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第1027回 野鳥の物真似歌合戦

①Twitterより引用のイメージ写真

   物真似をする鳥なら、飼鳥でオウムやインコの仲間、キュウカンチョウと人が教えたら人に挨拶もするような種もいることは確かです。あの高い知能で有名なハシブトガラスハシボソガラスでも人に飼われて教えてもらわないと物真似は出来ないこともあります。しかし広いこの世界には野鳥のコトドリという種は他の野鳥の鳴き真似や人が使う工具の音まで真似るという、野鳥の中での物真似の王者ぶりを発揮していますが、日本の野鳥の中にはどんな物真似の野鳥がいるんでしょう。

②http://ikimono.life.coocan.jp/20190418-03.htmlより物真似するキビタキ(体長約14㌢)

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   キビタキは日本に於いては夏鳥で、青いビタキ の仲間のコルリルリビタキオオルリと共にやってきます。物真似上手と言われるキビタキはまずはこの仲間たちのさえずりを真似します。特にオオルリの鳴き真似はオオルリ自体が大きな声で鳴くので覚えやすいのかもしれません。他にはやはり大きな鳴き声のウグイスの「ホーホケッキョッ」、これもまた大きな声のききなしで有名なコジュケイの「チョットコイ」珍しいのはセミのツクツクボウシの「ツクツクボウシ」です。

③https://www.google.co.jp/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASMDR6QZLMDRULBJ01C.htmlより引用のガビチョウ(体長約24㌢)の物真似

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   キビタキは大きな鳴き声の野鳥の物真似が上手であると語りましたが、この③の写真のガビチョウガビチョウ自身が大きな鳴き声で有名です。ガビチョウは七色の鳴き声を持つ鳥と言われ、ほかの鳥の物真似もする野鳥という事で、中国から輸入され飼鳥とされましたが、余りにも大きな鳴き声で人から捨てられた形から日本に棲む外来種となりました。鳴き真似は皮肉なことにキビタキを始め、ウグイスオオルリサンコウチョウクロツグミなどやはり鳴き声の大きな鳥たちです。

④http://www10.plala.or.jp/ayac/yazu/fa4/b423.htmlより引用の物真似するクロツグミ(体長約22㌢)

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   ツグミの仲間はツグミ自身が冬鳥なので、その名前の由来の通りに口をつむぐからツグミとつきましたが、やはり鳴き声は遠くまで届くような透き通る鳴き声でさえずることがわかっています。今ではその仲間のイソヒヨドリは雌雄共にさえずり合います。クロツグミは夏鳥でその声量豊かな鳴き声で、やはりウグイスキビタキの物真似をします。そのクロツグミの面白いところは、自分の鳴き真似をするガビチョウの「ヒョイヒーヒョイヒーギュルル…」を敢えて真似するみたいです。

⑤物真似するモズ(体長約20㌢)

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   モズの名前の漢字表記は有名で、皆さんもご存知だと思いますが「百舌鳥」と書きます。百の舌を持つ鳥です。それ故に⑤の写真のモズも他の野鳥の鳴き声を物真似をするということで有名です。他の野鳥の物真似と違うところは、ただ単に物真似をするということではなく、モズは謎めいた野鳥でもあり、冬場になる前にはモズの早贄(はやにえ)なる口刺し状態のエサを誇示したり、ウグイスオオヨシキリと自分より小さな野鳥のさえずりをつがいにしたい相手に披露して引きつけます。

⑥物真似するカケス(体長約33㌢)

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   最後に紹介しますのは⑥の写真のカケスです。カケスはカラスの仲間で知能は高いです。カケスは別名を持っていて、カチガラスという樫の実というドングリが大好きな野鳥です。冬場の前にはそのドングリを貯食するために色んな場所に隠して覚えます。頭にの中に脳内アプリかナビゲーションが入っているかのような情報量の多さです。モズは繁殖相手へのディスプレイの一つに使いますが、カケスは自主防衛のために自分より大きなトビやカラスの物真似をして天敵を牽制します。

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