琴線に触れた

はじまりはどこだったんだろうと、ふと思い返してみた。辿れる所まで辿るのであれば、櫻坂46の推しメンであった原田葵ちゃんの卒業からはじまっていたのかもしれない。
様々なことが重なって、心がぐちゃぐちゃになって、自暴自棄になっていたあの時期から、もう。

初めて、自分で稼いだお金でめいいっぱい応援できた推しメンの卒業。
失う前から大事な存在であることは分かっていたけれど、自分が思っているよりずっとずっと存在に救われていたことを思い知った。

だけどそれ以上に、彼女の卒業がきっかけで欅の結成当時からずっと応援していた櫻坂への関心が低くなっていくことがたまらなく怖かった。
生活の一部だったものが、どんどん離れていく。でも、離れていくだけだった。元々心の中に櫻坂がしめていた場所はすっからかん。

そのおかげと言うべきなのか、何とかギリギリの所で櫻坂にしがみついていた。新しく、応援したいなと思えるメンバーも見つけた。
だけど、葵ちゃんの次に長く推していた関有美子さんの卒業発表で、何かが一気に崩れた。もう崩れるものなんて何もないと思っていたのに。

私が好きな、好きだった櫻坂(欅坂)は、ここで思い出になってしまうんだと悟った。勿論他にも魅力的なメンバーばかりで、フレッシュな3期生も入ってきた。まだまだこれからだと思う。
でも、まだまだこれからのその先に。私がずっと好きだった2人はもういない。

ここまでかな。そう、何度も感じた。感じているときだった。
ただぼんやりTikTokを見ていたとき、スクロールする親指がぴたりと止まった。

@nogizaka46_official

17分間ダンスソロ コメント555突破記念✨ 富里が五百城を隠し撮り中🎥💜 #5期生隠し撮り中 #17分間 #五百城茉央 #冨里奈央 #乃木坂46

♬ 17funkan - Nogizaka46

乃木坂46の5期生、冨里奈央。
"琴線に触れる"とは何かを学んだ。

最初にはじまりはどこだったんだろうという話をしたけど、明確なはじまりをつけるのであれば確実にここだった。


正直な所、乃木坂さんの5期生に良い印象はあまりなかった。理由は言わなくとも分かるだろうけど。
ノーマークだった私の目にも止まるぐらい話題になったアレコレがきっかけで、自分の中で"これが乃木坂の5期生か"とマイナス寄りの感情になっていたのは否めない。

私自身例えば加入前に彼氏がいたとか、なんなら在籍中に浮気不倫関係でないのであればこっそり交際してたって別に何も思わない。その思考な上、欅時代の数々なスキャンダルを目にしてきて更に感覚が麻痺していた。
だからもう今更スキャンダルの1つや2つで驚かないと思っていたけれど、あの流出のあまりの量には流石に動揺した。

流出内容なんてこの際どうでも良い。ただただ量に引いた。まぁでも自軍じゃないしなって、あんまり深くは触れなかったけど。


と、いったこともあり冨里ちゃんを見つけたときだいぶ躊躇った。あの5期生か…と。
今ならまだ間に合う。顔面がタイプ!かわいい!それだけ。そこで留めておけ。自分に何度も何度も念じた。念じた回数の倍、あの動画を見た。

今まで櫻坂で埋めていた心の1部が、少しずつ冨里ちゃんで埋まっていくのを1ヶ月ぐらい見て見ぬふりしていた。
『あの5期生だぞ』『4歳年下だぞ』『それにもう今更乃木坂を追うなんて無茶だ』今思えば笑ってしまうぐらい葛藤していた。禿げそうだった。

