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第1621回 鷹になれなかった雀

①https://www.google.co.jp/amp/s/hitakijo.exblog.jp/amp/8148936/より引用のモズのイラスト

   モズの漢字表記は「百舌」「百舌鳥」「鵙」「伯労」といろいろあります。特に大阪府の府鳥でもあり、また堺市には百舌鳥古墳群があったり、町名や駅名にも「百舌鳥」の三文字はあちこちで見受けられます。モズと発音は二文字ですが、大阪府では漢字表記しますと何故か三文字の「百舌鳥」となります。モズは私の大好きな野鳥なのですが、①のイラストをご覧頂きますとお分かりの様に可愛い姿に描かれます。そんなモズは「鷹になれなかった雀」と揶揄されるのは何故なのか。

②https://www.google.co.jp/amp/s/prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000085.000021468.htmlより引用の鷹になれなかった雀のモズの図解

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   「鷹になれなかった雀」と言われるのは、肉食の猛禽類の定義には「鋭い爪とクチバシを持ち、他の動物を捕食するか、または腐肉食を食する習性のある鳥類の総称。獲物を捕まえるための鋭い爪や掴む力が強い趾、鉤型に曲がったクチバシを持つことが共通の特徴」とされています。モズはその定義には殆どが当てはまります。またモズは考えようによってはすごい掟を持ち、寒い冬が近づく秋口に鷹鳴きをして同種やつがい相手にも、縄張り宣言をしたうえで、孤独な戦士になります。

③-1.https://www.birdfan.net/2019/10/04/73738/より引用のモズ(体長約20㌢)

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③-2.http://www.hirugano-situgen.jp/syokubutuen/?blog_tag=モズより引用のつがいのモズ(左がメス、右がオス)

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③-3.https://www.birdfan.net/2010/09/24/5898/より引用のコノハズク(体長約20㌢)

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③-4.https://www.birdfan.net/2018/09/28/65160/より引用の雀鷹と言われるツミ(体長約27〜30㌢)

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   モズはどんな鳥かと言いますと、③-1.の写真で外見はご覧頂けると思います。データ的にいいますと体長約20㌢の大きくはない野鳥です。③-2.のように雌雄の違いを見ましても、ワシタカに多いメスが大きいと言うこともなく、同じ体長です。また一応雌雄同色ですが、右のオスの顔の過眼線がオスの方が明らかに濃い色です。猛禽類とでは同じ大きさの野鳥は③-3.の写真のフクロウの仲間のコノハズクです。残念ながらタカではなく一番小さな③-4.の『雀鷹』と言われるツミがいます。

④-1.http://www.hokusetsu-ikimono.com/iki-h/inagawa-tori/mozu/mozu-2018-2019/index.htmより引用のモズのクチバシのアップ

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④-2.https://www.google.co.jp/amp/s/www.pinterest.jp/amp/pin/506162445605684782/より引用のオオタカのクチバシ 

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   モズはコオロギなどの昆虫類、ザリガニなどの魚介類、カエルなどの両生類、トカゲなどの爬虫類のネズミなどの哺乳類、ひいてはヒヨドリくらいまでの鳥類をこの④-1.の写真の鋭いクチバシで仕留める肉食の鳥です。この写真をご覧になれば、鉤状の鋭いクチバシであると言うことはわかって頂けると思います。④-2.の写真のオオタカのクチバシも鋭い鉤状のクチバシですが、写真を見る限りでは大きさに違いはありますが遜色は感じられないと思います。では何故タカになれないのか。

⑤-1.https://mochico25.hatenablog.com/entry/2020/12/26/203853より引用のモズの趾のアップ

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⑤-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32152000272より引用のオオタカの趾

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   昆虫から魚やカエル、トカゲやノネズミ、野鳥まで捕食してしまう肉食のモズ。③-3.の写真のフクロウの仲間のコノハズクモズと体長が一緒の20㌢です。タカの仲間の最小種は雀鷹と呼ばれるツミの体長約27㌢でしたが、モズは小さいだけではねられたのでしょうか。それはこの⑤-1.のモズの鉤爪と⑤-2.のオオワシの鉤爪の違いにあります。なぜかモズの鉤爪は見比べてみますと貧弱です。その証拠に自分より大きな獲物を仕留めても、タカのよう鋭い鉤爪で持ち上げ枝には戻れません。

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