第2151回 鳥の身体の不思議
①https://birdclay.web.fc2.com/01birdclay/01make/003suzu/33tori.htmlより引用の鳥の身体のイラスト
なんといっても、私にとっては『鳥』という生き物には、私自身が小さい頃から大変興味を持っていた生き物です。色んな生き物がいて、水中を泳ぐ魚をはじめとする魚介類や山椒魚、土中を潜って生活しているモグラの仲間、手脚がない爬虫類のヘビなど、人間には出来ないことを、日常的に当たり前にこなしています生き物は沢山います。しかし、鳥だけは、大空を飛ぶことが出来、遠くに移動することもでき、その上に鳥の仲間には、地上を高速で走行出来るダチョウや、水上を生活の場にしていますカモなどの水鳥、また水中を自在に潜水して採餌しているペンギンの仲間。飛行することも、走行することも、また泳ぐ事も、潜水する事も出来る鳥の仲間たち。こんな魅力的な生き物は素晴らしい、謎に包まれた生き物です。
②https://furiirakun.com/creatures/%E9%A3%9B%E3%81%B6%E9%B3%A5より引用の飛行する鳥のGIF
鳥に対するボクをはじめとして、人間の憧れはなんといっても、殆どの鳥が飛べるということです。その鳥に対する憧れを今でも、夏休みにマスコミが「鳥人間コンテスト」なる視聴者参加番組が長年に放送されるくらいですから、相当なものだと思います。そんな憧れの鳥が飛ぶことが出来るのはどうしてでしょう。そのひとつに鳥の翼には、飛ぶための羽根の風切羽がついています。 風切羽を勢いよく下ろすことで、空を飛ぶ力を生み出しているのです。 風切羽は、翼を持ち上げるときには縦になって空気を逃がし、下ろすときは横になって空気を押し返す仕組みになっています。また、鳥は翼をばたつかせているのに、前に進むことが出来るのは、鳥の翼には、前に進むための初列風切という羽がついていて、初列風切は羽軸 の左と右で幅が違い、幅の狭方が前、広い方が後ろになるように付いています。はばたいて翼を下ろすと、幅の広い方、つまり後ろに向かって、風が生まれるので、前に進むことができるのです。
③-1.https://jp.quora.com/より引用の鳥の身体と飛行機の横からの比較写真
③-2a.http://blog.livedoor.jp/v_john_manjirou_v/archives/66435584.htmlより引用の竜骨突起のイラスト
③-2b.http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~NUBSmuseum/news201701.htmlより引用の竜骨突起の標本
③-1.の写真は飛翔するハヤブサを真横から撮影した写真と、その下にはそんな鳥の容姿から人間が、作った飛行機のが飛行している真横の姿を撮影したものの比較です。鳥と飛行機の飛び方の違いは飛行機の翼は固定され、搭載されたエンジンで飛行するのに対して、鳥は羽ばたいて飛んでいるのです。この二枚の写真で共通していますのは、飛行機も鳥も背筋が伸びているということです。鳥の背骨の節はひとつひとつ固まっていて、私たち人間のように曲げることが出来ないのです。その代わりに首の骨の節は沢山あります。多い白鳥では25個あり、少ないハチドリで12個、私たち人間などの哺乳類は7個です。なぜ鳥の背中が曲がらないといいますと、飛行するために、力強く羽ばたかないといけないので、背骨が曲がるのでは力が入らないようです。羽ばたく翼のもとには③-2a.のイラストのように竜骨突起という骨の周りに強靭な筋肉がついているのです。これが飛行機に例えますなら飛行エンジンなわけです。しかし、この竜骨突起は飛べない鳥の代表格のダチョウにはなく、また水中を潜って泳ぐペンギンにはフリッパーと呼ばれる翼で羽ばたくようにして泳ぐためにこの竜骨突起はあります。ニワトリの仲間のキジもいざという時しか飛行致しませんが、少しでも飛べるなら勿論この骨はあります。③-2b.の写真の形が焼き鳥の何個の一部です。
④http://www3.famille.ne.jp/~ochi/kaisetsu-01/05-te-ashi.htmlより引用の鳥の骨の断面図
④-2.http://www.timor-sparrow.net/pre/ja/kouzou.htmlより引用の鳥の内臓 イラスト
③-2b.の竜骨突起の標本や、④-1.のニワトリの骨の断面図をご覧なってもお分かり頂けるとは思いますが、鳥は羽ばたいて飛ぶためには、色んな身体の構造をしています。ケンタッキーフライドチキンを食べて、骨の形を思い出してください。軟骨の竜骨突起がついた部位や、手羽元のチューリップと呼ばれる部位の骨などの中身はやはり空洞です。また④-2.の鳥の内臓の配置をご覧頂いても、内臓ひとつひとつも簡素化されていて、腸と輸尿管の先は肛門ひとつになっています。骨の重さも鳥が飛ぶのに軽量化が望ましいし、水を飲んだり、食べ物を消化した時の水分と糞もやはり飛ぶことに支障を与えるのでいち早く排泄します。
⑤-1.https://www.ac-illust.com/main/search_result.php?word=%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%ABより引用のスズメの翼 イラスト
⑤-2.https://jp.123rf.com/photo_70938564_%E7%A9%BA%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%AE%9F%E7%9A%84%E3%81%AA%E7%BF%BC%E3%81%A7%E9%A3%9B%E3%81%B6%E3%83%84%E3%83%90%E3%83%A1.htmlより引用のツバメの翼 イラスト
⑤-3.http://paleontology.sakura.ne.jp/ahoudori.htmlより引用のアホウドリの翼 イラスト
⑤-4.https://photoxp.jp/pictures/35664/galleryより引用のキジの翼
さて、飛ぶ鳥はほとんどですが、その飛行方法はやはり、鳥の生活環境により、変わってきます。まずは一番身近な鳥のひとつの⑤-1.スズメの翼はスズメ自身の体長約15㌢に対して、翼を広げた長さであります開帳翼は約14㌢くらいで、体長よりほんの少しだけ短いことになります。スズメは留鳥で長距離を飛ばない短距離ランナーです。それに対して夏鳥として毎年春先にやってきます⑤-2.の写真のツバメは、南の国から3,000㌖以上の長距離を移動します長距離ランナーです。体長約17㌢に対して、開翼長はやはり約32㌢と半分以下の長さとなります。しかし、尾羽が長い分を差し引くと、若干開帳翼が長いのはイラストを見れば瞭然です。やはり渡りの時には、海上での上昇気流を利用して、グライダー飛行することがスタミナ温存に繋がります。そんなツバメより、一日中を海上飛行して採餌する⑤-3.の写真のアホウドリは、体長約92㌢の身体に対して開翼長はなんと約300㌢を超えるのです。朝寝ぐらの島から飛び立ち、暗くなるまで飛行するのですから、グライダー飛行より飛行中に波間の気流を捉えてダイナミックソアリングの技術を使う事で、全く羽ばたかずに数千㌖の距離を飛行することが可能といいます。また地上生活中心のキジは、オスの体長約80㌢に対して、約77㌢と長い尾羽を差し引きしても、飛行が苦手だということが、顕著に表れています。