考えて考えて考えた先に脳裏に浮かぶのは、冨里ちゃんの笑顔だった。私は似たような経験を、実は数年前にもやっていた。

所謂123事件と呼ばれたあの件。葵ちゃんと並行して応援していた子もその対象だった。これからこのグループどうなっちまうんだという不安も相まって、だいぶ心が揺れていた。揺れる度に思い出すのは、休業から帰ってきたとき緊張と不安が混じった笑顔を見せた葵ちゃんだった。
だから私はそこで離れず彼女を、彼女たちを応援し続けた。その結果、つらいこともあったとは言えめちゃくちゃ楽しいオタク生活を送れた。


あの5期生だからなんだ。4歳年下だからなんだ。歴史が長い乃木坂さんだからなんだ。
わたしゃこの子の顔面が死ぬ程タイプなんだよちくしょう!!

吹っ切れたと言おうか。なんかもう、細かいこと全部どうでもよくなった。とりあえず推してみてやっぱ違ったわってなったら離れれば良い。まだ一応その距離感ではあるし。
そんなスタンスで冨里ちゃんのことをあらゆる媒体を使って調べに調べた。







気が付いたら、スマホの壁紙が冨里ちゃんになってた。

流石に正真正銘の単推しというのも限界があるかと思って、手始めに櫻坂を通じて仲良くなったオタクたちに乃木坂さんのおすすめの曲を聞いた。
因みにありがちな恋愛が好き。あと、元々表題の中だと帰り道は遠回りしたくなるが好きだったので冨里ちゃんの最初の自己紹介カード見て独りでにキャッキャした。

やっぱり長い歴史がある分、曲数もあるしメンバーの人数も多い。先に覚えた5期生以外の方々は最近ようやく名前と顔が一致してきた。
曲の方はまだ全然知らない。誰かライブでやりがちな曲とかを中心に教えて欲しい。

欅は結成からだったのもありこうして色々調べていくのは実は初めてで、新鮮で楽しい。魅力を知るって、すごく楽しい。
成人しても尚オタクやってる自分に不意に鬱になることもあるけど、でも、やっぱり楽しいんだよなぁ。アイドルは偉大。

本格的に乃木坂さんを応援していく決心がついた頃、私の中で"これが乃木坂の5期生か"はプラス×100(ニュアンス)ぐらいの感情になっていた。
どうしようもなく愛おしい存在になっていた。表現が気持ち悪くて泣きたい。でも、一言で言うならそれしかない。

冨里奈央ちゃん。
私はどうしてあなたを好きになったんだろう、一時の気の迷いなんじゃないかって今でも思うときがある。その度に、私はこの子のどこが好きなんだろうと考える。

一目惚れしただけあってシンプルに顔がまずタイプというのはある。でも、顔が好きだからって全部好きになるほど私もちょろくはない。
顔が良いなぁと思っても中身を知って「あぁ、そうか…」となることなんていくらでもある。

冨里ちゃんを調べてまず人柄で印象を持ったのは"とにかく優しい"だった。5期生からイケメンエピソードが出るほど、気遣いができる。
それもすごく魅力的だとは思った。マイナスにはならない。でも、なんというか、優しいだけって面白みがない。人としては良いけど、アイドルを推すという観点で見たら。

そもそも自分の中で年上に求めるものと年下に求めるものが違うことは何となく分かっていて。でも年下を推すのが初めてなもんだから、年下に求めるものが自分でも分からなかった。
分からなかったときに、岡本さんをいじる冨里ちゃんを見つけた。年相応に、にししと笑う彼女を見つけた。そこでピンと来た。

自分が年下に求めてるのは、年相応の無邪気さなんだなって。そしてそれがちゃんと、冨里ちゃんにもあった。モノマネでいじったり、夜遅くに泊まりに行ったり、お姉さんたちに甘えるその姿。冨里ちゃんの1番好きな所をあげるなら、きっとここだろうなと思う。

本当かどうかは分からないからハッキリとは言わないけど、冨里ちゃんと言えば過去の悲しい噂がある。私はわりと詐欺に騙されやすい単純脳でそれなりに情報量があれば半分ぐらいは信じてしまう派だから、もしもあれが本当だったと仮定したとき。
ますます、お姉さんたちに甘えている冨里ちゃんを見ると様々な感情が湧き上がってくる。

