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第609回 着飾ったサギたち

①https://jp.123rf.com/photo_58580014_動物イラスト、擬人化デザイン、毛皮で覆われた芸術のファッション、羽スカート帽子頭カクテル-ベクトル-ヒップスター鳩で着飾った鳥女の子の描.htmlより引用のイラスト

   野鳥の「飾り羽」と調べると必ずこの②〜⑥のサギの仲間が紹介されます。私の棲む街にも一級河川が流れていて、その流れの途中にサギたちの「コロニー」があり、コサギダイサギアオサギなどの共同住宅となっています。とくに白鷺といわれるコサギたちが多い時は、白いビニール傘が樹木の枝にかかっているようにも思えます。そんな一部のゴイサギを除いて、非常にスタイルの良い白鷺に「飾り羽」が現れる時には、またそれはそれで華やかなものだと思います。

②http://komorebi-yureru.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/--6e9a.htmlより引用のコサギ(体長約約61㌢)の飾り羽

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   ②のコサギの漢字表記は「小鷺」。これは白鷺と呼ばれるダイサギチュウサギ(体長約68㌢)との比較でつけられた名前と言っていいと思います。いずれにせよ遠目に見たら白鷺としか思えません。よくネットにコサギダイサギがさも親子のように写っている写真を見受けます。このコサギは足の指が黄色いことと、夏羽では頭に二本の長い冠羽が現れること、背の飾り羽は先が巻き上がることで、ダイサギチュウサギと区別できます。ダイサギチュウサギは巻き上がりません。

③https://blog.goo.ne.jp/inpre-anac/e/8e7f494ade4feb76c642f2d8c821e51eより引用のダイサギ(体長約83㌢)の飾り羽

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   ②のコサギに対して、③の写真のダイサギの漢字表記は「大鷺」。ごく当たり前で、大、中、小と並べたにすぎません。またコサギの語りに抜けていましたが、コサギの後ろ頭には冠羽が生えています。それも一本でなく二本。ダイサギは一本。チュウサギコサギと比べて、脚と首が非常に長く、クチバシも長いし、足は全体が黒い。夏羽ではクチバシが黒くなり、足の基部がわずかに黄色がかります。また胸や背中に長い飾り羽が現れ、眼先が緑の婚姻色が現れることもあります。

④http://www.suwanet.net/~sakailab/note/2012-2/20121223ao0.htmlより引用のアオサギ(体長約93㌢)の飾り羽

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   ②のコサギや③のダイサギに対して、決して白くはないけれど、④の写真のアオサギの漢字表記は「蒼鷺」で、同じ青でもくすんだ青。この日本に生息するサギの仲間の中では最大級の大きさで、1m近いスラリとした長身です。背の飾羽は灰色、下面は白い羽毛で被われ、胸部の羽毛は伸長に飾羽します。前頸から胸部にかけて破線状の黒い縦縞が入り、側胸や腹部は黒い。雨覆の色彩は灰色で、初列雨覆や風切羽上面の色彩は黒い。翼角周辺には2つの白い斑紋が入る複雑さです。

⑤https://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/toku/animaleyes/CK2018070602000225.htmlより引用のゴイサギ(体長約58㌢)の飾り羽

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   ⑤のこの赤い眼の野鳥は誉れもな高き漢字表記を「五位鷺」と表するゴイサギです。醍醐天皇の宣旨に従い捕らえられたため正五位を与えられたという故事が和名の由来があります。また野鳥唯一の「出世鳥」で幼鳥の頃は、星が散りばめられた模様のあるホシゴイと名乗り、成鳥になると上面は青みがかった暗灰色、下面は白い羽毛で被われ、翼の色彩は灰色です。繁殖期には後足が赤みを帯び、後頭に白い羽毛が三本冠羽して、ここでも正五位を与えられたその違いを見せています。

⑥https://blogs.yahoo.co.jp/mfyym494/41564871.htmlより引用のアマサギ(体長約50㌢)の飾り

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   この⑥のアマサギはそんなに近くはないサギです。写真をご覧になられてお判り頂けると思いますが、幼鳥の頃はアマサギは白鷺です。アマサギの漢字表記は「飴鷺」です。飴色のサギということになります。面白いことに、牛や耕作機の周りに群れて、飛び出す虫を狙う習性があります。繁殖期は眼先が赤く、嘴や後肢の色彩も赤みを帯び夏季は頭部から頸部、胴体上面はオレンジがかった飴色の羽毛で被われます。また、飴色の冠羽と飾羽が伸びます。正に飴色のサギと言えます。

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