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【DeFi】 トークンの価格変動に伴うLPの価値変動を数式で表す(変動損失について考える)

はじめまして、イケハヤ仮想通貨ラボ(ICL)で仮想通貨、DeFiを勉強中のhiisunと申します。

はじめに

PancakeSwapやAlpacaFinanceなどにおいて、ファーミングの際に同価値の2つのトークンをセットにして市場に流動性を提供します(LP:Liquidity Provider)が、LPの価値変動や変動損失(インパーマネントロス)を意識することは、投資効率を高めるうえで欠かせないと思います。

せっかくファーミングで利益(金利収入)を得ても、LPの価値が下がるとLPの解体時に利益が減ってしまうからです。
(例えば、AlpacaFinanceのファーミングはポジションクローズ時に必ずLP解体を伴います)

どういうときにLPを組んでファーミングを開始すると、より効率的なのかについて考えてみたいと思います。

そのためには、狭義の変動損失よりも、LPの価値変動への理解がより実用的だと思います。

トークンの価格変動に伴うLPの価値変動を数式で表し、変動損失の概念に対する理解の助けになればと思います。

1.価格変動後のLP価値とトークン枚数の変化 (結論)


市場にAとB2つのトークンの流動性を提供するとします。

その後Aの価格がα倍、Bの価格がβ倍に変動したとします。

結論を先に述べますと


(1)LPの価値は √(α×β) 倍になります。

(2)Aの枚数は √(β÷α) 倍に、Bの枚数は √(α÷β) 倍になります。


2.式の証明を行う


流動性提供を行う際

LPの定義(ルール)

1) 2つのトークンは等価値にする

2) 2つのトークンの価格変動前後の枚数の積は変わらない


というのが決まりです。

式の証明を行う際のパラメータ設定を行います。

トークンAの価格をPa、トークンBの価格をPb

流動性を提供するときの枚数をそれぞれNa、Nbとします。

1) のルールから Pa×Na=Pb×Nb ・・・①

つぎにAの価格がα倍、Bの価格がβ倍になったとします。

枚数はそれぞれNa’枚、Nb’枚になったとします。


1) のルールから αPa×Na’=βPb×Nb’ ・・・②

2) のルールから Na×Nb=Na’×Nb’ ・・・③

①の式を変形して

 Pa=Pb×Nb / Na ・・・④

 Pb=Pa×Na / Nb ・・・⑤

③の式を変形して

 Na'=Na×Nb /Nb' ・・・⑥

 Nb'=Na×Nb /Na' ・・・⑦


⑤をと⑦を②の式に代入して

 αPa×Na’=β(Pa×Na /Nb )×((Na×Nb)/Na’)

整理して α(Na’)^2=βNa^2

Na’=√(β/α)×Na ・・・⑧

同様に

 Nb’=√(α/β)×Nb ・・・⑨

これで冒頭の結論(2)が証明されました。


また、LPの時価総額はもともと Pa×Na+Pb×Nb です。

価格変動後の時価総額は αPa×Na’+βPb×Nb’です。

⑧と⑨を入れて整理すると

 √(αβ)(Pa×Na+Pb×Nb) 

となります。

つまり価格変動後の時価総額が √αβ 倍になるということで結論(1)が証明されました。


3.式が見やすいように

Wordで記入したものをスクショして載せてみます。

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さいごに

難しい式はDeFiを楽しむのに必要とは思いません。

私はお金を増やすために、理論への一定の理解は必要と思っています。

自分の体感と理論が一致しているか確認したくて、このような記事を書いてみました。

数式が非常に読みにくくて申し訳ありませんでしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。




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