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第1046回 野鳥の浮気

①YouTubeより引用のスズメの浮気

   今まで、人間以外の動物の世界では、一夫一妻が当たり前だとされてきました。人間は感情の動物だし、人間以外の動物には感情がないから浮気など存在しないと思われてきました。しかしいまでは長年の研究結果により、鳥類の婚姻関係も人間と同じく、いろんな形態を持っていることがわかってきました。一夫一妻のほか、一夫多妻やまたその反対の一妻多夫、多夫多妻、乱婚など、野鳥の生息する環境によって、いろいろな形態のつがい関係が存在することがわかってきました。

②「鴛鴦夫婦」といわれるオシドリのつがい(左側がオス、右側がメス共に体長約45㌢)

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   ②の写真は有名な鴛鴦夫婦でお馴染みのオシドリのつがいです。「鴛」はオスを表し「鴦」はメスを表しているので、この二つの漢字が合体して『鴛鴦』となります。繁殖期につがいになると、何時も雌雄一緒に行動し、その仲睦まじい姿を世の中の人はその仲の良さを形容して「鴛鴦夫婦」と名付けました。しかし、その後の研究によってオシドリは典型的な一夫一妻と思われいましたが、オスは一期限りでつがい相手のメスと別れ、また新しいメスをつがい相手に選ぶ浮気症です。

http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/kochokoho/esque/31/menu01b.htmlより引用のオオミズナギドリのつがい(おそらく左側がメス、右側がオス体長約49㌢)

   野鳥の浮気は陸鳥が多く、水鳥は少ないといわれてきましたが、水鳥であるオシドリの浮気を見て、やはり鳥類でも人間と同じく、浮気はオスだけのことかと思いきや、この京都の府鳥にもなっている長寿命三十余年を誇るオオミズナギドリは今まで一夫一妻でしかも年に一羽のヒナを産むことで知られていました。子育てをしているメスにつがい相手ではないオスとの間のつがい外子をもうけていると検査結果が出て、せっせと餌を運ぶオスは自分の子でないヒナに餌を与えるのです。

④https://www.google.co.jp/amp/s/pegasus12.exblog.jp/amp/19966593/より引用のモズのつがい(左側がオス、右側がメス共に体長約20㌢)

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   ④の写真は凄く親密なモズの求愛給餌の様子です。モズは非繁殖期にはメスをも寄せつけない縄張りを確保しますが、いざ繁殖期となると、メスを縄張り内に受付け、相手のメスの気を惹くために、さえずりは勿論、ウグイスや他の野鳥の物真似までし、つがいになって貰おうとし、最後は写真のような求愛給餌を行い、営巣してからも、我が子に餌を与え続けますが、産まれたヒナをDNA鑑定の調査をしましたら、約一割にあたるヒナがオスにとり、つがい外子であると判明しました。

⑤https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/usagida/2016/03/13/10751.htmlより引用のツバメのつがいと子育て(左側がメス、右側がオス共に体長約17㌢)

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   この⑤の写真のツバメの巣はどなたでも一度は拝見されたことがあると思います。ツバメは産まれた育ったこの日本に、繁殖のために夏鳥として帰ってきます。まずは成鳥となったツバメが生まれ故郷に帰って、後から帰ってくるメスの登場を待ちます。前年につがいを結んだメスが帰ってきたら、一夫一妻の長年のつがい関係が証明されます。ハトも一夫一妻ですがこちらは雌雄揃って浮気するようです。でもツバメはDNA鑑定の結果では、巣のヒナの三割がつがい外子だといいます。

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