第2124回 日本の珍鳥とはいえない珍鳥
①https://hiyoko.tv/torimono/news/eid580.htmlより引用の珍しい鳥のイラスト
①のタイトルイラストは、 ハシビロコウのイラストのようです。珍鳥といえば珍鳥なんですが、最近ではマスコミに取り上げられることが多くて、日本には分布しなく、中央アフリカ熱帯部にある淡水の沼に生息し、南スーダンからコンゴ民主共和国、ルワンダ、ウガンダ、タンザニア西部、ザンビア北部に分布しています。日本には13羽が飼育されており、東京都恩賜上野動物園(東京都)、千葉市動物公園(千葉県)、掛川花鳥園(静岡県)、神戸どうぶつ王国(兵庫県)、松江フォーゲルパーク(島根県)、高知県立のいち動物公園(高知県)の六箇所の動物園にいます。珍鳥とは言えない。
②https://www.birdfan.net/2017/06/30/53857/より引用のつがいのタンチョウ(奥がオス体長約140㌢、手前がメス体長約130㌢)
日本の珍鳥としていの一番に現れますのは、②の写真のツルの仲間のタンチョウです。日本でツルと総称される鳥のうちでは最大級の大きさで、代表的な鳥です。日本では北海道東部であります道東に周年生息いたします留鳥です。日本で最も有名な生息地は釧路湿原一帯でありますが極稀に石狩平野の上空を飛来することがあります。珍鳥と言われましても、私たちは昭和五十九年秋に発行され新千円札にタンチョウが登場致しましたし、またお正月の縁起物の「松に鶴」の日本画も有名ですし、長寿の象徴でもあります「鶴千年、亀万年」も有名で、直接に目で実物を見たわけではありませんが、かなりタンチョウは有名です。
③http://ksan.sakura.ne.jp/ryoko2/201711/002kounotori.htmlより引用のつがいのコウノトリ(左がメス、右がオス共に体長約110㌢)
もう今の時代に「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」と③の写真のツルによく似たコウノトリのことを小さな子供に言い聞かす親も少なくなって来たようです。しかし私の子供の頃は、コウノトリが赤ちゃんを運んでくると言うのは当たり前のことでした。私のすむ近畿圏では兵庫県豊岡市がコウノトリの話題をさらう分布地です。かつては日本各地で見られたそうですが、1953年に「天然記念物」1956年に「特別天然記念物」に指定されるも、1970年代には日本で繁殖していたものは絶滅してしまい、豊岡市で人工繁殖と野外放鳥が行われており、その中から繁殖するものも出てきているようです。また、稀に大陸から渡りの途中で少数が日本を通過時にその際に迷い込むものも。
④https://www.nippon.com/ja/features/c03904/より引用のつがいのアホウドリ(左がオス、右がメス共に体長約91.5㌢)
この④の写真のアホウドリは珍鳥だと思います。それはこの鳥を漢字表記で「信天翁」「阿房鳥」「阿呆鳥」とかの中のひとつ『阿呆』のアホだからアホウドリはやっぱり珍鳥すぎます。真面目なことでは、1958年に「天然記念物」1962年に「特別天然記念物」に指定されました。北半球最大の海鳥と言われ、全長は約92㌢、翼を広げると約213㌢の大きさです。海面近くの風速差を利用することでほとんど羽ばたかずに波の上を飛ぶことができ、体の長さに比べると翼が長いこともあります。飛翔する姿はとても優雅で美しいことでも知られます。アホの由来は人が近づいても逃げ飛び立つことが出来ないためでした。羽毛を取るために乱獲され、1947年には姿が見られず絶滅したと考えられていました。現在は伊豆諸島の鳥島、尖閣諸島の一部の島にのみ生息し、約2000羽を超えるまでに回復してきていると言われています。
⑤https://omachi-sanpaku.com/display/archives/project/entry-404.phpより引用のつがいのライチョウ(左がメス、右がオス共に体長約37㌢)
⑤の写真は繁殖期のつがいのライチョウです。非繁殖期では赤い両耳みたいな肉垂れはこんなに赤くはありません。約二万年前の氷河時代からの貴重な生き残りと言われています。1923年に「天然記念物」1955年に「特別天然記念物」に指定されました。『ニホンライチョウ』とも呼ばれ、ライチョウ仲間の日本固有亜種でもあります。年に三回換羽し、春羽はオスが黒褐色、メスが黄褐色で夏羽は両方とも山肌になじむ暗褐色、冬羽は尾羽の一部以外は雪山に溶け込む純白になり、いずれも保護色として身を守る役割があります。飛騨山脈、赤石山脈など日本アルプスの一部にある高山帯の草原やハイ松林に生息しています。江戸時代には「神の使者」として信仰の対象になり、保護されていた歴史があり、明治時代には乱獲により減少しました。やはり珍鳥だと思われています。
⑥https://abikoyacho.org/gallery/201308/2013.htmlより引用のつがいのメグロ(左がオス、右がメス共に体長13.5㌢)
メグロとネット検索致しましたら、ヒットするのはカワサキという単車メーカーの大型スポーツバイクです。この会社の名前の由来は1924年に東急目黒線不動前駅近くで創業したからで、鳥のメグロとは関係ありません。メグロはメジロの仲間ですが、メジロよりひとまわり大きく、目の周りに三角形の黒い模様があるのが特徴です。これがメグロの名前の由来となりました。1969年には「天然記念物」1977年には「特別天然記念物」に指定されています。太平洋戦争や開発による生息地の破壊で減少し、絶滅が心配されています。世界中で小笠原諸島のみに生息するため、日本の固有種である前に小笠原諸島の固有種と言える大変貴重な鳥なのです。メグロが生息している島のうち、定期船が通っているのは母島だけですが、海岸から丘陵上部まで広く分布しているうえ、人を恐れない事から集落内でも見かける事ができます。分布生息地域が限定され日本固有種でもあります。
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