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第1250回 カイツブリの生活(カイツブリ4回目)

①https://www.google.co.jp/amp/s/tekuteku23.exblog.jp/amp/28587163/より引用の葦(あし)や水草・枯れ葉などで水面に作ったカイツブリの巣の親子(奥側がメス、手前がオス共に体長約26㌢)

   カイツブリに初めて出会ったときは、季節的にいいますと、春真っ只中の四月も半ば過ぎに、街中の一番大きな公園の中にあるやはり大きな溜池でした。突然唐突にポチャっという水音もなしに、姿を視界から消して潜水したのです。そして浮かび上がり、さのクチバシには小さな魚を咥えていました。浮かび上がった池の水上には、つがいの相手らしいメスが①の写真のように、ヒナたちを背中におんぶしていました。その後多分オスのカイツブリが家族と木陰へと消えて行きました。

②http://blog.livedoor.jp/maiaitsuki/archives/1039427633.htmlより引用の街中のカイツブリのイラスト

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   私が初めて出会ったときはこの①の写真と②のイラストのような、いままさに子育ての真っ最中みたいでした。カイツブリは鳰(にお)、鸊鷉(へきてい)、鸊鵜(へきてい)と、難しい漢字表記をされています。『鳰』は「水に入る鳥」で『鸊鵜』は鸊には小鳩の意があり、同じなく水中に潜る鵜が後ろに付いていますから「小鳩のように小さな鵜」ということになります。現在の和名であるカイツブリの意は櫂のような特有の弁足で、潜る時の水音が「ツブリ」に転じたとする説があります。

③-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/lily20140219/entry-12592017627.htmlより潜水するカイツブリ

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③-2.https://squatyama.blog.ss-blog.jp/2009-11-09より引用のカイツブリの弁足

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   カイツブリは本州中部以南では留鳥として周年生息するが、北部や山地のものは越冬することから、北海道や本州北部では漂鳥です。泳ぐことが得意と思いきやそうでもなく、潜水に特化するように趾(あしゆび)は水掻きではなく、③-2.の写真のように弁足という趾で、しかも③-1.の写真のようにお尻のすぐ近くに趾が生えています。 この形状の趾では歩くことはできますが、あまり上手く歩けません。また体長約26㌢の身体に対して、翼は約40〜45㌢と短く、鳥なのに飛行も苦手です。

④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/tontonoyaj.exblog.jp/amp/21660557/より引用のカンムリカイツブリの求愛ディスプレイ

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④-2.http://karapaia.com/archives/52191917.htmlより引用のカンムリカイツブリの求愛ディスプレイ

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   ④-1.の写真はカイツブリが水上を勢いよく走行して、苦手である飛行を試みているところです。鳥なのに飛行するのが苦手な鳥はキジコジュケイなど、地上採餌の生活をする翼の短いものや、飛行すれば長時間に水上飛行し、飛び立つことと着地が苦手なオオミズナギドリなど身体の割に翼が長すぎるものもいます。カイツブリは水上生活が殆どですから、キジのようなパターンです。④-2.の写真のように、カンムリカイツブリはこの見事な水上走行を求愛ディスプレイにします。

⑤https://midorinotori.com/?p=10828より引用のカイツブリの浮巣

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   ②のイラストの右上にあるのが浮巣です。また⑤の写真も同じく浮巣です。浮巣とは葦や水草・枯れ葉などで水面に作ったカイツブリの巣のことを言います。水辺の樹木の枝が水面に伸びたものを利用して、流されないように工夫しています。前の項でもご説明させて頂いたように、カイツブリは歩くことも、飛ぶことも苦手なので、樹上の枝や地上に営巣できません。食べ物も潜水して小魚や海老を捕食し、生活空間も野鳥ではカイツブリだけが営巣し、何から何まで水上飛行します。

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