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NEEDY GIRL OVERDOSEから突きつけられた現実

 にゃるら氏がシナリオを作成したゲーム「NEEDY GIRL OVERDOSE」通称ニディガ。
 承認欲求強めな女の子であるあめちゃんこと超絶最かわ天使ちゃんを最強のインターネットエンジェルに導く生活を描くマルチエンディングADVである。
 発売は1年前で先日、売り上げ本数が100万本を突破するほどの人気を博した作品だ。
 自分も発売日に購入して、追加シナリオまで全てやり、トロフィーもコンプリートしたほど。とても面白いゲームでまだやっていない人がいるならぜひプレイをしてほしい。

 そんなニディガをプレイしてから、私は彼女にとても心惹かれてしまった。
 自分とどこか似ている、そう思える箇所がいくつかあってとても共感出来るのだ。
 友人と会話が合わない、精神的病、オタク、女児アニメが好きなどなど、自分と重なる部分がいくつかあって、とても嬉しく思えた。

 しかしそんな彼女が自分と同じだとは思えなかった。

 作者であるにゃるら氏の投稿記事を見ると、日本人は「似ている」と言ってくれる方が多く、中国人は「彼女は私と同じだ」と思う人が多い様子。

 自分も同じだと思いたかったが、彼女と私ではあまりにかけ離れていた。
まず何より容姿だ。自分は特別容姿に自信はない。むしろ、兄の方が圧倒的にかっこいい。
超てんちゃん、いやあめちゃんはこの容姿に自信があって顔のいい女を自称している。
これがまず1つだ。

 そしてあめちゃんは頭が悪いと言ってはいるが、実際は頭がとてもいい。
 以前、精神科医がプレイするニディガにおいてあめちゃんは9割9分頭がいいと思っていてその代わり一般常識が欠けているからそこで頭が良くないと言っていると考察していたのだが、実際ゲームをしていると彼女は頭がいいのだろうということがとてもわかる。
 一般常識は欠けているかも知れないが、言葉を紡ぐ才能や言葉選びが秀逸で引き込まれる話し方が出来ることは自分とは違う、天才なのだと感じさせられた。
 

 自分とどこか似ていると思いながら、容姿や頭脳で圧倒的に差がある。自分は容姿は良くないし、頭も良くない。
 中学までは成績優秀で少し、周りに比べて優秀なんじゃないかと思ったこともあったがそれは兄の真似をしてやったら上手く行っただけであって自分自信は木偶人形にすぎなかった。
 兄にこの話をすると嫌がると思うが、出来た兄がいたのは嬉しい反面、自分にはとても眩しすぎた。

松本陽介先生の「その淑女は偶像となる」の一コマ、ニディガをプレイすることでこのセリフを思い出す。


 こんな超てんちゃんを見ていると、自分はなんの才能も持っていない社会置いてけぼりクソ低スペックゴミカスニートだという現実が突きつけられ、より辛くなった。面白い話も出来ないし、魅力的な容姿でもない。知識は浅く、精神疾患もあるかどうかわからない中途半端で。
 ただのダメ人間という現実がプレイすることで浮き彫りになった。

 彼女はピに支えてもらっていたが、実際は1人でやっても上手くいってしまう。(ネタバレになるので多くは語れないが)彼女は才能の塊で、自分とは全然違う。
 だからこそ、私は彼女に似ているとは思うものの同じとは思えなかった。

 自分も超絶最かわな女の子であったなら、きっと彼女を見て同じだと思えたのかも知れないがそんな運命はないし、もしもボックスもないから叶うはずもない。

 インターネットエンジェルの毒電波に救ってもらおうとプレイしたゲームで救われず、インターネットヒーローの配信で現実を突きつけられ、四方八方塞がりの人生。
 止まない雨はないとはいうけれど、止んだ後が晴れる保証もない。結局自分を救えるのは自分自身で、晴れた空をいつか見たいと微かの希望を持って、こうしてまた無駄に時間を浪費して生きていくしかないのです。

†昇天†

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