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第1858回 キツツキという鳥

①https://www.google.co.jp/amp/s/chicodeza.com/freeitems/kitutuki-illust.html%3famp=1より引用のキツツキのイラスト

   いつもながら、キツツキの記事を書く時は「キツツキと言う名の鳥はいません」からはじめないとなりません。キツツキという呼び方は総称で、漢字表記は啄木鳥です。それぞれのキツツキの呼称はアカゲラクマゲラコゲラなど『ケラ』がつきます。キツツキの仲間で『ケラ』が付かないのはアリスイだけです。この『ケラ』は単純に「木をつつき」木の中にいる虫を捕食することに由来し、その虫のことを『ケラ』という説もあります。ケラツツキがキツツキに変化したのではないでしょうか。その他逸話として大阪の四天王寺と聖徳太子にまつわる妖怪「テラツツキ」が変化したとか、色んな昔話もあります。またキツツキと名がつく鳥は日本にはいませんが、北アメリカ、中央アメリカにはドングリキツツキカンムリキツツキなどキツツキと名が付く鳥はいるのです。

②-1.https://mainichigahakken.net/hobby/article/-1tokyo-35.phpより引用のキツツキの頭蓋骨

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②-2.http://nature-sr.com/index.php?Page=11&Item=145より引用のキツツキの長い舌

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   キツツキというのは総称であることは説明致しましたが、またキツツキが堅い木の幹に穴を開ける時には、1秒間に20回もクチバシで木を突きます。
その時キツツキが1回に受ける衝撃は、時速25㌖で壁に頭をぶつけるくらいの衝撃です。しかし、キツツキは頭痛や脳震盪を起こしたりはしません。キツツキの脳は、3重のクッションで衝撃からがっちり守られています。また②-2.の図解のように、クチバシの根本に発達した筋肉と大きくて厚い頭蓋骨の中のスポンジが、頭に伝わる衝撃を吸収します。②-1.の図解のようにさらに、キツツキの長い舌の付け根は後頭部にあり、頭蓋骨をぐるりと取り囲むクッションとして脳を守っています。

③-1.http://forester.uf.a.u-tokyo.ac.jp/~ishiken/japanese/kogera/woodpeckerchar.htmlより引用のキツツキの尾羽

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③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/taratara/entry-11993374347.htmlより引用のキツツキの趾(あしゆび)

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   また③-1.のようなキツツキの垂直止まりは、木登りの時に、体を股関節まわりに回転させ、体を樹幹に近づけてから蹴り出しを行ないます。その趾は③-2.の図解のように、第二指、第三指が前、第一指、第四指が後ろです。第二~四指を主に使い、第一指はほとんど使わないので、ミユビゲラのように退化してしまった種もあります。第四指は後にも横にも向けられる外対趾足で、木に登る際に側方運動を助け、垂直に止まれ、両脚と硬い尾羽の三点で体を支えます。尾羽は特に太くて硬いのは中央の四枚。両端の二枚は柔らかいです。

④-1.http://www.yatsugatake-club.com/cgi-bin/dayori/20120430172550&cateno3=1-008より引用のコゲラ(体長約15㌢)の巣作り

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④-2.http://www.eco.misawa.co.jp/eco_answer/build/index.htmlより引用のキツツキの巣穴のイラスト

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④-3.http://www.koueki-suntory-aityou.jp/topics/1702.htmlより引用のキツツキのねぐら

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   キツツキというと、やはりクチバシで樹木を突いて穴を開けて、作った④の写真のような巣だと思います。クマゲラが古巣を利用することもある以外は、子育て用の巣は毎年新しく作ります。ちょっと変わったノグチゲラは傾きが65~75度の樹の下側に巣を作ります。平坦な森林では営巣せず、40度ほどの急な山腹で営巣します。また、樹木に穴が開いているからといって、それはキツツキの巣とは限りません。確実にひとつなら、それは子育てのための営巣で、穴が少ない方が侵入される危険性は低いとされ、卵やヒナは逃げられないので、一箇所を集中的に守る方が得策です。複数の穴が開いていれば、ねぐらです。蛇などの外敵が侵入してきたら、別の穴から逃げるという防衛策です。古巣を利用することも有れば、外縁部まで腐朽している樹でも、細い木でもよく、掘り方が雑でも、日繁殖樹のねぐらには事を欠きません。

⑤YouTubeより「アカゲラのドラミング」

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   キツツキは繁殖期になりますと、ほかの鳥たちが求愛行動や縄張り宣言のためにさえずりますが、キツツキはさえずるなりました代わりにドラミングという樹木の表皮をクチバシで大きく鳴らすことで縄張り宣言やさえずりの代わりをします。ドラミングは雌雄共に行ないますがオスのほうが多く、平均的に秒速6.1㍍(時速24㌖)ほど。一突きに1,000分の1秒で表皮に打ち込みます。
❶  コゲラ→一秒間に25回 一スパンが0.3秒で、8~9打  一打目が最も強く、だんだん弱くなる。
❷  アカゲラ→一秒間に18~22回  0.6秒で13打
平均間隔0.05秒
❸  オオアカゲラ→一秒間に16回  1.8秒で29打
平均間隔0.06秒
❹  アオゲラ→一秒間に19回
❺  クマゲラ→一秒間に18回  一日に8,000~12,000回
❻  アリスイ→抱卵交代など、繁殖期にドラミングを行うことがある  1.3秒に23回                               縄張り宣言時のドラミング前の鳴き声                    
❶  コゲラ→キッキッ   ❷  アオゲラ→ピョー  

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