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第1453回 平胸類の鳥って?

①https://sp.seiga.nicovideo.jp/seiga/#!/im10637786より引用の代表的な平胸類ダチョウのイラスト

   平胸類って、聞き慣れない鳥類の呼び方だなあと思われている方は多いと思います。先に出た鳥類だとか、猛禽類、水禽類、家禽類、走禽類なら聞いたことがあるって思っておられると思います。Wikipediaの説明では「平胸類は、現生鳥類の中で原始的なグループである古顎類の中で、完全な地上生に進化したグループである。走鳥類、走禽類とも」としています。簡単にいうと、平胸類は走禽類の事だとわかります。飛べない鳥の生活は地上しかなく、飛行する代わりに走行するのです。

②https://ja.m.wikipedia.org/wiki/竜骨突起より引用の竜骨突起のイラスト

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   平胸類は飛ばない地上性の大型の鳥類です。②の骨標本のイラストのように胸骨に竜骨突起がありません。平胸類という名はこれに由来します。竜骨突起とは飛翔に用いる筋肉である飛翔筋が付くべき部位です。かつては竜骨突起がある胸峰類と区別されていましたが、現在は、竜骨突起がある鳥類から二次的に竜骨突起を失ったと考えられ、胸峰類に含められています。羽根は左右対称であり、飛翔に適した形状をしていない鳥達です。この鳥達は一体どんな地域に生息するのでしょう。

③https://www.google.co.jp/amp/s/ga-m.com/n/atumare-doubutu-no-mori-kitahankyuu-minamihankyuu/%3famp=1より引用の南半球のイラスト(右側)

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   しかし、古顎類には平胸類のほかに、不完全な地上生のシギダチョウ科が含まれます。まれに平胸類や走鳥類にシギダチョウ科を含めることもありますが、ここではシギダチョウ科を含めず平胸類だけを説明します。平胸類の分布は南半球にのみに分布します。ダチョウはアフリカ大陸、レアは南アメリカ大陸、ヒクイドリはニューギニア島・オーストラリア大陸、エミューはオーストラリア大陸全域の草原や砂地などの拓けた土地。キーウィはニュージーランド島と全てに生息します。

④twitterより引用のシギダチョウ類のシギダチョウ(体長約40〜46㌢)

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   平胸類は古顎類の残りであるシギダチョウ科は主に地上性ですが、竜骨突起があり飛ぶことはできます。その姉妹群のシギダチョウ科と分化した後に竜骨突起を喪失したと思われます。そのシギダチョウ科の中で、一番最小な鳥はマメシギダチョウで体長約15cm。オスよりもメスの方がやや大型になります。首は長く、尾羽は短く、クチバシは細長く、下方へ湾曲しています。古顎類の中では、唯一竜骨突起を持ち胸筋が発達し、短距離なら飛ぶことができるのがマメシギダチョウです。

⑤-1.https://www.weblio.jp/content/ダチョウより引用のダチョウ(体高約230㌢)

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⑤-2.https://www.hanamiti121.com/511/より引用のヒクイドリ(体高約100〜170㌢)

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⑤-3.https://www.aws-s.com/topics/detail?id=top1653より引用のエミュー(体高160〜200㌢)

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⑤-4.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/レア_(鳥類)より引用のレア(体高120〜150㌢)

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⑤-5.https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/report/NZ/2014/07/sp_kiwi.htmlより引用のキーウィ(体長30〜50)

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   平胸類の代表的な存在感を示しているのが、アフリカに棲む皆さんもご存知のダチョウ科の⑤-1.の写真はダチョウです。地球上最大級の大きさです。また、オーストラリアには、⑤-2.のヒクイドリと⑤-3.エミューは二種とも住んでいます。ヒクイドリ科の仲間であります。南アメリカにはレア科のレアが住んでいます。ここまでの四種が平胸類イコール走禽類の野鳥といえます。最後にニュージーランドに棲むキーウィ科のキーウィです。キーウィは鳥類にしては臭覚が発達しています。

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