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第1104回 黒けりゃカラス? ⑵

①https://yumewouranai.com/crow/より引用のイラスト

②淡色系一羽と他は暗色系のコクマルガラス(体長約33㌢)

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   第1088回では名前にカラスという冠名がついていても実はカラスの仲間ではないという『カラス』という名前が付いた野鳥を紹介しました。今回はその反対に、カラスの仲間は本当に黒いのかに焦点を当てて、紹介していきます。しょっぱなはカラスと名前が付きますが、個体によっては黒くないコクマルガラスです。コクマルガラスは越冬のために日本に冬鳥としてやってきます。単種ではなく、ミヤマガラスの群れに混じってやってきます。ミヤマガラスも口元が黒くないです。

③九州に多いカササギ(体長約45㌢)

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   どういうわけかわかりませんが、②の写真のコクマルガラスにしろ、ミヤマガラスにしても朝鮮半島より、九州の福岡県や佐賀県あたりに入ってくるようです。この③の写真のカササギも、九州からの移入組で、移入時期は豊臣秀吉の朝鮮出兵とする説があります。その証は別名が二つあり、カチガラスともうひとつはコウライガラスです。しかし四十年前程から、北海道の室蘭市や苫小牧市あたりで繁殖が確認されています。鏡に写った自分の姿を認識出来るほどの知能の高さです。

④本州以北に生息するオナガ(体長約36㌢)

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   ④の写真のオナガもカラスの仲間で、カササギと同じく尾羽が長いのが特徴です。日本では分布を狭めており、1970年代までは本州全土および九州の一部で観察されたが、1980年代以降西日本で繁殖は確認されておらず、留鳥として姿を見ることはなくなったようです。九州の個体群については近年になって分布を拡大し続けているカササギとの競争に敗れたという説があります。東日本に残された群の個体数は減少どころか増加の傾向にあります。カッコウの托卵にも悩んでいます。

⑤高山のカラスと言われるホシガラス(体長約35㌢)

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   ぱっと見はムクドリを思いださせる姿形ですが、これでもれっきとしたカラスのなかまです。日本では四国以北の高山帯から亜高山帯に生息し、冬季はやや低地に降りてくる留鳥です。体長やクチバシはカケスと比べてわずかに大きいですが、頭部には冠羽がありません。体色は全体的に黒茶色ですが、白い斑点が縞をなしているため、星空のようにみえるので、ホシガラスと名付けられました。スズメバチやマルハナバチの地中の蜂の巣をクチバシで掘り返しては蜂の子を食べます。

⑥別名カチガラスカケス(体長約33㌢)

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   五番目に登場するのは⑥の写真のカケスです。日本では九州以北で繁殖する留鳥で、北部に生息するものは冬季に南に移動して留鳥となります。全国の平地、山地の森林に生息します。繁殖期は縄張りを形成します。食性は雑食で昆虫類が主食ですが果実、種子等も食べます。また樫の実などのドングリが好きで、冬に備えてすごい数を貯食することでも有名です。故に別名をカシドリと言います。鳴き声が「ジェー、ジェー」で、英名をジェイといい、他の野鳥の物真似がとくいです。

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