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「存在証明の旋律を」黎明ジャンヌダルクレビュー

はじめに

こんばんはひいろです
遂に出ました神使轟く、激情の如く。の新曲、「黎明ジャンヌダルク」
今回も神激らしさ全開のこの曲について細かいところまで偏執的に書いていこうと思います
今回まだそんなに各パート分けが脳内で完了していないのでその辺りはあまり触れません先に逃げておきます

イントロ

出だしはリヴァーヴ感のあるギターアルペジオフレーズとピアノをゆったり目のリズムシーケンスから
今回は最近の傾向とは違ってしっかりとイントロを設けていますね
曲頭にMCする際にループで使いそう、というか使っているような気も

0:20から2段階目のイントロが襲い掛かります
ダウンピッキング主体のブリッジミュート混じりピッキングハーモニクスかましの縦ノリ感満載のパートで一気にテンションを天元突破させてきますね
この段階で心の臓を射抜かれるくらい好みの曲であることが確定しました本当にありがとうございます
0:27あたりまでくるとドラムビートも怒涛のブラストで完全にこちらを「殺り」にきていますがなんとさらにもう一段変化するからたまりません

0:30からまさかの3段回目に突入
2段階あるイントロは割とお見かけしますけどまさかもう一段変身を残しているとは……
タッピングを絡めたリードフレーズですかねこの感じは
フレーズは結構小洒落た感じなのにめちゃくちゃ音色が凶悪なのと裏でなってる他の楽器が荒ぶりまくっててブルータルな感じにまとめられていてここも脳汁出るパート
イントロの段階でこんなに楽しんでいていいのでしょうか不安……
地味に48秒もイントロあるの珍しい気も(他の曲未確認だけど最近はわりとすぐ歌入する印象)

Aパート

ここもダウンピックのリフ主体でザクザク刻んでいて気持ちがいい
ドラムパターンが目まぐるしく8ビート主体→裏打ち主体→ブラスト気味と移り変わることでタイトなリフとのコントラストになっていますね
歌がソロ→デュオと繰り返されるところも鉄板ですが聴いていて好きになるところだなと

ラップ1

s音とch音で細かく押韻していて耳にサクサク刺さってくる感じが心地いい高速ラップ
1:11付近のギターフレーズ左右のユニゾン具合が狂おしいほど好き
何回かライブで聴いていますがここで毎回「ああ、また腕あげたよな、めちゃくちゃ切れ味鋭くなってる」って感じる

Bパート

ことのさんの聴き応えある上昇フレーズから
裏のストリングスがロングトーンとスタッカートなフレーズと2種類なってるのが芸細かいですよね本当に
「昇る」に絡めてドラムインしてくるところでハッとなり、サビへ向けて爆進するが如く縦に刻むリフに力強い歌詞と歌声が乗る熱い展開
「存在証明のメロディ」であまねのグロウルを被せながらそれに負けない太さのクリーンを入れられるところに確かな歌唱力を見せつけられた気分でございます

サビ1

はいここでもう完全にきましたシンコペーションマシマシな演奏と切ないメロディ、これこそ王道
何回も何人もの人が言及し尽くしてはいますが、この一度聴いたら忘れられないキャッチーでシンプルに格好いいメロディのサビが神激の真骨頂です
どんなにヤバい複雑な構成やリズムパターンを取り入れても絶対にここがぶれないので全曲神激としての統一感が生まれているんだと思います
2段階のメロで1段目は力強く2段目は憂いを感じさせるようでこの短時間で感情が揺さぶられます
「謳うよ」でロングトーンを奏でる裏の演奏が地味ながら熱いポイント
2段目の「もっともっと」を儚く歌って〆ているところも美しい余韻があって好きなポイント

間奏部

イントロの3段階目と基本構造は同じな気がするけど〆がより暴力的なフレーズを詰め込まれている気がする
ラストのところ譜割り全くわかりません

Aパート2回目

メロディ自体は同じだけど1回目ではタイトに大人しかったギターが暴れる部分がちらほらあるしドラムの手数はあからさまに増えるし
単純な繰り返しはしないという強い意思を感じますね
「悔いのない」の入り寸前で入るフィルがとても耳を惹くと思う
「死際にまだ息をしてたいと願うほど綺麗なThis World」というセンテンスの重さ
個人的な経験を経たからこそ出たであろうこの一文を、世に放つことが出来ることが、作詞家生牡蠣いもこが表現者である証なんだろうなと
取り入れたものを外に吐き出さずにはおけないある種の凶暴性と強迫性、鬼気迫る表現への欲求を見せつけられたように思います

