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第566回 コチドリのなんでもないことない住まい

①https://www.misawa.co.jp/50th/sumai/village-mountain/little_ringed_plover.htmlより引用のコチドリの営巣

   このコチドリは「シギチ」と呼ばれるシギ・チドリ類の仲間です。コチドリはあの「千鳥足」でおなじみの大きさ体長約16㌢のスズメよりちょっとだけ大きなその名の通りのチドリです。「シギチ」の仲間はほとんどが渡り鳥か「旅鳥」ですが、このコチドリだけは、夏季に本州、四国、九州で繁殖する「夏鳥」。西日本以南の暖地では越冬する「留鳥」で、南西諸島では「冬鳥」です。

スズメより少し大きなコチドリ(体長約16㌢)

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   コチドリのその生態は海岸や河川の中流域、湖、池、沼、水田、畑等に生息し、渡りの時期に山地の開けた草原に飛来することもあります。食性は動物食で、昆虫類、ミミズ類などの節足動物を食べます。ユスリカ類の小型昆虫をよく食べます。水田や干潟などで採食することもあります。当然に営巣も①のように水際で行われるのです。

コチドリのつがい(下の色が薄いのがメス、上がオス)

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   ③はどんな野鳥の雌雄別の特徴であるように、オスの体色はメスよりも濃いです。繁殖期になると①のようにコチドリは、川岸などに小石を集めた巣をつくります。転がって割れないように、卵の周りに小石を丁寧に並べるため京都の石庭のような美しい巣になります。ほかの野鳥のように、ワラや枯れ草、コケ、木の枝のような水で流れてしまうような存在は用いません。

④https://www.google.co.jp/amp/s/sdknz610.exblog.jp/amp/19696443/より引用のコチドリの擬傷

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    コチドリもほかのどんな野鳥にもあるような、家族を守る行動力は兼ね備えています。あの天高く大空でさえずるヒバリも、地上での営巣を行うため、蛇などの外敵が営巣に近づこうとしますと、我が身を外敵に晒すようにして。自分に眼を引きつけておいて、つがいのメスやヒナをにがします。このコチドリは④のように我が身が傷を負っているように「擬傷」して逃れます。

⑤https://www.misawa.co.jp/50th/sumai/village-mountain/little_ringed_plover.htmlより引用のコチドリの天敵から目立たない営巣のイラスト

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   ヒナを守るには自分たち親鳥が餌を探しに巣を離れても、外敵に見つかりにくくするために、コチドリが巣に使かう小石は卵とヒナの模様にそっくりに見えるようにするために、外敵に見つかりません。ヒナを守る機能をしっかりと追求したからこそ生まれたシンプルなデザイン。まさに、シンプルイズベストな機能美の営巣と言えます。

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