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第1370回 カラスの言葉

①https://www.seikatsu110.jp/animal/am_pigeon/35213/より引用のカラスの注意書き

   私たちの子供の頃には、ハシブトガラスハシボソガラスの二種のカラスのうちでは、ハシボソガラスが時たまというかあんまり街中で姿を見せないのに「ガァ、ガァ」と朝から鳴くことが有れば、その当時の大人は、近所でどなたかが亡くなる前触れだとして、カラスが街に現れ、鳴くことを忌み嫌いました。しかし、山の麓で子育てしている時の鳴き声は穏やかであったことを覚えています。その滅多にお目にかかれない野鳥は、時が流れて、ハシブトガラスは街に居付きました。

②https://www.irasutoya.com/2018/04/blog-post_23.html?m=1より引用のカラス同士の会話のイラスト

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   そんな昔と違い、今の私たちの身近にいるカラスといえば、街中ではハシボソガラスではなく、ハシブトガラスです。ハシボソガラスが「ガァ」と濁った鳴き声に対して、ハシブトガラスは「カァ」と基本的には澄んだ鳴き声です。そのハシブトガラスの鳴き声がこの項の主となります。その実は、カラスの鳴き声の違いはカラスなりの言葉であり、それぞれの鳴き方にはきちんとした意味があります。知能の高いカラスの鳴き声はカラスの種類によって異なり、色んな意味を持ちます。

③https://ameblo.jp/kawasemi2030/entry-11951618694.htmlより引用のカラスの言葉辞典

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   ③の写真はA4サイズの印刷物がカラスの言葉の辞書とされます。この辞書の考案者は鳥学者オースチン博士の助手で、山階鳥類研究所所長、日本野鳥の会会長などを歴任し、環境庁長官賞、勲三等瑞宝章を受けた、日本を代表する鳥学者の黒田長久という方です。成鳥の言葉は九項目に分類され、⑴はカ、カ系、⑵カァ、カァ系、⑶カー、カー系、⑷カァーァ系、⑸ガラー系、⑹ガーガー系⑺カコ、カコ系、⑻カタ、カタ系、⑼カァー系で全て合わせて三十二種の言葉があるみたいです。

④https://www.google.co.jp/amp/s/chicodeza.com/freeitems/karasu-illust.html%3famp=1より引用のカラスの日常生活のイラスト

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   ざっとそのカラスの言葉を訳して見ますと、⑴は主に「知らせ、警告」系の言葉です。⑵は主に「呼音、快感」系となっています。⑶のカーカー系は4つに別れ、「場所、行動報知」「満足、安全」など。⑷は「満足の発散」など、⑸は3つに分かれ「警告」「雄雌間の行動報知」「内的衝動による独り言」などというのもあります。⑹は4つに分かれ「知らせ合い、外敵への恐れ」など、⑺は4つに分かれ「餌の知らせ」など。⑻は「機械的な咽低音」⑼は「爽快の表現」などです。

⑤http://gahag.net/tag/烏(カラス)/より引用のカラスの日常のイラスト

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   2014年にハシブトガラスの言葉の種類が32種類とされましたが、2019年には9種類増えて、41種類になりました。鳥の中で、特に「言葉」の研究が進んでいるのがカラスです。例えば、日常の挨拶は澄んだ音色で「カアーカアー」と尻上がり。警戒時短く強く「カアカアカア」、威嚇は低く濁った音色で「ガーガーガー」。他のカラスの鳴き声を録音して流すと、縄張り内のカラスが警戒しながら飛んでくることから、知り合いの個体かどうかまで、鳴き声で識別しています。カラスは凄い。

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