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第1373回 雌雄モザイク鳥(復習)

①https://www.mirainoshitenclassic.com/2017/11/n_23.html?m=1より引用のショウジョウコウカンチョウ(体長約21㌢)

   皆さんはこの①の写真(ショウジョウコウカンチョウ)や②〜⑤の写真をご覧になって、あぁ、どこかのネットで見たことがあると思われた方は多いと思います。私が初めてこんな写真を見た時は、現在の写真合成技術は相当進んでいて、こんなことも出来る様になったんだと思って、ろくすっぽその写真の解説文書を読もうとはしませんでした。頭からこんな写真は加工された物だと思っていたからです。しかし、何気なしにその文書を読んでみましたら、すごい事実が隠れていました。

②https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/101300593/?ST=m_newsより引用の雌雄モザイクのムネアカイカル(体長約18〜22㌢)

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   ①〜⑤の生き物の写真はモザイクと言うらしいです。よく事件などのテレビのニュースや報道番組で顔を見えないようにするのもモザイクですが、この身体半分半分が非対称な生き物もモザイクというみたいです。ご多分に漏れずにやはり鳥類の世界にもいるようです。記事になっていたのは、①のフィンチの仲間のショウジョウコウカンチョウと②のイカルとはついていますがフウキンチョウの仲間のムネアカイカルです。どちらの種もモザイク模様となっています。このモザイクの事を雌雄モザイクと言い、昆虫類に多いらしいです。

③https://zatsuneta.com/archives/003871.htmlより引用の雌雄モザイクのアゲハチョウの仲間

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   ここで雌雄モザイクとは何かですが、簡単に説明しますと、個体の半分がオスで半分がメスの状態のことを言います。大多数の生物は、同じ種でも個体に性別という区別が存在します(一部生物には雌雄同体があります)。オスとメスとで細胞の遺伝的構成は異なり、多くの場合、オスの特徴とメスの特徴は一つの個体で併存することはありません。その例外の一つが雌雄モザイクなのだそうです。昆虫や蜘蛛、節足動物の蝦にその状態が多く現れ、その傾向は鳥類にまで及んでいるのです。

④http://karapaia.com/archives/52141517.htmlより引用の雌雄モザイクのナナフシ

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   雌雄モザイクが最もよく見られるのは蝶らしく、大多数の生物は、同じ種でその大きさや色などでオスとメスの差がはっきりと区別できる性的二型ですが、雌雄モザイクはひとつの個体に雌雄が同居する例外として起こります。雌雄モザイクの個体は、同種のオスとメスのどちらを惹きつけるのでしょうか。人間ではニューハーフと呼ばれる人等はいますが、どちらかの性に憧れて、人工的にその性になりますが、自然界で生きる野鳥にはそんな選択は出来ないので、今後の研究次第です。

④http://karapaia.com/archives/52141517.htmlより引用の雌雄モザイクのナナフシ

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   この雌雄モザイクの昆虫類や蜘蛛、節足動物、甲殻類に比べて、この⑤の写真は哺乳類の猫のキメラです。見事に顔が黒猫と茶色に分かれいます。いま日本では、性的二型がある猫がいるとすれば三毛猫くらいです。遺伝子の関係で三毛猫として生まれてくるのはメスらしいです。キメラは同一個体内に異なった遺伝情報を持つ細胞が混じっていることで、二つの受精卵が融合し、二種類の異なる遺伝子の細胞を併せ持つ個体で、雌雄モザイクとは違いキメラはメス猫として生きています。

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