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第1220回 鳥を狩る蜘蛛

※  先日にNHK「ダーウィンが来た!」で、①の写真のオオカマキリが「世界初撮影!カマキリが鳥を狩る…」で放送前にオオカマキリの記事を書いて、緊急に流した際にカマキリ以外でも、蜘蛛も鳥を狩るのにと思い、本日も緊急に投稿します。

①-1.YouTubeより引用の蜘蛛の巣にかかったシジュウカラ(体長約14㌢)

①-2.https://meetsmore.com/services/spider-control/media/81630より引用のオオジョロウグモの網巣(直径約100〜200㌢)

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   ①-1.の写真はシジュウカラが真っ逆さまに急降下で飛行しているのではありません。大きな蜘蛛の網巣に引っかかってしまい、動けなくなってしまったのです。この鳥の身体の大きさは約14㌢あります。身近な鳥のスズメが約15㌢ですから、ちょうど平均的な小鳥の体長といえます。普通の大きさの蜘蛛の巣でしたら、シジュウカラは難なく飛び貫いたことでしょう。しかしこの鳥が網巣にかかった巣の大きさは、直径60㌢もある大きなものだったので、身動きが取れなくなったのです。

②-1.https://yaimatime.com/no1/2288/より引用の日本最大級の大きさのオオジョロウグモ(開脚長約20㌢)

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②-2.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5057/?ST=m_newsより引用の上がオス(体長約1㌢)、下がメス(体長約5㌢)のオオジョロウグモ

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   シジュウカラの身を拘束致しました蜘蛛はどんな蜘蛛かといいますと、②-1.の写真のオオジョロウグモです。蜘蛛の体長といいますのは胴体部分のことで、②-2.の上にいるオスからいいますと、約1㌢なのですが、下のメスに至りましては約5㌢にもなります。以前に同じく鳥を狩るカマキリとして登場したメスのオオカマキリは約8〜10㌢もあり、蜘蛛の体長の方が小さいと思われますが、実は開脚長は約20㌢に至り、オオカマキリの二倍にも達する大きさです。このオオジョロウグモが日本における蜘蛛の仲間では最大級の大きさなのです。 

③-1.https://blog.goo.ne.jp/qwert4595/e/3bd954e3253792ec74e7dc95e2a7e812より引用のアシダカグモ(写真はオス体長約雌2.5~3.0㌢、雄1.5~2.5㌢、開脚長10㌢以上)

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③-2.http://spidersasagani.blogspot.com/2020/10/blog-post_52.html?m=1より引用のオオハシリグモ(体長オス約3㌢、メスは約4㌢、足の開脚長約15㌢)

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   ③-1.の写真のアシダカグモは、家屋内に住みつく蜘蛛の中では、日本最大級の大きさで、脚を広げると10㌢以上になります。家屋内に侵入する目的は、エサとなる虫を捕まえるためだと考えられています。ゴキブリなどの屋内害虫を捕獲するため、人の生活に役立つ益虫です。よくタンスの裏などから、脱皮した抜け殻が古い民家では目撃されます。また③-2.の写真の沖縄の森林に生息するオオハシリグモは、アシダカグモに勝るとも劣らない大きさです。網巣を持たない蜘蛛で、体重ではこの二種が頂上を争います。しかし、この項での鳥を捕獲するかといいますと、襲わないです。

④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/www.okinawatimes.co.jp/articles/amp/56525より引用の網巣にかかったシジュウカラを食べるオオジョロウグモ

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④-2.https://blog.goo.ne.jp/miracle_nature_amami/e/fe7e0fa720237022d7fd590710c5f3dbより引用の網巣にかかったエゾビタキ(体長約15㌢)を畳み掛けようと近寄るオオジョロウグモ

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   ④-1.の写真のように、蜘蛛の糸でこんなにがんじがらめにされましたら、体長約14㌢のシジュウカラが羽ばたき、脚で蹴り上げることも出来ません。また、④-2.の写真は日本では旅鳥として春と秋の渡りの時期に飛来するシジュウカラよりも身体の大きなエゾビタキです。渡りの途中で疲れていたのか、粘着力も強いこの網巣に引っかかって身動きが取れなくなり、やはり餌食となったようです。網巣は細かい網目でできており、ハエなどの小さな虫でもしっかり捕獲できます。捕食する際は最初に毒で弱らせます。自分より体の大きい鳥などでもこの毒を使えば動きを封じられてしまうのです。コウモリさえかかってしまいます。毒を注入して動けなくした後は、糸でぐるぐる巻きにします。このように獲物を確保することで、自分の都合によって、じっくり捕食できるのです。

⑤-1.https://blog.goo.ne.jp/miracle_nature_amami/e/1cdd70a1f2133ed8a9ff2041a2513dd0より交尾中のオオジョロウグモ

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⑤-2.https://blog.goo.ne.jp/inpre-anac/e/028862eec98b5ffe0383537c1865b72fより引用の共食いするオオジョロウグモ

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   ⑤-1.の写真のように、オオジョロウグモでなくも蜘蛛は、交尾にやってきた小さなオスを、大きなメスが食べてしまうことはあります。⑤-2.の写真のオオジョロウグモは通常の黄色い型と、真っ黒い無紋の型の二つがあり、ときに両型の中間の色合いのものもいます。まさにその違う型同士で共食いをします。オオジョロウグモの大きなメスが、ほかの大きなメスを食べているのは珍しいようですが、近くにいた個体同士が争って勝った方が捕食したのか、網にかかる餌が少なくなってきて、やむなく共食いしたのかよくわかりませんが興味ある行動です。鳥をも捕獲する蜘蛛でした。

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