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第1444回 脳ある鷹は爪を隠す

①https://www.google.co.jp/amp/s/fucanon.exblog.jp/amp/30468420/より引用のクマタカ(体長72〜80㌢)

   猛禽類というと、ワシタカとフクロウの仲間ということになりますが、何回かお伝えしていますが、ワシタカというくらいですから、ワシとタカに分かれます。今回のターゲットには①②の写真のクマタカを選んでみました。クマタカは漢字表記で「熊鷹」か「角鷹」「鵰」です。一番ピッタリくる漢字表記はやはり『熊』の鷹です。体長約80㌢はメスの最大級の大きさですが、クマと同じく森の中に棲む猛禽類はということになれば、フクロウもそうですが、クマタカも生息します。

②https://www.birdfan.net/2008/10/17/3035/より引用のカンムリワシ(体長約60〜65㌢)

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   ワシタカは身体の大きなによって、80㌢未満のものをタカ、80㌢以上のものをワシと大雑把ですがワシタカの区切りを決めました。クマタカのメスに至っては、体長約80㌢を超えるものもいます。それに対して、ワシと名前が付いている②の写真のカンムリワシは、身体の大きなメスですら、約65㌢くらいしかありません。ワシより小さいはずのタカであるクマタカの方が、カンムリワシより大きいのです。こんなことが起きたのかはカンムリワシの生息地の奄美大島にあります。

③https://www.birdfan.net/2020/02/21/77321/より引用のミサゴ(体長約58〜63㌢)

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   カンムリワシの棲む奄美大島ではそんなに大きなワシタカがいなかったので『冠』が付くほど大きなワシと決めたのです。その大きさに迫るのが、③の写真のミサゴが体長約63㌢と似通った大きさです。ミサゴは猛禽類でありますが、主食はサカナで、またの名前を「魚鷹」や水面にダイブして、サカナを捕食しますからビシャコとも言われます。ミサゴは米軍用機のオスプレイのモデルとして有名です。クマタカのメスは二番目にワシの中では大きなイヌワシのオスより大きいのです。

④https://www.birdfan.net/2020/07/31/79668/より引用のツミ(体長約30〜37㌢)

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   クマタカのようにタカの仲間では一番大きな身体を持つものもいる中で、④の写真のように体長が僅か体長約35㌢くらいの、ハトより少しは大きいかと思われる小さな猛禽類のツミがいます。④の写真をご覧になってもお分かり頂けるように、非常に華奢な身体付きです。こんなツミの天敵はやはりカラスです。カラスは知能が高く、また猛禽類が嫌いです。ツミの巣にいるヒナを狙って、数羽で撹乱プレーにでます。小さいながら猛禽類の意地をかけ、カラスを追いかけヒナを守ります。

⑤http://shumishan.blog.fc2.com/img/201411190924171db.jpg/より引用のハシブトガラス(体長約56)にモビングされるクマタカ

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   しかし、そのツミもカラスの連携プレーに屈することもしばしあります。クマタカは一夫一妻の繁殖スタイルです。冬になって子育てを始める頃に、⑤の写真のように、カラスがクマタカに対して、モビングを仕掛けることはしばしばあります。いちいちこんなカラスに構っていては、せっかく獲物を食べて、嗉嚢(そのう)に貯めて、巣で待つヒナに与える大切な餌を無くさないとも限りません。ここは敢えて、複数のカラスを相手にせず「脳ある鷹は爪を隠す」を我慢を貫き通します。


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