第663回 こんなに凄いメス鳥の浮気
①https://www.google.co.jp/amp/s/www.news-postseven.com/archives/20190305_878212_amp.htmlより引用のイラスト
いままで、いろんな形の野鳥の繁殖期でのつがいの形式を語ってきましたが、当たり前の「一夫一妻」甲斐性があるんだとばかりの「一夫多妻」メスが上位を占める「一妻多夫」生息事情により、種の保存を第一に考えた「多夫多妻」即ち「乱婚」かと思う野鳥の世界。生活環境に合わせて、いろんな形式のつがい関係があります。でも人間社会でもありますように野鳥の世界でも、浮気という魔性が生じます。信頼関係で種の保存の為につがい関係を作りあげたのに浮気するとは.
②YouTubeより引用のスズメの浮気
いま私たち野鳥のことが好きな人間に対して、DNA鑑定という最新科学の開発は人間社会においては刑事事件の解明などに大変輝かしい成果を収めていて、これからの難解な殺人事件にも使われていくことと思います。しかし、自然界においては何故か私は夢を壊されるような気がします。ハヤブサは実はインコの仲間であったとか。そして今回は…鳥類全体の93%を占める「一夫一妻」の野鳥のメスの64%が浮気していると言います。その浮気を証明したのが、②のイラストです。
③イラストなし
以前にも語りましたのが、この③のオオミズナギドリのメスの浮気です。いままでに野鳥のなかではツルやハクチョウの仲間、アホウドリなどの大きな水鳥の仲間は徹底的な「一夫一妻」で、ひとつのつがい関係が成立すると、一生相手が死ぬまで添い遂げます。DNAによる親子鑑定の結果、10〜20%の父親はつがい外子を育てていることがわかり、浮気されてしまったオスは、そうでないオスに比べるとくちばしと羽の長さが短いということがこの調査で初めて明らかになりました。
④https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ルリオーストラリアムシクイより引用のルリオーストラリアムシクイのつがい
DNA解析が進んだ現在にあっては、産まれた子が夫の子供かよそのおじさんのこどもか、つまりお母さんの浮気のすえに産まれた子か、あからさまに分かるようになりました。その結果、多くの種類の鳥で浮気率(つがい外交尾で産まれたヒナの割合)を調べたら、浮気性ナンバーワンはルリオーストラリアムシクイのメスが78%でした。二位がムラサキオーストラリアムシクイの65%と、つがいのオスが自分の子どもだと思っていたヒナは、実はほとんどが自分の子どもでなく「つがい外子」と呼ばれる浮気相手の子どもなのです。高浮気率の野鳥ほど、オスが派手できれいです。
⑤http://blog.livedoor.jp/mxt336/archives/51880567.htmlより引用の家庭第一主義のツバメの家族
そんなDNA鑑定の結果をうけて、野鳥のメスが浮気に走る率が高い種は、まずつがいの形態がどうであれ、その野鳥の取り巻く環境が問題となります。まず猛禽類以外の野鳥はオスの方がメスより身体が大きいのですが、メスの方がオスより大きい場合とか、極端にオスの方がメスより派手なきれいな色である場合です。ツバメはつがい相手と共に営巣して.子育てもつがいで、また雌雄同色、オスの方がメスより大きいし、何より健全夫婦と思いきや「つがい外子」が26%もあります。
⑥「国鳥」キジのつがい相手のメスはしたたか
そんなほかの野鳥のメスの浮気を柳さんに風と、きっとこの⑥の写真のオスのキジは思っていることでしょう。キジといえば、桃太郎のお供を勤め、鬼退治に勇気を見せて、一躍有名に…実の姿もメスの前で競争相手と「母衣打ち」対決、また巣に近づく天敵のヘビ相手にも怯まず、蹴爪で蹴り上げて、⑥の写真のように複数のメスを従えて、自分に酔いしれている間にメスはもっと強いオスと交尾して「つがい外子」を作ります。知らぬは自信過剰のこのキジのオスだけです。
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