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第1836回 鳥の繁殖能力

①-1.https://karapaia.com/archives/52263120.htmlより引用の子だくさんのカルガモ(体長約61㌢)

①-2.https://www.google.co.jp/amp/s/korurisuki.exblog.jp/amp/31380579/より引用の子だくさんのカイツブリ(体長約26㌢)一家

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   人間も「十人十色」と言われますが、やはり鳥も同じく、色んな鳥がいる訳です。そんな鳥の繁殖能力で、一番有名なのが①-1.のカルガモです。鴨の仲間ですが、渡りをしない留鳥で、春に皇居周辺で沢山のこがもを連れて引っ越しをします姿がよくテレビに映し出されます。一度の産卵で10〜14個の卵を産みます。①-2.はこれも子だくさんのカイツブリ一家です。よく間違われますが、カイツブリは鴨の仲間ではなく、潜水もできる水鳥で留鳥です。日本では主に4〜7月繁殖し、一回に4〜6個の卵を年に1〜3回に分けて産みます。その為に子だくさんですが、つがいで育てあげます。

②-1.https://sigma-nature-vlog.blogspot.com/2018/11/blog-post_24.html?m=1より引用の繁殖回数が多いドバト(体長約33㌢)

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②-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32115000097より引用のキジバト(体長約33㌢)の授乳

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   カイツブリのように一年で繁殖回数が多い鳥たちもいます。その代表的な例が②-1.のドバトと②-2.のキジバトです。ドバトは集団行動が強く、鳩の繁殖時期は春と秋で、年に七~八回産卵します。鳩は10~20年も寿命があり、生後半年で繁殖期に入ってしまうため、繁殖数が非常に多いです。また鳩はどんな種でも、ヒナに給餌するのは雌雄共に胎内で生成されるピジョンミルクです。メスだけでなくオスも与える事ができます。キジバトは子育てに失敗すると、つがい関係を破棄します。

③-1.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/022800097/?ST=m_newsより引用の七十歳で産卵したアホウドリ(体長約91.5㌢)

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③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/korakufarm.exblog.jp/amp/22161645/より引用のイヌワシ(左がオス体長約81㌢、右がメス体長約89㌢)の子育て

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   この世の中にはこれまでの中国のように、一世帯一子の政策をとり、人口増加の歯止めにしていた国もありました。鳥の世界では③-1.のアホウドリがそれに当てはまります。海鳥のアホウドリは年に一回だけ、10〜11月に一個の卵を産卵し、失敗しても産み直さないと言います。ウトウオオミズナギドリも同じです。少なく産む理由に寿命が20年以上といいます。2020年に七十歳のアホウドリが産卵したようです。また日本では2〜3月に一回の産卵で、1〜2個しか産まない③-2.の猛禽類のイヌワシがいます。猛禽類ゆえに餌の縄張り意識が強く、増えすぎますと生態系に異変をきたします。また二個の卵が孵化しても、親鳥からの餌の奪い合いにより、必ず一羽しか育たない様です。

④-1.https://digiphoto.at.webry.info/202002/article_2.htmlより引用のカワガラス(左がメス、右がオス、共に体長約22㌢)の求愛ディスプレイ

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   よく他の人から「鳥たちの繁殖期間はいつですか?」と尋ねられることがあります。即座に「虫がでてきます春雨唐秋口にかけてです」とお答えします。しかし、鳥の中にはその常識を覆す種もあります。④-1.は川底を忍者のように歩く、留鳥のカワガラスです。カワガラスの繁殖期間は二月から六月といわれています。他の野鳥に比べて繁殖活動の開始時期が早いのです。かなり早い例ですと既に一月には子育てを始め、四月には二回目の繁殖に入ることもあります。餌が水生昆虫であるため、他の野鳥より早く繁殖活動に入ることができます。一度の繁殖で最多四羽を郁雛します。

④-2.YouTubeより引用のカワウ(左がメス、右がオス、共に体長約81㌢)の求愛ディスプレイ

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   これより凄いのがカワウの繁殖時期です。初秋から初夏までほぼ一年中繁殖活動がみられ、九月から十一月と、二月から四月の年二回繁殖のピークがみられます。カワウは日長や気温に関係なく、どの季節にも生理的に繁殖可能な種であるとされています。また一回の産卵は1~7個で三個がもっとも多いです。カワウは日長や気温に関係なく、どの季節にも生理的に繁殖可能な種であるとされています。やはり、陸の雑食性の鳥とは違い、水中の魚を餌としますから、いつも餌はあります。

⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/weathernews.jp/s/topics/201805/100115/amp.htmlより引用のホトトギスに托卵されたウグイス(写真はメス体長約14㌢)

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⑤-2.https://www.birdfan.net/2017/10/27/56374/より引用のホトトギス(体長約28㌢)

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   これも繁殖能力だとは思うのですが、自然界の知恵といえばそれまでなのですが、また人間みたいに悪意があってやっているわけではありません。何の事かと思われると思いますがこれは⑤-1.の写真のような「托卵」によって繁殖する鳥たちのことです。日本には⑤-2.のホトトギスのほか、カッコウツツドリ、ジュウイチと四種がいます。代々の親から教わったわけではありませんが、⑤-1.のホトトギスウグイスの営巣に、自分の卵を産みつけ、ウグイスの卵を排除します。驚くべき事に、ウグイスの卵より早く孵化するホトトギスのヒナは、産まれて直ぐにやる事は、まだ残っている卵を自分の背中と翼で包み込み、一つ一つ排除し、宿親であるウグイスから給餌を受け、自分は宿親より大きくなり、知らん顔で巣立っていきます。宿親は気づかず育てるしかないのです。

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