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第885回 日本の不気味な野鳥

①https://www.pixivision.net/ja/a/1306より引用の気持ち悪い鳥のイメージ

   日本では古くから、野鳥が関わる妖怪めいたお話が多いです。昔には今のような、双眼鏡やデジスコ、カメラやビデオ、レコーダーなど文明の利器などなかったのですから、ちょっとしたその姿の見間違いや、暗くてよく見えなかった、又は鳴き声を聴き間違えたなど、よくあることだと思います。その証拠に松の木の枝に止まったコウノトリを鶴(恐らくタンチョウ)と間違えて、おめでたい正月の絵巻物としたり、梅の木の枝に止まったメジロを姿を見せぬウグイスの声と聴き間違えたり。

②https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ワタリガラスより引用の大きくて不気味なワタリガラス(体長約60㌢)

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   ワタリガラスって日本にいたかなと思っていましたら「カラス」にも関わらず、ワタリガラスの漢字表記は「渡鴉」で、北海道では稀に冬鳥として渡ってくるそうです。「カラス」の仲間では最大級の体長約60㌢を有しますので、現地では大ガラス(大鴉)とも呼ばれています。ワタリガラスの大きさは体長約56㌢のハシブトガラスよりひとまわりほど大きな野鳥なので、人の印象深く残ると思います。ワタリガラスには凄く大きな身体と「カラス」一の知能の高さで怖さの強調があります。

③http://kohada.open2ch.net/uwasa/dat/1466183326.datより引用の「鵺(ヌエ)」こと鳴き声が不気味なトラツグミ (体長約30㌢)

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   ③の写真のトラツグミは名前が表す通りにツグミの仲間で、漢字表記も「虎鶫」でトラのような模様があるからです。またこのトラツグミを検索してみると、ほかの別名の漢字表記に「鵺、鵼、恠鳥、夜鳥、奴延鳥」とヌエと出てきます。ヌエとは妖怪のことで、Wikipediaによると「『平家物語』などに登場し、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇」とあり、夜な夜なこの正体のトラツグミが「ヒーヒー、ヒーヒー」と鳴き、時の天皇が病んだとあり、その鳴き声は悲しげです。

④殆ど寝ていて鱗模様が不気味なヨタカ(体長約29㌢)

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 ヨタカの姿をご覧になれば、あれって思われる方が多いはずです。ネットで「ヨタカ」と検索すると、大概がタチヨタカとか、ガマグチヨタカなどの外国の「ヨタカ」がひょうきんな顔立ちを見せています。日本のヨタカの羽の模様が爬虫類の鱗のような不気味なのに対して、何か間抜けだというか、気色悪く感じてしまいます。日本のヨタカの漢字表記は「夜鷹」は夜の売春婦を表し「蚊吸鳥」は蚊を口で吸い取るとか、日本のヨタカ は怖そうで怖くなく、キリッとした所がないです。

⑤https://note.com/notes/newより引用の蛇のような不気味なアリスイ(体長約17㌢)

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   アリスイといえば「キツツキ」の仲間で、前のヨタカが「蚊吸鳥」なのに対して、こちらは「蟻吸」です。読んで字の若く昆虫のアリを好んで食べます。「キツツキ」は殆どが留鳥ですが、このアリスイは謎の渡鳥です。それは本州より北では夏鳥、本州より南では冬鳥と面白い習性です。「キツツキ」なのに開けた森林、林縁、草原、湿地などに生息し、樹上では木の枝に対して水平に止まり、そのアリを捕獲する姿の写真が、⑤の写真で、何か蛇を見ているような不気味さです。

⑥-1.http://おなやみ.com/どうぶつ/13274/より引用のこんなに成鳥は綺麗なのにコキンチョウ(体長約12.5〜14㌢)

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⑥-2.http://おなやみ.com/どうぶつ/13274/より引用の口元が不気味なコキンチョウのヒナ

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⑥-3.http://おなやみ.com/どうぶつ/13274/より引用のヒナの口のアップ

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   このコキンチョウはオーストラリアの野鳥なので番外です。この ⑥-1.の写真をご覧になれば派手な原色色の鮮やかな野鳥だなあと、どなたも思うと思います。食性は雑食で、主にイネ科の種子を食べ、乾季は主にモロコシ属の種子を食べ、雨期になると昆虫も食べる。どこにでもいそうな外国の鳥ですが、非繁殖期には大規模な群れを形成することもあります。親鳥が暗闇の中でもヒナたちの口がどこにあるかわかるように親鳥が餌をやる目印になるらしいです。それにしても不気味です。

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