第1726回 鳩麦って
①https://dailyportalz.jp/kiji/111121150826より引用の鳩麦の実
鳩麦茶の原料となっている“はと麦”の名前の由来には二つあるそうで、一つは多くの量を収穫できることから「八斗(はっと)麦」で、二つ目はイネ科の穀物で、日本では昔から美容と健康のサプリメントの素材として親しまれており「鳩が実を好んで食べる」ことからその名がついたという説があります。実は、この鳩麦は自然に生えている雑草です。この実をキジバトやアオバトが好んで食べるから「鳩麦」というのがぴったりと当てはまります。また鳩麦は栄養価が高い穀物といいます。
②-1.http://www.bestamenity.co.jp/culture/kind/kind08/より引用の自然の中の鳩麦
②-2.https://www.hana300.com/hatomu.htmlより引用の鳩麦の実が実り
②-3.https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan202002.htmlより引用の鳩麦の種子の構造
鳩麦の榖実(種子)は、外から殻、薄皮、渋皮、子実から構成されています。精米に比べて二倍以上ものたんぱく質や、約八倍もの食物繊維を含み、そのほかにも脂質やカリウム、カルシウム、鉄分、ビタミンB1、ビタミンB2などを豊富に含んでいるそうです。さらにデンプンを分解するアミラーゼなどの消化酵素も豊富で、雑穀米原料等にも活用されています。中国では古くから漢方薬や滋養強壮食として重んじられ、日本でも薬用、食用、健康茶用等に小規模に栽培されてきました。
③-1.https://www.marugotoaomori.jp/blog/2005/10/529.htmlより引用の鳩麦の実
③-2.https://ジュズダマ.jp/より引用の数珠玉の実
鳩麦はイネ科ジュズダマ属の穀物です。ジュズダマとは近縁種で、栽培化によって生じた変種らしいです。鳩麦粒のデンプンは糯(もち)性であり、ジュズダマは粳性(うるち)です。皆さんもご存知の餅米での表現です。もち米を原料とする米菓を一般的には「あられ」「おかき」があり、食感がソフトで、口どけが良いのが特徴です。うるち米を原料とする米菓は「おせんべい」といわれ、様々な食感のものがあります。それと同じような食感が鳩麦とジュズダマにも存在するということです。
④https://www.inoue-hifu.com/column/2017/3992/より引用の鳩麦を脱穀した実
④の写真のようにアジアでは主食や鳩麦茶など食品として、成分の薏苡仁(ヨクイニン)は生薬として利用されています。それは鳩麦の種皮を除いた種子を原料にした生薬です。『神農本草経』に収載され、上薬とされます。イボ取り、利尿作用、肌荒れ、痛みに効果があるとされていて、医療用医薬品漢方薬)としては、関節痛、神経痛、筋肉痛、尋常性疣贅、青年性扁平疣贅といったイボに適応があるものが多いです。かといって、鳩麦をそのまま服用や煎じて飲んでも効き目はありません。
⑤https://www.birdfan.net/2019/05/17/70628/より引用のキジバト(体長約33㌢)
原点に戻り、なぜ「鳩麦」には『鳩』という漢字一文字が付くのかといいますと、①のタイトル写真や③-1.の鳩麦の実の写真をご覧頂いてもお分かり頂けると思いますが、なんとその実の形はやはり鳩に似ているからです。私にとってそのことが名付けの原因かと思っています。野鳥の名付けにも植物が使われ、ムクドリは椋の実が好物であるから「ムクドリ」や、この記事作成で「鳩麦」の実を採餌している⑤のキジバトやアオバトの写真はネットにはなく、後から餌として与えたのでは…
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