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連なる屋根を駆ける

海外の特徴的な街並みの屋根を飛び跳ねながら犯人を追う行為は、映画のワンシーンとして強烈な印象を放つ。千住の連なる屋根を見つめるとこの映画を思い浮かべる。いつか千住の屋根を走り回ってみたいと、不謹慎な思いは承知の上で考えてしまう。

この狭く連立する屋根を一思いに駆け回る行為は、千住に住んでいる人々の共有意識に似ている。もともと狭い土地をお互いにひしめき合いながら住宅が建てられており、明確に線引きできずに共有されている部分が多い。家と家の隙間は、抜け道やその奥の住宅のアプローチとして使われており、路地はどちらかというとみんなと道路という感じで使われてきた経緯がある。

路地を共有しお互いに、そこに生活の一部を開放するその考えは、場合によっては屋上につながり、屋上のつながりは防災のアイデアにつながっていく。空き家や植栽等と合わせて、今よりもより強く、地域とつながる街のすがたを探りたい。


北千住島プロジェクトnote上でお届けしている島プロ ライドオン。今年のテーマは『今だからこそ1010宅論』です。 その5は、2020年10月8日にアップされました。

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