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薄野小噺 #12 ちょっと昔のウイスキー事情。

ジャパニーズウイスキーが品薄になった当時の話です。
竹鶴の17年、21年が品薄、白州の12年、響の17年が休売と相次ぎ、ジャパニーズウイスキーのエイジ物(年数の入っている物)が市場から消えている昨今、困っているのはスナックのママさん達です。
 
とはいえ、
 
どこのメーカーさんも手をこまねいているだけではありません。
消えたジャパニーズの代わりにスコッチのエイジ物を推したりなんだかんだやっておるわけですよ。
響に関しては17年の代わりに、ちょっとエイジを若くした『ブレンダーズチョイス』というものを代替品として販売しております。
 
ですが、
 
無いとなると欲しくなるのがこれ人情、多少高くてもジャパニーズのエイジ物が欲しいというお客さんがいらっしゃるそうです。
そう言われると探さざるを得ないのがママさん。
すがるような目で頼まれるのが我々酒屋でございますよ。
 
でもね、
 
希望を叶えて差し上げたいのは山々なのですが、無いものは無いんです。
しょうがないので洋酒になるのですが、メーカーさん公認でちょっとしたオマケがついているものをオススメするわけですよ。
すると大体

「お客さん、洋酒は嫌がるのよー」

なんて返ってくるんですよね、えぇ、わかります。
響に関しても

「年数が入ってないとちょっと……」

で、ですよねぇぇぇぇぇ!
そんな中、たまにスナックのママさんがため息混じりに言います。
「どうせ味なんてわかって飲んでないんだからさ、側だけエイジにして中身詰め替えちゃおうかと思っちゃうわよ」
まぁ、ボトル売りの時は封がしてある物を出すなので無理なんですけどね。
 
とまぁ、
 
ススキノに飲みに来る皆様、洋酒でも美味しいものはたくさんあります。
ジャパニーズに関しては状況が状況なので、しばらく他のものを楽しんでいただけたらと思っております。

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