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第1666回 鳥の体温

①https://www.illust-box.jp/s/sougou/kw_体温/より引用のイラスト

   皆さんは鳥の体温が高いか低いかをご存知でしょうか。私たちの体温が凄く上昇した時はたとえば風邪をひいて熱が出た時などは場合によっては40°を超す高熱で、命の危険もあります。人の体温は36〜7°で大体が36〜40°の哺乳類の範囲内です。では鳥の体温はどうなんでしょう。一番低いキングペンギンの37.7°から一番高いカッコウの42.1°と平均致しますと大体40〜42°くらいの範囲となります。この様に鳥類の体温は40°以上あり、哺乳類より高いです。何故そんなに高いのでしょう。

②https://www.civillink.net/esozai/bird.htmlより引用のイラスト

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   ②の写真は暑くて口を開けて体温調節をしている鶏のイラストですが、事実と反するのは鳥には汗腺がないのに汗をかいていることです。鳥の体温は一般に多くの哺乳類より高いのは、空を飛ぶという激しい運動を可能とするために、大きな熱量が必要であるからなのです。哺乳類と同様、自分自身の体で熱を生産し体温調節をする恒温動物である鳥ですが、飛ぶ行為などの為、体が小さい割には熱放散の割合が大きく、高い体温を維持する必要があるのです。羽毛もその保温の一つです。

https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=1580737&word=%E6%9A%91%E3%81%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3%E9%81%94より引用のイラスト

   ③のイラストは暑くてペンギンが氷を抱き抱えて涼をとっています。鳥類には汗腺がありません。このイラストにも汗をかいていますが違います。全身が羽毛に覆われている上、人間のように汗をかくことができません。汗は本来はその気化熱によって、体温を下げる効果があります。鳥の場合、羽毛の少ない足指が空気に触れることにより温度調節をするか、もしくは口を開けて呼吸することで気道のの水分を蒸発させて熱を放出して体温維持を促しています。水を飲むのも一つです。

④https://ccbio.jp/topics/k005より引用のイラスト

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   南極にいるエンペラーペンギンにアデリーペンギンは、脚の裏まで羽毛が生えていません。ペンギンだけでなく鳥の足の霜焼けが考えられます。しもやけは、温度差により血行が悪くなるために起こります。水鳥が冷たい水の中で霜焼けにならないのは、彼らの足にワンダーネットと呼ばれる仕組みがあり、体温が失われるのを防いでいるからなのです。足に心臓から来た温かい血液が流れる動脈と、外気に冷やされ冷たくなった血液が心臓へ帰る静脈があり、ワンダーネットは、動脈に静脈がからまった仕組みのことです。動脈が静脈を温めることで、冷たい血液が霜焼けを防ぎます。

https://apori.blog.jp/より引用のもふもふな鳥のイラスト

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   飛行時の体温の上昇要因はハトは休息時の7倍の熱量を発生させ、体温は急速に1~2度上昇します。低下要因は飛行自体は気流による熱発散を促し、気温20度のなかを飛行するインコの熱発散速度は、休息時に比べ3.1倍、ワライカモメでは5.8倍と鳥の種類によっても様々です。

   最低体温→エネルギー消費を抑えるため、夜間に体温を平熱以下に下げます。多くの鳥は夜間に体温を6度下げることができます。非常に寒い夜はさらに下げることができます。トーパー状態というのがあり、著しい体温低下で外気温まで低下します。ハチドリでは8~20度、プアーウイルヨタカでは4.3度まで下げることができるようです。これはコビトドリ科、ネズミドリ科、ハチドリ科、アマツバメ科、ヨタカ科、ハト科の鳥だけに見られスズメ類はこの能力を持ちません。体温20度のトーパー状態から回復するのに掛かる時間はハチドリで1時間、アメリカチョウゲンボウで12時間。
鳥の冬眠はプアーウイルヨタカだけが行います。その冬眠期間は約2~3ヶ月の冬眠も行うようで、これにより酸素消費量を90%以上減少します。

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