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第680回 構造色って?

①https://www.wikiwand.com/ja/構造色より引用のシャボン玉の構造色

   「構造色」という言葉は野鳥好きの私には②のカワセミを思い浮かべます。カワセミの漢字表記は「翡翠」で、宝石のヒスイと同じ漢字です。ヒスイの漢字がカワセミをもじったのですから、この「構造色」は素晴らしい物だと思います。そのカワセミのニックネームは清流の宝石です。何から何までカワセミと「構造色」はぴたりと当てはまります。この「構造色」を持っているものは、私たちの本当に身近なものにもあります。例えば、CDやDVDの表面の輝きがそれです。

②https://1505.jp/green/2018/12/31/輝きのテクノロジー【カワセミ】/より引用のカワセミの構造色

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   では私たちの身の回りにはどのくらいの「構造色」が存在するのでしょう。まずはどなたにも幼少の頃に経験した思い出があると思いますが、シャボン玉があります。石鹸水をストローの先っぽに少しだけつけて、口で息を吹き込むと大なり小なりのシャボン玉が現れて宙に舞います。その時にお日様の光に照らされて、虹色に輝くあのシャボン玉の「構造色」です。私たちは幼い頃から、遊びとしてのシャボン玉を通じて「構造色」を知らず知らずに体験していたことになります。

③https://www.wikiwand.com/ja/アワビより引用のアワビの貝殻の構造色

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   ③の写真はよく魚屋さんや料理屋さんのゴミとして外に出されていたアワビの貝殻です。また店には夏になるとハモがキラキラ輝いて並んでいました。他にも、私の育った時代が良かったのか、近くの神社のクヌギやエノキには④の写真のタマムシがいました。おばあちゃんが死んだらタンスに入れたら虫除けになると教えられました。何か昔の人は「構造色」のようにキラキラ輝くものは「魔除け」の作用があると信じていたみたいで、大変喜んで、タンスにしまい込んでいました。

④https://www.google.co.jp/amp/w7-yasuhisa.seesaa.net/article/124698621.html%3famp=1より引用のタマムシの構造色

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   自然界には輝くような色の生物が沢山います。昆虫ではモルフォチョウ、鳥ではクジャク、 魚では熱帯魚を中心にネオンテトラやルリスズメダイ、他にはタコ、イカ、さらに 植物の種子や花びらなどなど…これらの生物が持つ鮮やかな色は、構造色と呼ばれる発色の仕組みを持っています。色素による吸収の色ではなく、光の波長程度の微細な構造が、干渉や散乱などの光学現象を起こして着色しています。カワセミやシャボン玉のように光の当たる角度によって色彩が変わります。

⑤https://ja.m.wikipedia.org/wiki/カワラバトより引用のドバトの首の構造色

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   『生きた宝石』とも呼ばれるモルフォチョウの翅は、鮮やかな青色をしていますが、これは鱗粉表面に刻まれた格子状の構造による構造色です。クジャクカワセミといった鳥類では、羽毛にある微細な構造によって、鮮やかな色彩が現れます。この構造は青色の光の波長のちょうど半分にあたる200nm間隔に並んでおり、干渉により青色の光のみが反射され反射されるという難しいことです。確かめるなら、公園や神社仏閣などに行って、⑤のドバトを見つけて首筋を見てください。


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