住宅をまちに向かって開こう!!
数年前に参加したアートプロジェクトで在日フィリビン人の方に住まいについてヒアリングを行った。国や文化によって家や住み方には違いがあるが、フィリピンの住まいは、キッチンが2つあり、庭や道路に向かって開かれたリビング(パブリックスペース)には、近所の知らない人も含めて多くの人が出入りし、にぎやかな食事をとる。寝室とは家族で過ごす部屋をさし、大きなベットがいくつか並べられ、例え子供が大きくなってもみんなで川の字で寝る。ちょっと前まで日本の住宅でも行われていた豊かさがそこにあり、とてもうらやましくなった事を覚えている。
もともと千住は路地に対し、格子戸を使って間口の狭い居室に光を入れていた。外と住宅の関係は開けひろげられた玄関戸とタタキによって、外部(ひろば)につながり、近隣と直接繋がってた。まちと僕らの生活は、より繊細で小さなコミュニティによって守られながら、都市に向かって緩やかに開かれてきた。これは、フィリビンのコミュニティに負けない下町文化の豊かさでもある。
家とは本来生活を楽しむためにつくられるべきもの。ならば、フィリビンや千住の住まいのように、まちに向かって家を開きたい。千住の住宅地には個とパブリックの関係がまだそこに残っており、まちのしつらえを含めてその「ちょうどよい」関係のが、千住の宝のように思える。
明日は【出来事の先にある街のリテラシー】です。
この投稿はFacebookページで2018年8月4日に投稿されたものです。1週間でお届けする島プロライドオン〜《千住のひろば》その6です。
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