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【凱旋門賞2022】有力海外馬紹介

➀はじめに

今年も凱旋門賞の季節が近づいてきてまいりました。
第101回を迎える今年の凱旋門賞で日本からは

凱旋門賞が要求するスピード&スタミナを持ち2200mで実績があり、血統的にもチャンスがあるタイトルホルダー

高い操縦性が武器で2400mの日本ダービーを勝利していて、凱旋門賞で有利な3才牡馬であるドウデュース

前年の凱旋門賞に出走経験があることや同舞台で行われるフォワ賞で勝ち星があるディープボンド

海外実績が豊富でどんな展開でも勝負できるバツグンなスタミナを持ち、ドーヴィル大賞から凱旋門賞に向かう異例のルートで勝負するステイフーリッシュ

の出走馬は過去最高出頭数の4頭が出走します。


ただそれでも強力な外国馬や日本とは違うパリ・ロンシャンの馬場が今年も立ちはだかってきます。
そこでこの記事では日本馬のライバルとなる強力な海外馬を紹介していこうと思います。日本馬に関しては多くのテレビ番組や記事などで紹介されていますので、この記事ではライバルである海外の馬に焦点を当ててみました。出走する海外馬を知ることでより凱旋門賞が楽しくなると思いますのでこれを読んで凱旋門賞への機運を高めてまいりましょう!


②凱旋門賞とは

凱旋門賞(G1)2400mの舞台 パリ・ロンシャン競馬場

凱旋門賞とは今年101回目の開催がされる世界で最も権威の高いレースです。
その歴史は1920年まで遡り途中に第二次世界大戦での中止がありましたが2022年まで101回の開催が行われています。ヨーロッパ最大の競馬のイベントであり当日は多くのお客さんが正装で競馬場に来場しています。 

また日本競馬界の最大の悲願でもあります。
日本からは1969年から計27頭25回の挑戦をしていますが最高順位が2着と未だ勝てていないレースです。過去参戦した馬にはエルコンドルパサー、ディープインパクト、オルフェーブルといった日本競馬界でもトップの実力を持った馬も参戦していますがそれでも勝てていない非常にレベルの高いレースです。

凱旋門賞の解説に関しては先に紹介する動画と記事をみたらより理解度が深まるので是非見て下さい!

そして筆者が個人的に思う凱旋門賞で特に重要なポイントは

ヨーロッパ特有の重い馬場にタフなコース
2400m系のレース実績

だと思います。

凱旋門賞は数あるヨーロッパの中でもかなりタフな部類に入ると思います。
その理由は舞台となるロンシャン競馬場のコースです。
ロンシャン競馬場はスタート後400mから徐々に坂があり3コーナーまでその坂が続きます。高低差は約10メートルでこれはマンションの3~4階の高さと言ったら想像がつくと思います。また”フォルスストレート”と呼ばれる最後の直線前に250mほどの直線で坂で疲れた馬にさらにダメージを与えます。

そしてこれらのハードなコースにヨーロッパ特有の重い馬場があります。
日本の馬場で使われている芝は茎が短く密集度もそれほどないため水はけがかなり良いです。
逆にロンシャンの馬場の芝は見た目よりも茎が長く密集度が濃いため水はけが悪く、またこの時期のパリは平均的に雨が降るため週末に行われる競馬では多くの水を含んでいる状態で行われるのが基本です。
これらの理由で日本馬がそもそも向いていない馬場でのレースでその中でもタフなレースですので勝つことが難しいといわれています。

