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第896回 ウグイスの仲間のオオヨシキリ

①https://www.fotosearch.jp/CSP803/k35262073/より引用のオペラ歌手のイメージイラスト

   ウグイスの仲間と言われる野鳥は、②の写真のオオヨシキリ、③のコヨシキリ、④-1.のヤブサメ、④-2.のキクイタダキエゾセンニュウなどの「センニュウ」、メボソムシクイなどの「ムシクイ」がいます。よく世間から間違われるメジロウグイスの仲間ではありません。②〜④-2.の写真をご覧になってお分かり頂けると思いますが、ウグイスの仲間はさえずりが上手な部類の野鳥です。その中でも、本題に上がっていますオオヨシキリはその圧倒的な声量を持つウグイスの仲間です。

②-1.ウグイスの仲間のオオヨシキリ(体長約18㌢)

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②-2.オオヨシキリに似ているコヨシキリ(体長約12㌢)

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   オオヨシキリは夏鳥で、ウグイスのような留鳥ではありません。葦原等に生息する。食性は動物食で、昆虫類、節足動物等を食べる。葦原や周囲の森林で獲物を捕食します。葦を切り裂いて中にいる獲物を捕食するとされ、和名の由来とされています。繁殖期には縄張りを形成し、しばしば一羽のオスに対し複数羽のメスによるハーレムを形成します。葦の茎や葉等を組み合わせたお椀状の巣を作り、日本では五、六月に一回で4〜6個の卵を産み、メスのみが抱卵して育てます。

③-1.ウグイスに似ているヤブサメ(体長約10㌢)

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③-2.メジロのようなアイリングのキクイタダキ(体長約10㌢)

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   ウグイスのオスは体長約16㌢で、オオヨシキリはそれよりも大きな体長約18㌢。しかし、オオヨシキリの近種のコヨシキリは約12㌢、ヤブサメキクイタダキは揃って約10㌢と、オオヨシキリが群を抜いての大きさとなります。そのオオヨシキリはこれもウグイスと同じような見つかり難い葦原に生息していて、殆どのネットに上がる写真を見ても赤い口中を見せるような大きくクチバシを開いて、有名なききなしもありますが「仰々しい、仰々しい」と大声でさえずります。

   正式なオオヨシキリのさえずりの普段は別名「行行子」の名前通り「ギョギョシ、ギョギョシ、ケケス、ケケス」がウグイスで言う「ホーホケッキョッ」で、このウグイスもそのさえずりをよく聴くと「ヒーホケキョ」「ホホホホ、ホーホケッキョッ」の三種類を使い分けて、人に聴こえる鳴き声が三鳴鳥に選ばれているように、鳴管が優れているからこそ大きくクチバシを開けて鳴き、このオオヨシキリも「カシカシ、カシカシ、カカス、カカス」「ケケシケケシ、カカス、ギョンギョン、ケケスケケス」と使いこなしています。

オオヨシキリの巣に托卵するカッコウ

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   そんなウグイスとか、オオヨシキリが一夫多妻と言う非常策を用いているのは、やはりそこまでしなくては、外敵から襲われるからです。二種とも繁殖期によく通る声でさえずるので、襲われやすく、色んな縄張りに営巣するのです。その外敵の中には、④の写真のように托卵があります。ウグイスにはホトトギスオオヨシキリにはカッコウが托卵します。これは幾つもの営巣を持つ二種ですが、オスが育児に関わらないことから、托卵する側にとってはこの二種は良い育て親なのです。

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