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第1307回 早成性の鳥

①https://estar.jp/pictures/19999580より引用のイラスト

   この世の中なは早成性の生き物がいたりします。昆虫のバッタや爬虫類のヘビやトカゲ、または魚介類などは卵生から産まれてきて、その場にはもう親はいないわけですから、自分で餌を見つけて、外敵から自分で身を守らなければ生きていけないのです。それに比べると私たちは親に育てられ、自立するまで何十年の年月を要します。この早成性に対して人間など哺乳類などは親に巣立つまで面倒を見てもらう晩成性の生き物と言われます。中でも鳥類は両方とも持ち合わせています。

②http://www.mkanyo.jp/onsendayori/2013/06/post_1844.htmlより引用のカモメの営巣

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   ②の写真はカモメが巣で抱卵中の一枚です。カモメは日本では冬鳥です。夏の海水浴なんかで見かける海鳥は実はウミネコです。ウミネコは留鳥で年中見られます。また身体の色具合も良く似ていて、鳴き声が「ミャー、ミャー」ならウミネコです。カモメの仲間と夜行性のヨタカは「半早成性」で、産まれたらすでに綿毛が生えており、開眼しており、産まれて直ぐに親鳥の判断ができます。ヨタカは夜行性ゆえに昼間に外敵に襲われ易く、そのため親子共々鳴かずに隠れています。

③-1.http://hobbysworld.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-5adc.htmlより引用のカイツブリの子育て

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③-2.http://indiehistory.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/7-a68e.htmlより引用のミフウズラはオスが子育て

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   ③-1.の写真はよくカモの仲間に間違われる水鳥のカイツブリです。カイツブリは鳥なのに飛ぶことが苦手、歩行することも苦手で水上生活を主にする水鳥です。③-2.の写真は婚姻関係の一妻多夫の確率が全体の1%以下のミフウズラです。メスは卵を産み、抱卵するまでが仕事。あとの育児はオスの仕事という珍しい形態の野鳥です。二種共に綿毛も生えて、開眼もして、ヒナとして産まれた巣にいることなく親鳥に従います。陸上生活も水上生活も外敵に見つかり易く早く巣離れします。

④https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1345.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jpより引用のキジの子育て

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   水上生活も陸上生活も周りには、自分の身を隠せるところが少なく、空から猛禽類なんかに見つかるとたまったものではありません。それ故に早成性と言われる野鳥は早く巣離れをして、守ってくれる親鳥の跡をついていかないことには、危険に晒されるから、産まれて直ぐの開眼や泳げたり、歩けたりするのです。④の写真はメスのキジとヒナです。成鳥のオスは体長約80㌢と身体も大きいですが、ヒナは親鳥の保護がまだまだ必要です。

⑤-1.https://petpedia.net/article/410/spot_billed_duckより引用のカルガモの子育て

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⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/kiden9173.exblog.jp/amp/24978161/より引用のタマシギもオスが子育て

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   水鳥が水上ばかりだとは限りません。皆さんご存知の沢山のヒナたちを率いて、水辺の巣から引越しする際に大移動することで有名な⑤-1.の写真のカルガモは、陸上の空からのカラスなどの天敵と交通事故という、人間でも時には命を落とす危険と相対します。また⑤-2.の写真のタマシギは一妻多夫のミフウズラよりもメスが徹底していて、メスが派手な出たちに抱卵までオスにさせます。この二種は綿毛、開眼、巣離れで直ぐ親の後を歩き、自分で採餌もできる凄く早成性があります。

⑥https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32136000045より引用の産まれてすぐに飛べるツカツクリのヒナ

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   野鳥の中には、自然摂理の事情があって、自分では抱卵せずに、繁殖できる野鳥はこの日本では托卵鳥のカッコウホトトギスでし。しかしこの托卵鳥は預け先の親鳥に育児から、巣立ちまで面倒を見て貰うので、早成性の鳥には当てはまりません。オーストラリアやインドネシアにいる日本でいうキジの仲間の⑥の写真のツカツクリは、大きな塚を作って、その真ん中に穴を掘り自分の卵を産みつけ、後は地熱によって孵化させる抱卵さえしない、ヒナは親の顔すら知らない早成性です。

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