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フィラメントの番人

今日は明かりの話です。
まちをよくみると、場所によって明るさや色彩の違いを感じることができる。路地の多い街は通路や建物の隙間に影が落ち、その光と影のコントラストから、時間や季節感など明るさに対する感覚が研ぎ澄まされていく。影は、適度な湿気と涼をまちに運び、路地裏の雰囲気を形成する。
千住島は、緩やかではあるが中心に人が多く集まり、その外周部へ向かうに従い、裏千住や奥千住という言葉がうまれるように、領域のグラデーションによる影の強いエリアが存在する。
ある一部のエリアでは、明るい時間から照明がつけられる。
最初は不思議に思ったが、よく考えてみると自然な事とも思えてくる。ただし街を照らす照明は、明るさの強い蛍光灯ではなく、色温度の低い電球が使われている。なるほど!
影を柔らかく照らすフィラメントの光。路地裏に最も合う風景に思えてならない。なので路地裏で電球の街灯を守り続けている人たちは、最も光と影に敏感な人たちに思えてきた。この美しい風景を、守り続けて欲しいと本気で思う瞬間だった。

明日は、〜はみだす力 です。

この投稿はFacebookページで2017年7月26日に投稿されたものです。1週間でお届けする島プロライドオン〜《俺の路地学》その3です。



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