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第1620回 尾を振る鳥

https://midikanasizen.com/2022/02/11/whitewagtail/より引用の尾を振る鳥のイラスト

   この世の中で、私たちに対して「尾を振る」仕草を見せるのは、小さかろうが大きかろうが犬が尻尾を振ってくれます。犬が大きく尻尾を振っているのは相手への好意や穏やかな服従を示しています。 尻尾だけではなく、腰を振って体を丸めるようにくねらせていたら、それは甘えの表現です。 また、尻尾を垂らした状態で左右に振っていれば、その環境に安心し、くつろいでリラックスしている状態を表しているようです。対する猫は尻尾を垂直にピンと立てるのは、かまってとか、ここにいるとかうれしいなどの表現を示してます。

②-1.https://www.birdfan.net/2005/06/03/1130/より引用の尾羽をピンと立ててさえずるオスのコマドリ(体長約14㌢)

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②-2.https://www.birdfan.net/2011/07/08/15369/より引用の小さいながら尾羽を上げてさえずるオスのミソサザイ(体長約10㌢)

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    犬や猫が尻尾を振ったり、立てたりは人に対してのことですが、また、野生のイノシシが餌付けられた時も餌をくれる人を見つけたら、あんなに短い尻尾を振るらしいです。野鳥の種類の中でも、犬や猫のように尻尾に当たる尾羽を動かしたり、持ち上げたりする種がいます。それが三鳴鳥でお馴染みの②-1.の写真のコマドリと、②-2.の写真のミソサザイがそうです。その他にもカワガラスもさえずる時に、尾羽をピンと上に伸ばしてさえずります。しかしそれは鳴きの姿勢でしょう。

③-1.https://global.canon/ja/environment/bird-branch/photo-gallery/hakusekirei/index.htmlより引用のハクセキレイ(体長約21㌢)の上下の尾振り

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③-2.https://www.birdfan.net/2008/02/08/2141/より引用の左右に腰振りするイワミセキレイ(体長約16㌢)

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   今回の尾を振る鳥で肝腎要な鳥は「セキレイ」です。ハクセキレイ、※1.セグロ、※2.キの三種の尾振り行動が最もよく見られたのは、警戒している時です。天敵であるハイタカの攻撃方法は不意打ちですから、その動きを察知したぞと、立ち止まっている時に尾を振ります。その時に腰も上下します。身近でない「セキレイ」のイワミセキレイは尾羽を左右に振ります。イワミセキレイの他にヒタキの仲間のヨコフリオウギビタキが左右に振ります。イワミセキレイはたまにしかしません。

注釈:※1. セグロセキレイ  ※2. キセキレイ

④-1.https://larciatoja.blog.fc2.com/blog-entry-118.htmlより引用のマガモ(体長約59㌢)の尾振り

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④-2.https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/4613.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jpより引用のバン(体長約32㌢)の尾振り

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④-3.https://www.birdfan.net/2015/06/19/35864/より引用のイソシギ(体長約20㌢)

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   何も尾羽を振るのは陸鳥だけではありません。④-1.の写真はよく見かける代表的なカモの仲間のマガモです。皆さんも良くご存知のアヒルがよちよち歩いている時に、尾羽の部分を左右に振っているのを覚えていませんか。また④-2.の写真の同じ水鳥のバンも尾羽を振りますが、こちらは上下に振るようです。またシギチの仲間の④-3.の写真のイソシギは、尾羽を振り、腰も動かしてシギダンスを踊ります。他のシギもダンスをします。

⑤-1.https://www.birdfan.net/2020/01/31/76724/より引用のカワセミ(体長約17㌢)

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⑤-2.https://www.birdfan.net/2021/04/09/82035/より引用のジョウビタキ(体長約15㌢)

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⑤-3.https://www.birdfan.net/2019/11/29/75043/より引用のモズ(体長約20㌢)

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   ⑤-1.の写真のカワセミの水中下の獲物を狙っている時のじっと構えている体制ですが、いざ狙った獲物にダイビングする一瞬に尾羽を上方向に振るみたいです。⑤-2.の冬鳥のジョウビタキは、この非繁殖期には縄張りを主張して同種と激しくやり合う特に、上体を上下に振った時に尾羽もつられて上下するのでお辞儀をしながら鳴く野鳥で有名です。また鷹になれなかった⑤-3.の写真のモズは、カワセミと同じように、高所の木の枝の上から狙った獲物に間合いを図り尾羽を回します。

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