それは冨里ちゃんだけにじゃない。冨里ちゃんが甘えられる環境を作ってくれている5期生にも、感謝と愛がメキメキと芽生える。
それこそ、岡本さんやアルノちゃんのこともすっかり好きになれたぐらい。

そうやって好きが連鎖していって、気が付いた頃には5期生しか勝たんマンが生まれていた。

いおちゃんの全てをまるっと包み込むような温かい空気感。
池田さんのまわりを引きずり込む独特な感性。
一ノ瀬さんの視野の広さと行動力。
なぎちゃんのパフォーマンス力の高さ。
岡本さんの全てを吹き飛ばす何よりも優しい笑い声。
あやちゃんの最年少という肩書きだけに甘えないポテンシャルの高さ。
奥田さんの瑞々しい歌声と前世は女神だったのだろうかと思う程の心の綺麗さ。
川﨑さんの思わず見てるこっちの頬が緩むとびきり甘い雰囲気。
菅原さんのオールマイティー故の5期生のママ感。
アルノちゃんの不器用で強がりな所。

そして、冨里ちゃんの見たら嫌なこと全部忘れられちゃう向日葵が咲いたような笑顔と、周りの幸せを第一に考えでも甘えるときは甘える人柄。
一生懸命で、素直で、真っ白なその心。

全部が、愛おしく思えた。
はじまりは冨里ちゃんだけど、5期生皆んなの魅力に惹かれたから。だから乃木坂さんを追う決心が着いた。


私は住んでる世界がすごく狭いし、乃木坂界隈のことは全く分からないけど。それでも、きっと今でもあの流出の件で受け付けられない人はいる。いても仕方がない。
誰でも見えるような場所で「辞めろ」とか「消えろ」とか言う奴は論外だけど、その感情を持つこと自体は悪いことじゃないと思う。

少なくとも私は、そういう人を見かけたときこの人は本当に長く深く乃木坂さんを愛してたんだなぁと思う。
好きだったものが変化していく恐怖、離れたくても思い出が袖を引っ張る、その感覚は私も経験しているから。

それに、どんなに本人たちが努力でひっくり返したとしても、悲しいことにどうしたってアレがなかったことにはならない。例えばこれからあの子たちを好きになった人がネットで調べたとき、何年経とうがあの時のアレコレはすぐに出てくる。
そこはちゃんと、どれだけ好きになったとしても認めなきゃいけないと思う。

ただ、たまたま私は運営側が与えたものを"好き"と受け取れる感性だったから。それまでの乃木坂さんをよく知らないというのもあるけど。
価値観、感性の違いは人の数だけある。そこで殴り合うなんて世界一しょうもない時間。

そんな時間があるなら、私は少しでも好きな子達の自信に繋がるような行動をしたい。
これだけはアイドルオタク人生でずっと変わらない私なりの推し方。

人気になって欲しいとかそういうのも勿論大事かもしれないけど、正直そんなの二の次。
とにかくアイドルになったからには、思う存分楽しんで欲しい。その"楽しい"のほんの少しでも共有できたら、それ以上の幸せはない。

5期生はまだこれから沢山の楽しいを経験していくことになるだろうから。少しでも、その感情を素直に受け止め純粋に楽しんでくれるように、自信に繋がる発言をしたい。
そう思う自分はもう、すっかり魅了されてるんだろう。後には戻れない。戻れなくて良い。

良い意味でまとまりがない自由な11人が。
お互いにお互いの歌声で泣いてしまう11人が。
どうしようもなく不器用で繊細な11人が。

冨里奈央ちゃんの何もかもが。





やっぱり、愛おしくてたまらないから。

ありがとう乃木坂46に加入してくれて。



以上、ド新規の独り言でした。


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