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第1103回 黒けりゃカラス? ⑴

①https://www.wallpaperbetter.com/ja/search?q=黒い鳥のイラスト

   カラスというと良いイメージを持っておられない方がほとんどだと思います。身近な野鳥の中では大きな身体で真っ黒だし、また憎き朝にはゴミ袋を破って中の残飯を食い散らかす。またさえずりがうまいわけでなく「カァカァカァ」と何か馬鹿にしたような鳴き声で、それでいて知能が高い。悪戯を平気でする。これではいいイメージを持つ人はいません。カラスの漢字表記は「烏」「鴉」「鵶」「雅」「慈鳥」と五つもあり、この中の「烏」はやはり同じく黒いウもこの漢字です。

カラスバト(体長約40㌢)

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   カラスバトは日本では中部以南に生息していると言われます。身近な鳩とは言えませんが、何故か見覚えのある色合いです。カラスのように真っ黒ではなく、全体的に黒っぽいだけだと思います。身体の割には頭が小さく、やはり身体は光沢のある黒い羽毛で被われています。光のあたり具合ではハシブトガラスも光沢のある黒っぽい身体ですから名前の前にカラスがつけられても仕方ないかもしれません。よく街で見かけるこのカラスバトに似た鳩はおそらくドバトとの交雑種でしょう。

カワガラス(体長約22㌢)

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   この③の写真はカワガラスです。カラスのように黒いと言うか、真っ黒ではなく焦げ茶色に近い黒さだと思います。このカワガラスは河辺の忍者と言われています。ご覧のように川の上流の急流に生息して、流れに遡り歩いたり、時には岩の上を走り跳んだり、水鳥ではないので、水掻きもないのに、水上を泳いだり、また翼を上手く使ってもぐったり。また忍者の由縁たることは水中を歩きます。滑らないのは、足の裏がゴムのように滑らないようになっています。ミソサザイに似ます。

ウミガラス(体長約42㌢)

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   カワガラスもいれば、ウミガラスもいるだろうではないのですが、カラスのように全身が真っ黒と言うのではなく、背中が暗褐色です。しかし腹は白いです。冬羽では頬のあたりまで白い部分が増えるようです。クチバシは長く、脚は尾の近くにあって、翼も尾も短いです。日本周辺では樺太の海豹島、海馬島、ハバロフスク周辺、北方領土の歯舞群島に分布し、冬期には本州の北部まで南下してくるようです。水中では翼で羽ばたき泳ぎ、水深50mまで潜ります。ペンギンに似ています。

⑤http://interesting.world.coocan.jp/hphp/b/world/america/virginia/i-17.htmより引用のハゴロモガラス(体長約19〜24㌢)

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   いままでの②〜④のカラスと名が付く野鳥ではあるけれど、黒っぽい身体付きだけで、他の鳥のほうによく似ていたと思いますが、このハゴロモガラスだけはカラスによく似ています。スズメ目ムクドリモドキ科に分類されます。ここでもムクドリに似てそうでムクドリの仲間ではないとされています。またカラスの仲間でもありません。北アメリカで繁殖し、冬期にアメリカ南部やメキシコなどに移動する冬鳥です。雑食性ですが、時には大群を組んで、農産物に被害を与えます。

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