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第1023回 野鳥の古名の由来 ⑴

①http://modugulebe6860.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/47-77c4-1.htmlより引用のイラスト

   以前にも第297・298回の二回に渡って、野鳥の古名をご紹介しましたが、学名や英名、中国名まで語りましたから、やはりなぜこんな古名がつけられて、いま現在の名前に繋がっているのか、そういう日本の野鳥名の由来を探してみました。

②-1.カッコウ(体長約33㌢)

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   日本の野鳥の古名を調べてみると、古文書に記されている古き良き時代の物語の中の鳥たちに出会います。よく見るのはかほどりです。漢字表記も三種類あり、貌鳥、容鳥、可保等利で、この三つ全てかほどりと読みます。さてどんな鳥かといいますとまったく特定が出来ません。「春鳴く鳥」で「野でも山でも水辺でも鳴き」「繰り返し鳴く」とあり「かほ」と鳴く鳥。『か』から鳴く鳥はカッコウ、カラスで『〜ほ』はアオバトフクロウかと思います。鳴き方も古語扱いなのです。

②-2.カワセミのつがい(左側オス、右側メス共に体長約17㌢)

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   もうひとつのかほどりの詮索は姿の美しい鳥とあります。カモの仲間にはオスが綺麗でメスは地味な中でも、このオシドリはしとやかさがあります。雌雄の調整が取れた鳥です。漢字表記の鴛鴦の鴛はオス、鴦はメスを表しています。清流の宝石と言われるカワセミは雌雄共に綺麗です。繁殖期のメスの下のクチバシは口紅を塗ったように紅い色をしています。また桃太郎の鬼退治におともしたキジのオスはこれぞ日本の鳥というような鮮やかな緑が冴えます。この三種が美しい鳥です。

②-3.カイツブリ(体長約26㌢)

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   その他、山野に美しく響き渡る「カッコウ」の鳴き声が名前の由来となったカッコウ。暗い夜の景色の中で浮かび上がるフクロウやミミズク、夜の夜鷹のイメージのヨタカ、漆黒の黒さを誇るカラス、飛翔しながらさえずる姿の美しいヒバリなど春の季語に使われる野鳥が多いです。しながどりの漢字表記は志長鳥、四長鳥、水長鳥の三つで、『し』が長いとは息の長い鳥ということです。カイツブリは潜水して魚を捕獲するので息が長いとなり、ケリは田畑に長く居座り息が長いのか。

②-4.オシドリのつがい(左側メス、右側オス共に体長約45㌢)

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   すがとりの漢字表記は菅鳥です。その候補には、ハト(キジバト?)、がヨシキリオシドリツツドリハシビロガモキセキレイなどの説があり、菅鳥の読みを変えればツツドリになります。かほどりの候補になったオシドリはここでも候補に挙げられています。その理由は菅鳥を訓読みで解読すると、清しい鳥という事は美しい鳥という事になり、オシドリが候補にあがります。「白真弓斐太の細江の菅鳥の妹に恋ふれか寐を寝かねつる」 (万葉集)と『細江』はオシドリの生息地です。

②-5.オオミズナギドリ(体長約49㌢)

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  かほどり、です。まとりは漢字表記で真鳥です。候補はワシ、ウ、キジ、ニワトリ、カモ、フクロウ、ミミズク、ツルと八種もあり、真鳥とはワシのように立派な鳥の意味があり「真鳥住む」という言葉の意味はワシが棲んでいたところとあります。「ワシのように」と釘を刺しているように人にとってはこの八種も立派です。また②-5.のオオミズナギドリは伊豆諸島では昔からマトリと。立派な身体の鳥だと思います。

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