今村 猛 投手

初めて彼を見たのは、彼が高校生の頃。かつて春夏合わせても甲子園で優勝した高校がなかった我が故郷、長崎県に初めてセンバツの優勝をもたらした清峰のエースとして。(ちなみにその後も優勝した高校は無い。)

今やマリナーズで活躍する、花巻東の菊池雄星投手に前評判を覆して1-0で投げ勝った優勝戦は12年経った今でも覚えている。長崎に凄い投手が表れたと喜んだものだった。

この年の夏は長崎県大会で大瀬良大地がいた長崎日大に敗れ、甲子園には進めなかったのだが、そのおかげで大瀬良大地 vs. 菊池雄星の対決が実現していたというのも面白い。この大会は堂林翔太(投手)がいた中京大中京が優勝、明豊には今宮がいたり、当たり年だったのかもしれない。

その2009年のドラフト1位でカープに指名され入団。初めの頃は先発で投げていた。当時マエケンと比較されたりもしていたが、性に合っていたのか、気がつけば中継ぎが主戦場。日本代表にも選ばれた2013年のドラフトで、大瀬良大地がカープに入団する事になるのはこの2人の縁なのか。

当時、肩か肘かを酷使したのか少し調子を落としていた今村が、三連覇のタイミングで復活できていたのは大瀬良の影響も大きいのでは、と思っている。

どんな場面でも表情ひとつ変えずに淡々と投げていたイメージを良く耳にするが、個人的には中継ぎを始めたころ、ピンチで怯えたような表情を浮かべていた頃が微笑ましく思い出される。その後、感情を表に出さなくなって頼もしく思っていた。それでも、どこかホッコリさせてくれる投手だった。トンボが帽子に止まってたこともあったなぁ(笑)。

ファンから見ると突然の戦力外通告。部外者には計り知れない色んな事情があるのだと思う。残念だし、寂しい。50年生きてきたが、プロ野球選手の戦力外通告で涙が出たなんて、初めてのことだ。勝手に応援して、勝手に涙するただの1ファンから言えるのは、「今村猛はこの10数年の間、僕の人生を豊かにしてくれた」ということ。そう思うファンは多いと思う。投げる姿やそのボールの球筋は勿論のこと、彼の朴訥とした感じや、伝え聞く人柄がとても好きだったし、一軍で見れない時でもいつも気になっていた。今後どうされるのかはわからないけれど、ひとまずお疲れ様でした。水本さんとことか拾ってくれないかなあ、、。

戦力外通告のこの日、今村の登場曲が大瀬良と堂林の登場シーンで流れたのには胸が熱くなった。良い仲間たちと戦ってきたんだなぁ。

これまで本当にありがとうございました。心から感謝しています。

背番号16のビジターユニフォーム、今更だけど、オーダーしました(^^)。

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