B'パート+ラップ2

単純な繰り返しはしないんですよね
象徴的な「感情表現のメロディ」の旋律は残しつつ、フックのあるメロディで変化をつけつつ別パターンのラップも混ぜていく欲張りなパート
こちらのラップはゆったりとしたノリで押韻が波のように寄せては返していく感が気持ちいい
「古いスタイル」と「フリースタイル」で韻踏むの滅茶苦茶かっこいいな

サビ2

まさかの別メロ
高音域に張り付いたような張り上げ感がサビ1とは違った表情を見せていていいですね
サビのメロディを2パターンで悩んでたけど結局両方入れて整えてしまった的な話を小耳に挟んだような気がします
「mesia」は誤植なのか何か隠語なのか(2023/03/30現在)
〆の「ジハードを」の歌い上げがとてもいいと思いますここだけ他で狂ったように鳴っていたドラムが一瞬だけ4分音符で刻むのでより映えているなと

ブレイクダウン

やけくそツーバス連打からの変態テクニカル系フレーズが炸裂します
ごく短時間ですがエグい情報量を流し込まれた気分になります
ここ書くために繰り返し聴いていたら脳に負荷を感じたので危険なパートかもしれません

ポエトリーシャウト

もはや躁鬱の権化みたいな儚いポエトリーと発狂系シャウトを1人2役する荒技パート
ここの切り替え滅茶苦茶高度ですよ皆さんシャウトとクリーンを短スパンで切り替えるのって技術的にも難しいしテンション感も乱高下だし
涙染あまねに拍手ですね
裏の演奏も極上
入りのアーミングからの激烈に泣かせまくるロングトーンフレーズ目白押しでクサいギターフレーズ好きな人はここだけで1年くらい何も喉が通らなくなるかもしれません感無量で
進むにつれてテンション感増すように暴れだすドラムはもはやお約束
「威風堂々道をド真ん中切り裂いて」の爆走具合には思わずニッコリしてしまいますよね
「裂いて」がメロデス節の効いたキシャーシャウトで嬉しさ倍増
あと「約束の丘」という伝統と信頼のフレーズを遂に甘受しましたのでこのまま一生神激に憑いていきたいと思います本当にありがとうございます

Cパート

しとしと降り注ぐようなピアノに乗せた切ないメロディからバンドインと共に力強いフレーズへとつながっていくところが、1曲中でもう何回目になるかわからない激アツポイントですね
最後のメロがサビ1の〆と同じなのもいい演出

ラストサビ

サビ1と2両方をブチ込んでくるまさに最後の総仕上げ
サビ2は1回目の登場時だと予想を裏切ってきた唐突感が若干あった気がしましたがここにはしっかりと収まっているなと
「待ってたって祈ってたって」を1回目2回目で別メンバーが担当しているのか割と感じ取り方が違って聞こえるなと
その後の「ジハード」も「を」を省いた分でストレートに上へ突き抜けるように高音へ達していくのでいいですね

ポエトリーラップ

〆は今まで神激にはなかった感じのポエトリーとラップの合いの子
今回ポエトリーが多く取り入れられていて、よりいっそうメッセージ性を強く打ち出したいというのを感じましたよね
やはり作詞者にとって無視できない大きな出来事を経験したのがつながっているのかなと
この表現への衝動を見ていると、今後一体どんな素晴らしいモノが出てきてくれるんだろうという期待が高まります
「黎明ジャンヌダルク」という曲は「勝つまで」「眠れそうにない」という身を吐き出すような彼女たちの表現への決意表明なのかもしれないなと、繰り返し曲を聴きながらここまで筆を進めていて思いました
その決意に我々受け手側も全力で受け止め噛み砕き次を渇望し続けることが礼儀かなと思っています

おわりに

ということで簡単に感想を書き連ねてみましたがどうでしょうか
個人的に神激の楽曲の中で割と上位に入る曲になりそうな気がしています
これからライブでどのように成長していくのかも含めて楽しみですね
去年の3月31日に武道館講演が行われてからまもなく1年が経ちますが、この「黎明ジャンヌダルク」という曲名が発表されたのも同じ日でしたので同じく1年が経ったことになります
1年前の段階でどれくらいの骨子が決まっていたのかはわかりませんが、なんとなくその時と思い描いていたジャンヌダルクの姿とは少し違う、新たな表情をした乙女が誕生したのではないかと思います
これを書いている時点ではまだMVは解禁されていないのでそちらも楽しみですね
それではこのへんで
お読みいただきありがとうございます

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