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「ゲーム脳」脳の恐怖

昔はよく「ゲームばかりしていると馬鹿になる」なんて言われたものです。
ゲームが大好きで隙あらばゲームしていた少年であるぼくはその無根拠な言説を否定してやりたくて、ゲームをたくさんしつつも学校の成績を維持することに情熱を傾けていました。
何となれば「ゲームをする方が頭がよくなる」「ゲームすればするほど頭がよくなる」まであるのではないかと思っていたのです。

現在では寄るIT化の波のおかげかゲーム自体を頭から否定する人はめっきり少なくなったような気がします。
プログラミングの需要の高まりから「子どもにゲームをきっかけにプログラミングを学んで欲しい」と思って学習塾の門戸をたたく親御さんも見かけるようになりました。

結局ゲームは脳に良いのでしょうか?

高学歴でゲーム好き

ぼくはYouTubeなどの動画サイトでよくゲームのプレイ動画を見ます。
主にレトロゲームの縛りプレイ動画などが多いです。
ぼくが好きな動画投稿者さんはなぜだか無駄に高学歴の人が多いです。
特に、RPGのやりこみプレイやマインクラフトのこだわり建築の動画を投稿するような方々は綿密に計算したり情報を集めたりしていて、ゲームのプレイ時間以外の時間に注力してたりします。そりゃ面白い動画ができるわけだ。

ぼく自身は一応旧帝大の出身ですが、周りの友達の中でゲームをやらないという人はほとんどいませんでした。(それはぼくがゲーム好きだからというのもあるのでしょうが)

もちろんこれらの事例は直ちに「ゲーム好きであれば高学歴になる」といえるものでは全然ないです。まずサンプル数が少なすぎる。次に相関関係が分からない。
実際、頭が良いとは言えない人たちもゲームにハマっているわけで。
(余談ですが○○すると頭がよくなる、系の記事を書くときに頭がよくない人とかそういう表現が使いにくくてつらいです)

頭がよくなるゲームとは?

頭の良さにはいくつかの定義があります。
IQ検査では「言語理解力」「知的推理力」「ワーキングメモリ」「処理速度」などの項目を評価します。

どれもある程度ゲームと関係がありそうな項目に見えます。少なくともぼくには。
これらの能力が高いとゲームではうまく立ち回れそうです。
ここでの論点は「頭がいいとゲームが上手い」ではなく「ゲームをすると頭がよくなるか」なのです。

検索してみるといくつか「ワーキングメモリを向上させるゲーム」というものが出てきます。

ワーキングメモリとはざっくりいうと短期記憶と情報処理を行う脳の機能です。
最近の研究によるとワーキングメモリはトレーニングによって改善できることが示唆されているようです。
スマホでできるようなタップ系のゲームでもある程度のトレーニング効果があるようです。
メンタリストDaiGo氏のDNB(デュアルNバック)などといったゲームがあるようです。

また、スーパーマリオなどのゲームをプレイすることによって認知症などの症状が改善したという事例も報告されているようで、脳にいい影響を与える効果はあると思ってよさそうです。

逆に頭が悪くなるゲームとは?

これはゲーム自体がというわけではないですが依存症のようになってしまうと頭が悪くなる危険性があります。
ゲームによっては単純作業の繰り返しを強いられる場面もあったりします。
そのような状況で脳へのストレスが高まると脳の働きは衰えて能力は低下してしまうようです。
なまじ、ゲームはBGMやUIが良いとついつい長時間続けてしまうものですが知らず知らずのうちに脳への負荷が溜まってないか気を付けないといけません。

あと、パチンコとかはゲームと言っていいのかわかりませんが単純作業度の高さのわりに依存度が高いので特に注意が必要です。

ゲーム脳とは何だったのか?

かつて「ゲーム脳」という言葉で「ゲームをすると脳が委縮する」「ゲームをするとコミュニケーション能力が低下する」といった風潮を作りゲームを批判した学者がいました。
思春期の多感な時期にぼくはそれらの学説にいい迷惑をこうむりました。
今なら自信を持って言えますが、「ゲーム自体が頭に悪い」ということはありません。
そりゃやりすぎだとかTPOをわきまえずとかになると話は別ですが。
頭を良くしたいのであればゲームを封印するのではなく、思考や勉強の環境や習慣作りをする方がよっぽど有意義だと思います。

いまだに「ゲームは悪」とか言っている人がいたらそれは「”ゲーム脳”脳」だと思います。


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