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第716回 カワセミ(13回目)

①http://blog.livedoor.jp/hyoutyou/archives/65703687.htmlより引用のカワセミ(体長約17㌢)

   私が一番好きな野鳥といえば、カワセミをあげます。私のハンドルネームの一部の『翆』を使わしてもらっているからです。カワセミの漢字表記を以前にも語りましたが凄く多いので、割愛します。カワセミがズングリムックリに見えるのは体長約17㌢に対してクチバシが約4㌢ほどあるからです。また②の写真をご覧いただけれはお分かりになると思いますが、雌雄同色でしが、左側のオスのクチバシの上下が黒く、右側のメスのクチバシは下部が赤いです。幼鳥期間は雌雄黒いです。

カワセミのつがい(左側がオス、右側がメス)

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   カワセミは雌雄同色の綺麗な構造色の野鳥です。またそのクチバシの長さは後述いたします。首の回転角度が、270度も回転する「フクロウ」が凄いと言われていますが、このカワセミはなんと320度も回ります。脚は短足、本来なら鳥類の殆どが四本の趾(あしゆび)に対して、カワセミは合趾足といって、趾の基部が癒合していて、趾は三本しかなくそのうちの二本が癒着しています。これはクチバシもそうですが、カワセミにとって、営巣時に役立つ身体つきなのです。

③https://maruyama-isamu-atsugi.muragon.com/entry/27.htmlより引用のカワセミの営巣

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   カワセミの営巣はこの③の写真のような土手などに穴を掘って作ります。巣穴を掘るときに趾が離れると掘りにくいですが、癒合していれば掘りやすいです。巣穴が大きすぎると天敵に襲われやすくなりますが、短い脚なら体とほぼ同じ大きさの穴を掘れます。カワセミのオスはつがいのメスのために、巣穴を探し当て、この長いクチバシから土手に突進していき、穴を掘るのです。室内は10〜20度のやや上向き傾斜をつけて、0.5〜1mの深さで一番奥がペリットを吐き出した産座です。

ヤマセミのつがい(左側がオス、右側がメス、雌雄ともに体長約38㌢)

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   カワセミブッポウソウの仲間にあたり、この④の写真のやはり同じ仲間のヤマセミと比較されます。体長は圧倒的にヤマセミの方が大きいですが、②と④の雌雄の区別は双方ともにメスの方の色合いが薄くなっています。⑤の飛び込みはカワセミが小さいゆえに流れが緩やかに対して、ヤマセミは流れが速いのも可で、カワセミは水20㌢を垂直のみ、ヤマセミは水深60㌢斜めも可のダイブができます。水中を斜めに潜るには体力が必要で、また水の屈折率の補正も必要です。

⑤https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/235552/blog/40878786/より引用のカワセミの飛び込み

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   しかしカワセミはその身体の小さくて体色が構造色になっていて、身体の割に長いクチバシや、そのダイビング姿勢の美しさから、500系新幹線のモデルとなったことは余りにも有名です。新幹線が高速でトンネルに突入すると、空気の圧縮波が生じて出口付近で一部放出され、非常に大きな音がします。俗に“トンネルドン”と呼ばれる現象をコンピュータ解析し、カワセミのクチバシが水面にダイブする形が一番適切だとされ、この騒音問題も解消され、時速350㌔を実現しました。


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