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第632回 恋する野鳥

①https://www.illust-box.jp/s/sougou/kw_青い鳥/より引用のイラスト

   春になりますと、この時期には寒い冬が去り、暖かい春、そしていろんな出発があります。初めて親の手を離れて、初めてのランドセル背負って、小学校に登校する新入生。また辛い受験シーズンを乗り越えた中高大学生。そして教育課程を終えて、晴れて就職する社会人一年生。そして人間もそうですが、野鳥も暖かくなって繁殖期を迎える『恋の季節』がやってきました。人間も野鳥も自分を相手に強くアピールして、早く相手と結ばれる絶好の機会がこの春なんです。

②高い木の枝から力いっぱいさえずるモズ(体長約20㌢)

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   この②の写真のモズは秋の「高鳴き」のポーズでありますが『恋の季節』でのモズ故のさえずりをするのです。モズは漢字表記で「百舌鳥」「鵙」大阪府の府鳥でもあり、また堺市には百舌鳥町という地名もあります。また説明百舌鳥古墳群は世界遺産の古墳にもモズの名前が記載されています。その有名な「鷹になれなかった雀」のモズは、様々な野鳥(数十種)の鳴き声を真似た複雑な囀りを行うことが和名の由来でもある「百舌鳥」。物真似をして相手を惹きつける雀です。

③https://publicinsta.com/hashtag/RedFlankedBluetailより引用の小さなクチバシで美しいさえずりのルリビタキ(体長約14㌢)

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   ③の写真をご覧いただけれはお分かりになると思いますが、ルリビタキは身体の割にクチバシが小さな野鳥です。ルリビタキの漢字表記は「瑠璃鶲」。『瑠璃』は宝石の因子を与えるような鮮やかな青色の意です。オスの成鳥は頭部から上面にかけての青い羽毛で覆われ、幼鳥やメスの成鳥は上面の羽毛は緑褐色。オスの幼鳥はメスの成鳥に比べて翼が青みがかり、体側面や尾羽の色味が強いです。「チュロチュロロロリ、チュロチュロロロリ」と、一定のテンポで鳴き続けて闘います。

④歌が好きなホオジロ(体長約16㌢)

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    ④の写真のホオジロは顔の模様とさえずりが特徴的な野鳥です。よくその顔を見ると、この写真からはわからないかもしれませんが、正面から見た顔付きはどこか歌舞伎役者に似ているのです。キレンジャクヒレンジャクもそうです。平地や丘陵地の森林周辺、農耕地、草原、荒地、果樹園、河原など明るく開けた場所に生息します。オスは草木の上に止まってさえずり、地域や個体にさはありますが、さえずりの節回しは独特で「一筆啓上仕候(いっぴつけいじょうそうろう)」

⑤お腹から勢いよくさえずるウグイス(オス体長約16㌢)

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   もう誰もが知っている野鳥界のスーパースターの⑤の写真のウグイス。漢字表記は「鶯」ですが、野鳥好きな方なら、こんなに難しい漢字でもウグイスと読めるはずです。春先に「ホー、ホケキョ、ケキョ、ケキョ」とさえずり、オスはメスに対して自分をアピールしなければいけません。その手段として「ホー、ホケキョ」と鳴きます。そして、数羽のメスをつがい相手にすると、子育てや巣作りに関わるのはメスだけで、自分は数羽のつがい相手の周りを警備するため大忙しです。

⑥https://jiyuzine.com/enta/post_1498/より引用の意外にさえずり上手なツバメ(体長約17㌢)

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   ⑤の写真のウグイスが野鳥界のスターというより何羽ものメスを束ねるプレイボーイだとしたら、同じく春先に南の国から生まれ故郷に帰って、繁殖相手を探して早くマイホームを築きたいツバメはまさに見習わなければならない男たるべき姿を持っています。まずメス連中より早く来て、マイホームの候補探し、そしてメスが到着すると「虫食って土食って渋い」のききなし通りにつがいの相手を見つけたかと思うと、営巣からメスとヒナへの給餌。また共同作業をこなします。


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