もう1つの理由として2400m系のレースの実績がとても重要だと思います。
凱旋門賞は2400mのレースですが過去の勝ち馬でも2400mのレースを勝ったことが無く勝った馬は1990年のソーマレズが最も新しく、実に約30年の間2400mでの勝利が無い馬の勝ち星はないのです。
またヨーロッパ系の馬は2400m系のレースにめっぽう強くアメリカのブリーダーズカップ、ドバイのドバイシーマクラシックなど世界で行われている2400m系のレースでは多くのヨーロッパ系の馬が勝ち星を挙げています。
さらに過去2着から4着に入った日本馬はほとんど2400mでのG1勝利があります。唯一の例外であるナカヤマフェスタですが2200mの宝塚記念の勝利後に凱旋門賞でアタマ差の2着という非欧州管理馬で最も凱旋門賞勝利に近づいた瞬間を創りました。

このように凱旋門賞はタフなコースに重い馬場がありながらそれらを得意としているヨーロッパ馬を相手にしなければいけないレースという日本馬にとっては非常に厳しい条件で行われるレースなのです。


③ヴァデニ

戦績:8戦5勝【5-0-2-1】
主な勝利レース:22‘フランスダービー(G1)(ジョッケグラブ賞)2100m
        22‘エクリプスS(G1)1990m

ヴァデニは3歳ながらすでにフランスダービーとエクリプス賞の2つのG1を勝っているこれからのフランス競馬を引っ張る存在の馬です。
その強さの特徴は重馬場適性の高さです。
重馬場では4戦2勝のうち3着2回と成績が良くフランスダービーでも重馬場で勝っていることから適正の高さがうかがえます。そのフランスダービーでは序盤は先頭集団の後ろにつき最後の直線で他馬を突き放すお手本のような競馬で勝利しています。(ヴァデニは2番ゲートから出走)

また凱旋門賞では3歳牡馬は斤量(競走馬が走る際に背負う重量。ジョッキーの体重と鞍の合計重量が規定されている斤量を下回らなければいけない。)
が56,5㎏と4歳以上の牝馬58kg、4歳以上の牡馬59,5㎏に比べると有利な条件にあるのも追い風でしょう。

不安要素としては2400mの経験が無い事ですね。
まだ3歳馬ですので可能性が多い反面データが少ないため距離適性の部分はパリ・ロンシャンの2400mが通用するとは断言はできないと思います。
ただ重馬場や不良馬場といった馬場が荒れていることが基本の凱旋門賞ではこの重馬場適正は無視できない存在だと思います。


④ルクセンブルク

戦績:【5-0-1-0】
主な勝利レース:アイルランドチャンピオンS(G1)2000m
       イギリス2000ギニー(G1)1600m

ルクセンブルクはおそらく凱旋門賞で1番人気になると思われる1頭です。
現在3歳で今年のイギリスクラシックの本命馬の1頭でしたがケガによりクラシックを断念してしまいました。
ただケガ明けのアイルランドチャンピオンSではオネスト、ヴァデ二、ミシュリフと凱旋門賞出走馬を倒していたりとその実力は折り紙付きです。(ルクセンブルクは4番ゲートから出走)

またその勝ち方もケガ明けとは思えないほど強い勝ち方だったことや前述したヴァデニのように3歳牡馬なため斤量有利なことが人気が高い要因だと思います。

さらに厩舎もヨーロッパの名門厩舎であるエイダン・オブライエン厩舎所属であることも人気を加速させているのだと思います。
オブライエン調教師はアイルランドを拠点にしている調教師でこれまでアイルランドで23回、イギリスで6回のリーディング・トレーナーに輝いた実績があります。また現在平地G1の年間最多勝利記録を持っておりその数は28勝で凱旋門賞も2度勝っています。


⑤アルピニスタ

戦績:【9-2-0-3】
主な勝利レース:ヨークシャーオークス(G1)2370m
        サンクルー大賞(G1)2400m
        バイエルン大賞(G1)2400m
        オイロパ賞(G1)2400m
        ベルリン大賞(G1)2400m

