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第970回 鳥の共生

①https://www.artbank.co.jp/stockillust/image_html/yasunakaakio/1-D-AZY102.htmlより引用の動物の共生のイメージ

   いつでも『共生』という言葉は良く耳にします。「自然との共生」「生き物との共生」「植物との共生」「海との共生」などなどなど…いくらでもひとは開発という名の自然破壊を行う時に、その行為を隠すように『共生』という呼びかけをして、さも人との「共生」は大切な事なんだと自分たちに言い聞かせているようにも思えます。私はそれを聞く度に人間は勝手な生き物なんだと自分も含めて反省することが多いです。なぜなら昔は『共生』とわざわざ呼ばなくても共生していました。

②http://gogolesson.jugem.jp/?eid=30より引用のコウノトリを使う共生米のイラスト

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   人間が『共生』とうたっていることに野鳥との「共生米」があります。②のイラストは兵庫県豊岡市のコウノトリを使った農薬を使わない、安全な無農薬のお米を作るコウノトリとの「共生米」です。他にもツルやトキヒシクイ、カリなどの野鳥を使った「共生米」もあります。中にはアイガモを田植えの時期に羽根を一部切って飛べなくした上で田んぼに放ち、稲につく害虫を駆除させて稲を育て、稲刈りの時期が来たら放たれると思いきや鴨肉として売る勝手な人間もいるのです。

③https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/oldworld/entry-10129733609.htmlより引用のミツオシエとラーテルの共生のイラスト

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   人が絡むと営利なことが多すぎる野鳥との『共生』に対して、野鳥たちは人間抜きにも共生を行っています。日本にはいませんがアフリカにはミツオシエという鳥は蜂蜜好きのラーテルに蜜蜂の巣を教えて、ラーテルがその蜂蜜を食すために巣を壊したそのあとの蜜蝋や幼虫をミツオシエが食す共生をします。また同じアフリカにはナイルワニの歯についた食べかすを掃除して、虫歯を防ぐ歯医者の役をする共生のナイルチドリ、牛やキリンの寄生虫を食べる共生のウシツツキなどです。

④http://kogose2630.seesaa.net/article/473022377.htmlより引用のヒレンジャク(体長約17㌢)とヤドリギ の共生

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   日本にはいないのかといいますと、④の写真はヤドリギとヒレンジャクの写真です。ヤドリギは寄生樹として有名ですが、自分を蘇生させる木の実は一般の鳥は敬遠するほどまずいのに、何故かキレンジャクヒレンジャクはこの実が大好きで、このヤドリギの種子を他の樹木にネバネバさんした糞で木の枝につけてもらうことで、共生しています。他にはやはりヤマガラと実に毒性のあるエゴノキの実を食し、その実を他の樹木の幹などに貯食することで、エゴノキ植林される共生です。

⑤-1.http://ckcs-nono812.com/2019/06/26/tsumi-onaga/より引用のツミのヒナのいる営巣

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⑤-2.http://kogose2630.seesaa.net/article/473022377.htmlより引用のオナガの営巣

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   また日本の野鳥には野鳥同士の共生もあります。⑤-1.の写真は猛禽類のツミのヒナの様子と、⑤-2.は知能の高いオナガのヒナを育てる営巣の写真です。ツミは漢字表記で「雀鷹」「雀鷂」で、わずか体長約27〜32㌢の   ハトより小さな猛禽類です。ツミの巣の近くには必ずオナガは三組以上が営巣します。オナガの天敵のカラスがオナガツミのヒナを狙って襲ってきます。それをいち早くオナガが察知して、ツミの親鳥に鳴き声で知らして、ツミにカラスを追い払ってもらう共生です。

⑥-1.https://birdword.exblog.jp/28053308/より引用の耕運機の後をアマサギ(体長約50㌢)が追いかける。

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⑥-2.http://k-kabegami.com/ikanago/4.htmlより引用の漁船に群がるカモメ(体長約45㌢)などの仲間

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   今までに紹介してきましたのは野鳥と人間や植物、動物や野鳥同士の『共生』ですが、よく似ていますが『片利共生』という一方通行の『共生』もあります。⑥-1.は田起こしのために耕運機を操作して入りは後に、写真ではアマサギが写っていますが、その他ムクドリなんかも続きます、これは田起こしすると、土の中から甲虫の幼虫や虫が現れることを知っている野鳥が集まります。また⑥-2.は皆さんもご存知のカモメウミネコ等が漁船に群がるのは溢れ落ちる魚の恩恵があります。

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