略5%、実行95% 戦略一流・実行力二流よりも、戦略二流・実行力一流の会社が勝つとの

小説#02 丸投げ、多重請負構造との出会い

実体験にもとづくフィクション小説です。全文はこちらのマガジンから。 「東京よ!!私は、帰ってきた!!」 東京駅の新幹線乗り場。心の中でアナベル・ガトーのように叫んでいた。 久しぶりに学生時代に慣れ親しんだ東京へと戻ってきたのだった。 僕は村上隆二。20代の青年だ。1年前に新卒入社した僕は大阪支社に配属させられることになった。学生時代に慣れ親しんだ東京から離れたくないという気持ちは強かったが、社命という事なので仕方がない。いやいやながらも大阪に赴任することになった。 し

EAの功罪#4 トランスフォーメーションが大事【業務を変えよう】

昨今、デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉が賑わっていますが、実は過去にも似たようなデジタル化を推進する潮流がありました。いま思い出すのも恐ろしい、そして、もう二度と関わり合いたくないエンタープライズ・アーキテクチャ(EA)です。 先般、EAというIT開発方法論の概要を述べて、こと日本企業においては組織力学が働くことからなかなか理想通りには行かないことをお話しました。一方でやはりEAは優れた教科書で学ぶべきことが多いことをお話しました。 最終回として、EA

小説#01 序文【DXで苦しむ方を一人でも減らしたい】

以前のエントリで「SE職場の真実」という書籍を紹介しました。そして、実体験には価値があるのではないかと結びました。 せっかくnoteというクリエイター向けのプラットフォームを利用しているので、僕も実体験をもとにした小説を書いてみようと思います。もちろん守秘義務がありますのでフィクションです。フィクションではありますが、僕が実際に経験したこと・経験から学んだことを共有することで、社会のDX化が円滑に進み、デスマーチに追い込まれる方が減り、消費者視点でよりよい社会を実現すること

EAの功罪#3 企業全体のウォーターフォール開発【そんなの無理】

昨今、デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉が賑わっていますが、実は過去にも似たようなデジタル化を推進する潮流がありました。いま思い出すのも恐ろしい、そして、もう二度と関わり合いたくないエンタープライズ・アーキテクチャ(EA)です。 先般、EAというIT開発方法論の概要を述べ、こと日本企業においては組織力学が働くことからなかなか理想通りには行かないことをお話しました。 EAの功罪#1 理想のIT開発論とその現実【普通の考えではうまくいかない】 EAの功罪#2

書評、SE職場の真実【DXに関わる全ての人に捧げる】

一冊の書籍を紹介します。 デジタル化だったりDXだったりが喧伝される中、今後もIT業界は「食いっぱぐれない」業界として有力なのだとおもいます。ですが、その業界構造は複雑怪奇です。渋谷ベンチャー的なスマートな印象とは裏腹に魑魅魍魎が渦巻く世界でもあります。 あなたのこれからのキャリアとして、ないしは、たとえばお子さんの未来を考える上で、IT業界の実態を知っておくことはムダにはならないと思います。この書籍は現場を生き抜いた者の生の声として、非常に解像度高くIT業界の実態を教え

消費者論理と供給者論理と【ふしぎなダブスタ】

久々にびっくりした記事を読んだので共有します。 いまどき転載・引用を禁止しているので引用はしません(なぜかTwitterボタンとかを設置しているけど)。ざっくりいえば、規制改革で地方の商店街とか交通機関とかが疲労しているので規制改革は失敗だった。んで、規制緩和に反対する人間を既得権益者と批判するのはいかがなものかということです。 というか、完全に既得権益ですよね。 大型店舗ができて地方の商店街が寂れたのは、消費者が大型店舗のほうに利便性を感じたからです。高速バスに新規参

EAの功罪#2 地獄への道は善意で舗装されている【誰も失敗を望まない】

昨今、デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉が賑わっていますが、実は過去にも似たようなデジタル化を推進する潮流がありました。いま思い出すのも恐ろしい、そして、もう二度と関わり合いたくないエンタープライズ・アーキテクチャ(EA)です。 前回、EAというIT開発方法論の概要を述べ、砂上楼閣で対艦巨砲なプロジェクトが何故か実施にまで進んでしまうお話をしました。 EAの功罪#1 理想のIT開発論とその現実【普通の考えではうまくいかない】 今回はそのつづきの「EA

技術力よりも人間力が大事だそうな【道は厳しい】

10月01日、東京証券取引所の株式売買システムであるarrowheadが故障し、株式売買が丸一日できなくなりました。いわゆる石原さとみショックです。 堀北真希ショック 日経平均 -895円 木村沙織ショック 日経平均 -298円 福山雅治ショック 日経平均 -714円 釈由美子ショック 日経平均 -203円 北川景子ショック 日経平均 -479円 優香ショック   日経平均 -582円 押切もえショック 日経平均 -307円 小倉優子ショック 日経平均 -1010円 石原さ