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『レビー小体型認知症とは何か』書評

文筆家で高次脳機能障害当事者の鈴木大介さんが、
「webちくま」に書評を書いてくださっています。

→【「正しく診断を得る」ための最良の一冊】by 鈴木大介さん

以下は、その中からの抜粋です。

【•••領域を超えて「あらゆる高齢者に接するあらゆる職域の人々」が、本書に一度は目を通してほしいという切望、そして本書がそうした高齢者を支援する現場の読者にとって「安心して読める一冊」でもあることも、濃く印象に残った】

【読むにつれ医療職支援職が感じるのは•••これまで支援が困難に感じたケースや理解の難しかったケースにも、そして「どこにつなげるか」で悩んだケースにも、やっと明瞭なヒントを得たという安堵。 そして今後自身の職域で一層当事者の力になれそうだという予感だろう】

【内門は、レビー小体の蓄積は老化によっても起きることであり、今後の超高齢化社会の中でレビー小体病は増えると言及。65歳以上で原因不明の体調不良があった場合は、たとえ認知機能に問題がなくてもレビー小体病の可能性を考えて、経過を含めて見ていく方がいいと語る】

【「進行が速い」とされてきた•••、実際には適切な投薬で症状を緩和したりストレスマネジメントを試みたりしていくなかで、かなりの長期間QOLを保って人生を送ることのできる••• 本書は「レビー小体病 が疑わしいと、気づく視点」を立ち上げる初めてにして最良の一冊となるに違いない】

【樋口は••多くの当事者の訴えを素材に、一層レビー小体病を深く知りたいという探求心で内門に問いかける。 ••内門はそんな樋口の問いに応えつつも、当事者がその症状をどのように感じているのかについての探求心で樋口に返す。淡々としたやり取りの底に流れるのはあくまで双方の探求心の応酬だ】

【高次脳機能障害 を社会に発信する際、とにかく未診断無支援という悲劇だけは勘弁してほしいと切実に訴え続けているが レビー小体病 を取り巻く状況は一層深刻に違いない。 レビー小体病は••ゆっくりうっすら症状が現れるところから始まる病気だから。••まずは誤診や未診断からスタートする】



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