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第1909回 光り物が好きな鳥

https://japaclip.com/より引用の光り物のイラスト

「光り物」といいましたら、私たち人間にとっては、ダイヤモンドやサファイア、ヒスイなどの宝石の指輪やネックレス、ピアス、ブレスレットなどのアクセサリー、金、銀をはじめ、プラチナ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムの合計8種類がジュエリーで、これらを含めたものが、俗に言う「光り物」です。人間社会なら、これらには鑑定書が付いていて、宝石類なら、何カラットのダイヤモンドという価値付がありますが、今回の野鳥たちは、ただキラキラ輝く「光り物」に興味を示して集めるのです。

②-1.http://blog.livedoor.jp/ryoukan_diy/archives/52066070.htmlより引用のカラスや鳥除けのCDソフト

②-2.https://limia.jp/article/106432/より引用のカラス除けのCDソフト

   カラス(ハシブトガラスハシボソガラス)だけではなく、スズメヒヨドリムクドリなどの農産物を食い荒らす鳥に対しての鳥除けに、鳥が好む農産物や稲などを植えている田畑を対象に、②-1.や-2.の写真のように、光が当たればキラキラ輝くCDソフトをぶら下げることで、鳥たちが驚き嫌がって近づかなくなるといわれます。この害鳥と言われる鳥の中では、カラスだけは「光り物」が好きだと言われています。それではCDソフトは逆効果ではないがということになりますが、カラスは知能が高いため、とても用心深いので、CDが風に吹かれて、ゆらゆら揺れ、光があちこちに反射すると、正体不明のものに警戒心を抱いて、近寄らないという事です。しかし、CDが自分にとって危険でないと気づくと、忽ち効果は無くなります。

③-1.https://with-bird.com/crow-trait/より引用のハシブトガラス(体長約56㌢)が銀紙を咥える

③-2.https://sp.bokete.jp/boke/73593650より引用のパン切りナイフを咥えるカラス

 以前に『光り物が好きな野鳥』でも書いたと思うのですが「私もまた「カラス」が光り物を集めることがあることを経験しています。お墓詣りの際に墓石に那智黒石が綺麗に並べられ、また金属製の線香立てがなくなってやはり他の墓石に置かれていました。これなんかはキラキラ光るものに、興味を示すことのカラスの仕業と思います」と記述しています。今の職場のゴミ置き場で、ゴミ袋を漁るハシブトガラスの一つに、キラキラ光るプラやフィルムを集めるものがいるのは確かです。

④-1.http://www.birdfan.net/2019/07/19/72268/より引用のブッポウソウ(体長約29㌢)

④-2.http://www.birdfan.net/2021/04/09/82086/より引用のカワセミ(体長約17㌢)

   青い構造色が綺麗な④-1.のブッポウソウは「森の宝石」と呼ばれています。こんな呼び方と同じように「清流の宝石」と呼ばれているのが、④-2.のカワセミです。この鳥も青い構造色の綺麗な鳥です。共に『宝石』と名付けられていますが、ブッポウソウだけは、自分でもキラキラ光るものが好きなようです。繁殖期の巣の中や周囲には貝類の殻、プルタブや瀬戸物のかけらなど光沢のあるものがあり、ブッポウソウがこういったものを集めることが知られているようで、おしゃれです。

⑤-1.https://bigissue-online.jp/archives/1027351193.htmlより引用のつがいのアオアズマヤドリ(左がメス、右がオス共に体長約30㌢)

⑤-2.https://karapaia.com/archives/52151816.htmlより引用のアオアズマヤドリの求愛行動 

   ⑤-1.の写真は今、求愛行動の真っ最中のニワシドリの仲間のアオアズマヤドリの雌雄です。この鳥も凄い雌雄の容姿の差が激しい性的二型です。ニワシドリの仲間は、コヤツクリ、アズマヤドリと呼ばれます。いずれの漢字表記も「庭師鳥」「小屋造」「東屋鳥」となります。「東屋」とは公園や庭園などに建設された、四本の柱で屋根を支えている建物のことで、休憩、眺望のために建てられたいわゆる恋人との語らいの場とも言えます。オスは繁殖期が近づくと、直径1〜3mほどの区域から落ち葉や枯れ枝などを除いて、ニワシドリの名の由来となったコート=庭にし、さらにその中に大きな小屋型の構造物のバワー=あずまやを作ります。なおこれは巣ではなく、つがいになれば、巣はこれとは別にメスが単独で作ります。つがいのメスを獲得するためのオスの努力です。


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