アルピニスタは現在G15連勝、重賞を含むと7連勝と実績は今回の凱旋門賞でもトップクラスの1頭です。
特徴としてはとにかく2400m系のレースにとても強くG1ですと6戦5勝2着1回、アルピニスタの全レースですと9戦7勝2着2回と圧倒的な成績です。
また馬場の適正はまんべんなく前走のヨークシャーオークスでは斤量61㎏でも勝利したりと不安要素が全く見えない馬でもあります。(アルピニスタは4番ゲートから出走)

また凱旋門賞は牝馬が強い傾向があります。
ここ10年の牝馬の勝率は6勝と半分以上は牝馬が勝っています。ただアルピニスタのような5才牝馬が勝ったのは1937年のみでここでアルピニスタが勝ったら実に85年ぶりの快挙となります。


⑥トルカータータッソ

戦績:【6-5-1-3】
主な勝利レース:凱旋門賞(G1)2400m
        バーデン大賞(G1)2400m
        ベルリン大賞(G1)2400m

去年の万馬券馬が今年はディフェンディングチャンピオンとして参戦します。
トルカータータッソは言わずと知れた去年の凱旋門賞勝利馬で13番人気の1着でオッズ110倍という万馬券を作った馬です。
特徴としては重馬場にめっぽう強く去年の凱旋門賞でも近年まれにみる重馬場でも最後の直線ではとてつもない末脚を発揮してドイツ管理馬では初の凱旋門賞勝利をしました。(トルカータータッソは12番ゲートから出走)

また去年の凱旋門賞でトルカータータッソに騎乗したピーヒュレク騎手は同じドイツ人で日本に短期免許で何度か来日しているフィリップ・ミナリクさんの馬具を使って凱旋門賞に勝利しました。
フィリップさんはドイツのリーディングジョッキーに4度もなるほどの優れた騎手だったのですが2020年に落馬事故で生死をさまようほどの大怪我をしました。幸い現在は日常生活は問題ないほどに回復しましたが騎手としてはキャリアを断念しなければいけませんでした。
その時の状況についてや日本への想い、騎手という職業が持つ危険性についてインタビューで話しているので興味がある方は是非ご覧ください!


⑦他の外国馬や今年の日本馬の可能性

今まで紹介した海外馬の他にもパリ大賞(G1)2400m1着、アイルランドチャンピオンSでルクセンブルクの2着となったオネストは距離延長がプラスに働きそうですし、アイルランドダービー(G1)2400m1着を始めG1で好走しているウエストオーバーなど無視できない存在は多くいます。

その中で日本馬がどれくらい活躍できるかですがおそらく、
”昨年よりいい活躍はしそうだが、十分今年の凱旋門賞も厳しい”と個人的には思っています。

今年の日本馬のメンツの強さは平均値は過去最高だと思います。
また現在芝平地世界最強馬バーイード、去年の凱旋門賞1番人気3着でG13勝馬ハリケーンレーン、前年凱旋門賞4着でイギリスダービー馬のアダイヤーといった参戦表明していた馬たちのレベルがダンチに高く、その馬たちが出走取り消ししたことで今年の凱旋門賞は例年と比べて出走馬の強さが落ちているんじゃないかと思っている人は多くいると思います。

ですが今まで紹介していた馬たちを見てみるとアルピニスタやトルカータータッソといったヨーロッパの芝2400mに対応している力のある馬が今年も多く参戦しています。
例年よりは日本馬にチャンスはかなりあることは事実ですがそれを踏まえても今年も厳しい戦いになると思います。


⑧おわりに

今回の記事はいかがでしたでしょうか!
凱旋門賞の馬券購入に関してはJRAが行っている海外レースの馬券購入用のサイトを張っておきますので興味のある方は是非チェックしてみて下さい!
またテレビやラジオ中継も今年も行いますので競馬に興味が無い方も是非テレビなのでチェックしてみて下さい!

宣伝になりますが筆者は普段は格闘技についてのnoteを書いていますので、今回で初めて筆者のnoteを読んだという方はそちらもチェックしていただけると大変うれしいです!

世界最高のレースをこの目で焼き付けましょう!

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