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第1810回 鳥の亜種って何だろう ⑴

①https://kokugo.jitenon.jp/word/p1073より引用の漢字の亜種

   前回までの記事は連続11回に渡って日本の固有種の野鳥を調べてみたつもりでしたが、何か腑に落ちない点が自分自身でもありました。例えば私は野鳥の種別をわかりやすく紹介させて頂く時に、いわゆる「属」と呼ばれる種別を表す枠組みを「仲間」に変換して説明したりしましたが「日本の固有種」を紹介する時に『亜種』という単語が飛び交いました。有名な『亜種』としては、名前も付いているエナガシマエナガです。他の『亜種』と違い、シマエナガは真っ白な身体です。

②-1.https://www.birdfan.net/pg/kind/ord17/fam1727/spe172702/より引用の日本のスズメ(体長約15㌢)

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②-2.https://shikabee.com/niyunaisuzume/より引用のもう一つの日本の「スズメ」のつがいのニュウナイスズ(左がメス、右がオス共に体長約14㌢)

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   その『亜種』を日本の「スズメ」で見てみますと、日本には私たちに一番身近な「スズメ」として、②-1.の写真のスズメがいます。毎日のように私たちの生活圏にいる野鳥です。まず知らない人はいないと思います。小笠原諸島を除いて、人の住まうところに集団生活する野鳥で、人が住まない所には生息しません。またもうひとつの「スズメ」に②-2.の写真のニュウナイスズメがいます。北海道の平地の林や本州中部以北の山地で、夏頃に繁殖し、関東地方以南の暖地で越冬致します。

③-1.https://jackviolin1945.blog.fc2.com/blog-entry-1258.htmlより引用の世界中の「スズメの仲間」のつがいのイエスズメ(左がオス、右がメス、共に体長約16㌢)

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③-2.https://okavangomoremi.web.fc2.com/1167/Sparrow/Sparrow.htmlより引用の南アフリカの「スズメの仲間」のつがいのホオグロスズメ(手前がオス、奥がメス、共に体長約15㌢)

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    この「スズメの仲間」を世界に目を向けてみますと、③-1.の写真のイエスズメは元々はユーラシア大陸やアフリカ大陸に生息していた鳥ですが、その後、様々な地域に移入され、世界中の広い範囲に分布しています。 現在では南極大陸以外の全大陸に分布している最も分布域の広い鳥だと言われています。③-2.の写真は南アフリカ、ナミビア、ボツワナ南部のみに分布するスズメで草原や市街地に住み、普通にみられます。このように名前の違うのは、一般的に「スズメの仲間」です。

④https://www.birdfan.net/pg/kind/ord17/fam1723/spe172309/より引用の近縁種カシラダカ(体長約15㌢)

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⑤-1.https://www.shutterstock.com/search/p.+m.+montanusより引用の本種P. montanus. montanusのスズメ

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⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/gentaro102/entry-12408647668.htmlより引用の中国の亜種スズメ

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⑤-2.https://jp.123rf.com/photo_67006623_すずめ-スズメ-は、タイの庭で美しい茶色の鳥%E3%80%82.htmlより引用のP. montanus. malaccensis亜種スズメ

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   ②-1.の写真はP. montanus. saturatus日本の亜種スズメと、ヨーロッパからアフリカ北部、モンゴル北部、満州に生息のスズメ本種とされている⑤-1.のP. montanus. montanusの姿形はよく似ています。また⑤-2.の写真は中国のどの地方かは解らないのですが、亜種スズメと比べると、黒斑がありません。それに対して、⑤-3.の写真は、タイのP.montanus. malaccensis亜種スズメとは余り違いはないと思います。しかし、日本の亜種スズメだけは、人の住まう民家の近くに生息します。

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