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第587回 冬の混群で…

①https://www.google.co.jp/amp/s/kijiijik.exblog.jp/amp/19199499/より引用の混群イラスト

   以前にもカラ類を中心とした小さな野鳥たちで構成される「カラ類の混群」を語ったことがあります。どうしても冬の季節になりますと、樹木の葉が散り落ち、枝ばかりになってしまい、枝に止まっている野鳥たちは、天敵の猛禽類に狙われやすくなってしまいます。だから自然の知恵かもしれないけれど、普段は群れないカラ類やほかの小鳥たちも皆で協力する意味の「混群」形成です。

②混群のリーダー格のシジュウカラ(体長約14㌢)

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   「混群」といえば、主に②の写真のシジュウカラを中心として、ヤマガラコガラヒガラ等のカラ類、コゲラメジロ、主にシジュウカラを中心として、非常に多くの鳥が混ざるのが特徴的です。それぞれの種の参加数は一羽から数羽程度で、群れ全体でも十羽の小規模なものが多いような気がします。これを率いているのが、簡単ですが単語で文章を作るとされるシジュウカラです。

③サブリーダー格のヤマガラ(体長約14㌢)

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   そのサブ的リーダーを務めているのが、③の写真のヤマガラです。シジュウカラの「ツーツーピー、ツーツーピー」警戒音「ジュクジュクジュク」の単語文章を理解するように、「ツツピッ、ツツピッ」とゆっくりさえずり、警戒音「ニーニーニー」「ピーツツ ピーツツ」と鳴き方も似通っています。それにコガラヒガラゴジュウカラなどのカラ類が従って群れを構成しています。

④構成仲間のコゲラ(体長約15㌢)

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    このコゲラはカラ類ではありませんが、コガラと同じような木での垂直止まりをするなど、カラ類の動きに似通った動きをするため、仲間として参加します。その協力体制の一つが、木の皮の下にいる虫をコゲラがつついてたしてやり、またサブリーダーのヤマガラは硬い木の実の殻を上手く砕いてほかの野鳥に与えてあげるなど「混群」としてのまとまって助け合う互助精神の表れです。

⑤たまに参加するメジロ(体長約12㌢)

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    普段の⑤のメジロはもちろんカラ類でもありません。この小さな野鳥のメジロが有名なのは「メジロ押し」という言葉で、三羽から四羽のメジロが隣同士で押し合うように、お互いの身体を寄せて暖をとる光景です。いつも私たちが春先で見るのはつがいで、民家の梅の木に集まる光景ですが、それ故にこの「混群」に参加して「チー、チー」という地鳴きで鳴き交わします。

⑥重要な構成仲間のエナガ(体長約14㌢)

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   この「混群」に強い影響力があるのが、⑥の写真のエナガです。エナガもカラ類ではありませんが、参加することが多いです。エナガは尾羽が長いからようやく体長約14㌢ですが、普通の長さの尾羽なら、ミソサザイキクイタダキのように体長約10㌢くらいの小鳥です。このエナガが「メジロ押し」のように塊り、群れる数の多いこと…この小さなエナガの警戒心が群れを守ります。

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